第二十二章

 

3-331:途方〔13歳:LEVEL33〕
秘密の地下迷路の先で発見したのは、なんと物言わぬ屍と化した盗子の姿だった。
…いや違う。殺しても死なんような奴だ、きっと何かの裏技使った演技に違いない。
勇者「ゴキブリってのは敵を前に、時に死んだフリをするという…。油断ならん奴め。」
賢二「この状況でその技使うメリットよく考えて!確かに勇者君は強敵だけども!」
観理「言いづらいけどポックリ逝っちゃってるれすよコレ…。まだ温かいけども…。」
勇者「まだ起きないか…よし、じゃあ試しに首でもハネてみるか。」
観理「それ「試しに」じゃ済まないれす!仮に生きてても死んじまう程の破壊力が!」
賢二「ちょっと勇者君、いい加減にしてよ!今くらいはフザけてないで真面目に」
勇者「この状況でフザけてられるかよっ!!」
賢二「え…ゆ、勇者君…?」
勇者「・・・・・・・・。」

賢二「真面目に言ってて…それ?」
勇者「うん。」
賢二は途方に暮れた。

 

3-332:二択〔13歳:LEVEL33〕
どうやら盗子は本当に息絶えてるっぽい。盗子の分際で勝手に死ぬとは生意気だ。
生きててもウザいだけだが、俺の手で始末するつもりだった奴だ、死なれちゃ困る。
勇者「というわけで、不本意ながら蘇生に入ろうと思う。 観理、メス。」
観理「こっちは?」
勇者「オス。」
賢二「いや、「ヒヨコの性別鑑定士ごっこ」は後にしてもらえる!?急がないと…!」
女医「ふぅ、やっぱり恐れてた事態に…。あらあら困ったわねぇ〜。」
賢二「あっ、女医先生!ちょうどいいところにやっと適任者が…!良かったぁ…!」
女医は盗子を診た。
勇者「で、どうなんだオイ!?ヤブな判断しやがったらブッた斬るぞ!?」
女医「…なるほどね。とるべき道は二つに一つ…といったところかしら。 どうする?」
賢二「えっ、ひょっとして…!」
勇者「一体何があるんだ!?言えっ、その方法を!!」

女医「火葬と土葬、どっちが好み?」
サジの投げ方が半端なかった。

 

3-333:希望〔13歳:LEVEL33〕
いいタイミングで現れたと思われた女医だったが、驚くべき速さで諦めやがった。
賢二「そ、そんな…もうどうしようもないんですか!?ホントに…ホントにもう…?」
女医「大量の血を抜かれてるの。今からじゃもう…あらあらホント困ったわね〜。」
賢二「だったらもっと困った感じ出してもらえません!?伝わらないんですけども!」
勇者「なんとかならんのか!?「死者蘇生」的な便利な魔法とかなんとか!」
女医「そんなやりたい放題な展開は、編集部的にアウトらしいわ…。」
賢二「え、なにその初耳な組織!?」
勇者「チッ、手詰まりか…!?クソがっ…!!」

声「そうは、させないよっ!!」
勇者「なっ!?その声は、まさか…!」
颯爽と姫が現れた。
姫「大変なことになっちゃったね、盗子ちゃん…。でも大丈夫、私が治すよ!」
賢二「姫さん…でも、言いたくないけどシラフの姫さんには今は何の期待もできな…」
勇者「いや、待て賢二!姫ちゃんが右手に持ってるのは…アレは…!」
姫「任せて勇者君。うまくいくかわからないけど…手は一つだけ、あるよ。」

アルコール…ランプ…!
良い子は飲んじゃダメだ。

 

3-334:選択〔13歳:LEVEL33〕
アレの中身で素敵に酔えるのかは置いといて、とりあえず酔ってるっぽい姫ちゃん。
任せていいのかはわからんが、どのみちどうしようも無いので任せちゃうことに。
今はとりあえず、魔神復活を阻止すべく奥へ向かうのが先決…仕方ない、急ぐか!
タタタタッ…!(走)
勇者「気をつけろよ賢二、あそこで血を抜いたってことは、魔神の核はもう近い。」
賢二「でも…どうして事前に抜いたんだろ?普通奥まで連れてくと思うけど…。」
勇者「どうせ死ぬ死ぬ騒いだんだろ?そんだけウザけりゃ俺でもそうする。」
賢二「状況が目に浮かびすぎるな…。いや、勇者君ならその場で斬りそうだけど。」
勇者「おっと、そうこうしてる間に…見えたぜ、アレだ。」
明らかに怪しい3つの扉が現れた。
勇者「各々に「ドクロ」、「鬼」、「悪魔」の絵…か。つまり「行き止まり」って意味か?」
賢二「うん…罠でもいいから「天使」とか用意してほしいよね…。」
勇者「まぁいい、悩んだって始まらん。開けろ、「地獄の扉」を…な。」
賢二「えっ…どれを?」
多分どれでも正解だ。

 

3-335:手分〔13歳:LEVEL33〕
俺達二人の前に立ちはだかった3つの扉。2つは外れ、1つは…む?全部外れか?
勇者「チッ、こんなことなら観理も連れてくるべきだった。眠いとかフザけやがって。」
賢二「良かった…もしいたらバラバラに入る気だったんだね…。」
勇者「仕方ない、二人で手分けするぞ。」
賢二「だよね…。」
勇者「お前が2つな。」
賢二「そしてそうなるよね…。」
勇者「ん〜…よし、じゃあ俺は悪魔だ。」
賢二「うん、知ってるぶふっ!
勇者「そうじゃねーよ!俺が「悪魔の扉」を開けると言っただけだよクソがっ!」
賢二「じゃ、じゃあ僕は…「ドクロの扉」…かな。数分後の自分っぽいしね…。」
勇者「そうか。となると…」
声「残る「鬼の扉」は、この俺ってことになるな。」
勇者「なっ、貴様は…!」

武史「そして盗子は、俺が守る!!」
凄まじく手遅れだった。

 

3-336:隠事〔13歳:LEVEL33〕
もう手遅れなのも知らず、颯爽と現れたシスコン武史。まったくマヌケな野郎だ。
だが今は状況が状況だ、死ぬほど落胆されても困る。盗子の件は黙っておこうか。
勇者「よぉ、随分と久しぶりだなシスコン。さぁとっとと扉の先へ進むがいい雑魚め。」
武史「フン、お前の指図を受ける気はねぇよ。俺はお前が、大嫌いなんでな。」
勇者「フッ、気が合うな。俺も貴様の妹が大嫌いだ。」
賢二「ちょっ…今は身内で争ってる場合じゃ…!」
武史「だ、誰が身内だっ!コイツを義弟にするなんてまっぴらゴメンだからな!」
賢二「いや、そんな意味で言ったつもりは…。」
武史「…まぁいい、盗子を助け出すまでの間だけだ。仕方なく手を組んでやるよ。」
勇者「む?なんだよそれ…新手のプロポーズか?」
賢二(違うから!「もう助からない=永遠に」みたいな受け取り方は違うから!)
武史「?? よくわからねぇが…とにかく急ぐぞ。盗子はきっと、怖くて震えてる。」
勇者「いや、ピクリともしてなかったぞ。」
武史「!?」
賢二「わー!」
賢二は心労が絶えない。

 

3-337:対峙〔13歳:LEVEL33〕
勢いで思わず全部言いかけたが、一応バレずに済んだ。武史が鈍い奴で助かった。
今のうちに部屋に入ってしまうとしよう。本命の部屋に入れればいいんだがなぁ…。
勇者「さーて…じゃあ入るか。お前ら、もしアタリ部屋だったら責任持って戦えよな。」
武史「フン、言われるまでもねぇ。」
賢二「死にたくないなぁ…。」
全員それぞれ扉を開けた。
〜悪魔の部屋〜
声「…いらっしゃい。やはりアナタが来ましたか、さすがは「勇者」…運命ですかね。」
勇者「その声…黄錬邪か。フッ、どうやら俺がアタリを引いたらしいな。」
春菜「ふふふ…アタリかハズレかは、身をもって味わってください。」

〜鬼の部屋〜
群青錬邪「残念だな小僧、ここはハズレだ。この「伊予平」には誰も勝てぬ。」
武史「伊予平…S級首じゃねぇか。ちょうどいい、帝牢にブチ込んでやる。」


〜ドクロの部屋〜
黒錬邪「フッ、オメェ運が悪かっ」
賢二「まったくですね…。」

仲間外れを探せ。

 

3-338:開戦〔13歳:LEVEL33〕
入った部屋には黄錬邪…いや、元黄錬邪の春菜がいた。恐らく奴が今回の黒幕だ。
勇者「ったく…雑魚ども操って三度目の大暴れか。懲りん奴だな貴様も。ウザッ。」
春菜「全国各地でもっと暴れてるキミに言われたくはないですけどね。」
勇者「フッ、人気者ってのは目立つから困る。」
春菜「それに今回は操ってはいませんよ。力は魔神用に、温存しておかないとね。」
勇者「ほぉ、なら無理矢理リミッター外して…なんて手は無いわけだ、安心したぜ。」
声「…甘いね。「忠誠心」に勝る力の源なんて、この世には無いんだぜ?」
赤錬邪が現れた。
勇者「そしてその声…博打だったのか。西の島ではよくもやってくれたなぁオイ。」
赤錬邪「マスターはビジーだ、俺が相手するぜ。今度こそこれが…ラストバトルだ。」
勇者「フン、まずは脱げよそれ。お前ごときがリーダー色ってのが気に食わん。」
赤錬邪「ん…?フッ、いいだろうブラザー。俺もトドメはやはり本来の姿でふっ!!
勇者は脱いでる最中に殴った。

 

3-339:旗盗〔13歳:LEVEL33〕
「変身時は攻撃しない」というお約束も華麗に破り、博打を殴った時に気づいた。
威力が落ちている。魔剣がポキポキ折れることから見ても、考えられる理由は一つ。
博打「イテテ…相変わらず卑怯だなぁ。ま、案の定思ったよりも効かなかったがね。」
勇者「チッ、参ったぜ。マオの半身と共に、力の大半が消えちまったと見える。」
博打「そのようだね。まぁ「勇者」の力の大半が「魔力」ってのはどうかと思うが。」
勇者「フン、まぁいいさ。貴様ごとき雑魚、この鍛え上げた肉体一つで十分だ。」
博打「ほぉ…言ってくれるねぇ。なら早速いくぜ、必殺カード「フラッグ・ジャック」!」
〔フラッグ・ジャック〕
敵の全身に計53本の旗が現れるので、5分以内に好きな本数盗む。
その旗に書かれた数字の合計が21なら、相手に大ダメージを与える。
21に満たない場合、その差分×44のダメージを自分が受ける。
博打「さぁいくぜブラザー…って、いないっ!?」

〜5分後〜
博打「ぎぇええええっ!!
博打に924のダメージ。(瀕死)

 

3-340:邪魔〔13歳:LEVEL33〕
颯爽と便所に行ってる間に、なぜか博打は倒れていた。新手の攻撃だろうか。
勇者「オイこら博打。なんだ貴様、人の帰りを寝て待つとは礼儀知らずな奴め。」
博打「うぐっ…ぶ、ブラザー…この緊迫した状況下で、一体どこに…?」
勇者「いや、ちょっとお花を摘みに。」
博打「ってどこのレディだい!?なぜそんな無駄にお上品に!?」
勇者「まぁ何はともあれ、戦う手間が省けた。とっとと始末して次へ移るとしようか。」
博打「くっ、体が…ここまでか…!「万事ティーポット」か…!」
勇者「いや、「休す」と「急須」は別物だが…気にすまい。死ねぇえええ!」
声「ま、待つべやぁー!ちょいと待っとくれぇーー!」
勇者「むっ、その田舎者丸出しの口調は…!」
博打「ッ!!?」
なんと、逃げたはずの奮虎が現れた。

そして勇者にボコられた。
勇者「ふぅ〜…スッキリした。さて、じゃあ気を取り直して今度こそ博打を…」
奮虎「ぐふっ…だ、だから待つべ。そうはいかねぇ…それだけは、させねぇべさ!」
勇者「む?解せんな、なぜ貴様がコイツをかばう?生き別れの弟でもあるまいに。」
奮虎「それは生きわか…えっ、なにそのネタバレ!?」
どうでもいい設定が明かされた。

 

3-341:覆水〔13歳:LEVEL33〕
逃亡しやがったくせに戻ってきた奮虎。聞けば博打の兄らしいが心底どうでもいい。
他人のここぞという見せ場を邪魔するのは好きだが、邪魔されるのは好きじゃない。
勇者「まさかお前らがそんな関係だったとはな…。ま、俺には関係の無い話だが。」
奮虎「お願ぇだ勇者、弟を…見逃してやってほしいだ。そのためならオラは命も…!」
博打「な、なんのつもりだよリアル・ブラザー?俺は村を捨てた身…裏切り者だぜ?」
奮虎「そんなもん関係無ぇべ。どこにいようと、オメェが弟なのに変わりはねぇんだ。」
博打「ッ…!!」
奮虎「だども、一つだけ聞かせてほしいだ。なして…なして村さ出て行っただ?」
勇者「んー、その方言じゃないのか?そのダサさはもうグレるに十分だと思うぞ。」
奮虎「いやいやいや!そげな小っさい理由で村に火ぃ付けて逃げるおバカがどこに」
博打「う゛っ…。」
奮虎「ここに!?んで今や勢い余って世界滅ぼしたくなるくれぇ嫌ぇと!?うわぉ!」
博打「す、すまねぇ…。一時の恥ずかしさに負けて俺…オラとんでもねぇことを…!」
奮虎「ま…まぁいいべ。漏れたウンコは戻らねぇ…過ぎたことは忘れたべよ。」
博打「あ、兄者ぁ…!」
二人は暑苦しく抱き合った。
勇者「…チッ。あまりにくだらなすぎて、興が醒めちまったぜ…。 もういい、消えろ。」
奮虎「えっ…そ、それじゃあ…!」

ズバシュッ!(斬)
「消えろ」の意味が違った。

 

3-342:慈悲〔13歳:LEVEL33〕
くだらんお涙頂戴劇は凄まじく嫌いなので、とりあえず奮虎を斬ってみた。スッキリ。
博打「あ…兄者ぁああああ!て、テメェ…テメェの血は何色だよこの悪魔がっ…!」
勇者「流せる涙があるのなら、よく考えることだ。貴様がしようとしていたことをな。」
博打「ッ…!!」
勇者「世界滅亡を望んだ貴様に、そんなことを言う権利があると思っているのか?」
博打「くっ…! って、でもやっぱり兄者が斬られる理由は無い気が…!?」
勇者「ふむ、そうとも言う。」
博打「ファック…!!」
勇者「…フッ、安心しろ。今のこのナマクラ魔剣じゃ、どう見てもその血は致死量だ。」
博打「なぜ前半と後半の意味が正反対なのか教えてくれる!?」
勇者「それに…貴様もすぐ、同じ所に行くしな。」
博打「え…ぶばばばばばばばばばばばばっ!!

あの世では…兄弟仲良くな…。
現世でも良かった気が。

 

3-343:能力〔13歳:LEVEL33〕
いい加減飽きたので、怒りの鉄拳で博打を血祭りにあげた。ったく、時間くったぜ。
だが、黄錬邪は血の入ったビンを手にまだ呪文を唱え続けていた。間に合ったか。
勇者「よぉ黒幕、ペットの方は片付けたぞ。今度はお前と遊んでやるから喜べ。」
春菜「ハァ〜…困りましたね、もう少しなのに。見逃してはもらえませんかね?」
勇者「フッ、俺は他人の期待を裏切ることに生きがいを感じるタイプだが何か?」
春菜「強大な敵にこそ燃える…というのが「勇者」の基本設定ではありませんか?」
勇者「わざわざ面倒増やしてまで腕試ししようってほど俺は暇じゃない。諦めろ。」
春菜「それは残念。どうやら私は「勇者」という存在を買いかぶっていたようです。」
勇者「いや、それは親父の段階でまず気づけよ。」
春菜「あの人はもうなんというか、「病気」ですし。」
勇者「お前とはいい友達になれたのかもな…。 ま、もはや手遅れだがっ!」
ズバシュ!(斬)
勇者の攻撃!
賢二「ぎゃーーーー!!
勇者「なっ、賢二…!?バカな、なぜ貴様が…!」
春菜「先ほど部屋に入ってきたので…ね。 お忘れですか?私の能力は」
勇者「なぜ貴様が、まだ生きてるんだ!」
そっちが意外だった。

 

3-344:問答〔13歳:LEVEL33〕
どういうわけか、生きて目の前に現れた賢二。予想と違ってさすがの俺も困惑した。
賢二「ぐっ、う゛ぅうう…痛い…あれ?一体僕は…どうして…?」
勇者「な、なぜだ賢二…?死んでドクロになるっていう誓いは、どうしたんだ!?」
賢二「いや、なんで残念がってるのかよくわかんないんだけど…。」
春菜「あらら、もう解けちゃいましたか。もう少し本気で仕掛けるべきでしたね。」
勇者「フッ。魔神用に随分力を残してるようだが、今はケチってる場合と思うか?」
春菜「…キミは、この世界に何を望みますか?」
勇者「ん、なんだいきなり?人の質問に質問で返すとは生意気な。」
春菜「そしてその希望が潰えた時、キミは何を思うでしょう?」
勇者「フン、意味のわからん禅問答に付き合ってやる義理は無い。ブッた斬る。」
賢二「ちょ、ちょっと待って勇者君!これはもしかしたら説得できる流れかも…!」
勇者「説得?フザけるな、コイツのせいで今までに何人死んでると思ってるんだ?」
賢二「いや、その理屈だと勇者君も…。」
勇者「俺は、いいんだ。」
理屈じゃなかった。

 

3-345:好機〔13歳:LEVEL33〕
妙な問い掛けをしてきた黄錬邪。何か懺悔でもあるのかもしれんが特に興味無い。
勇者「さて…とっとと貴様を拘束して、盗子の葬式の準備でも邪魔するとするかな。」
賢二「お葬式なんて縁起でもな…しかも邪魔するの!?」
春菜「あぁ、動かない方がいい。この台座の下…ここに魔神の核が眠っています。」
勇者「そこに血をかけたら魔神復活ってか?だが今復活されても制御しきれまい?」
春菜「それは…どうですかねぇ?お望みならやってみましょうか?」
勇者「フッ、やれるもんならやったら殺す。」
賢二「いや、挑発したいの止めたいのどっちなの!?」
春菜「私はどうすれば…。」
勇者「(キラーン!)見えた!隙ありぃーー!!」
勇者は魔剣を投げつけた。
パリン!
勇者「あ。」
ビチャァ…
春菜「あ。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!
賢二「あぁーーーっ!!」
サイは投げ…た。

 

第二十三章