第十七章

 

3-256:接待〔13歳:LEVEL33〕
どうやら完全に騙されてるっぽい邪神。ったく…なんでこんなにアホが多いんだ。
こうなったら他人を装って何かしらの情報を引き出してやろうじゃないか。
勇者「すまんが俺は油しか売らん。まぁ暇なら話相手くらいにはなれるが?」
邪神「話し相手か…そうじゃな、少々退屈しておったところじゃ、付き合うがよい。」
勇者「偉そうだなお前。」
邪神「その言葉そっくりそのまま返すぞ。客に対する売り子の言葉とは思えんわ。」
勇者「むーー…では客人よ、いや「お客様」とでも呼ぶべきか?」
邪神「…「バキ」でよい。堅苦しいのは好きでない。」
勇者「それじゃあバキよ、貴様こんな所で何してるんだ?」
邪神「ん?ちと観光にな。要塞を築いている間は暇でのぉ。」
勇者「なんで今さら気づくんだ。はなっから貴様は妖怪じゃないか。」
邪神「色々と失礼な聞き間違いを…というか貴様、その知った口ぶり…もしや…!」
勇者「し、知らんぞ!?俺は貴様のことなんぞ全然知らん!知らんぞ邪神バキ!」
邪神「や は り 貴様かぁーー!!」

邪神も頑張った方だ。

 

3-257:目的〔13歳:LEVEL33〕
結局バレた。まぁ結構煽っていたのでどのみちいつかキレられると思ってはいたが。
邪神「貴様…いい度胸じゃのぉ。このわらわをわらわと知っての態度がコレか…!」
勇者「ま、まぁ待てバキよ。「勇者」と「邪神」がこんな場所で闘うのもアレだろう?」
邪神「む?むぅ〜…まぁそうか。何事もチュチュエイションというのが大事と聞くしの。」
勇者「(和むアホだなぁ…。)あ〜ところで邪神、黄錬邪の奴はどこにいるんだ?」
邪神「黄錬邪…あぁ春菜か。悪いが知らんよ、アレの考えてることはよくは知らん。」
勇者「随分適当なんだな。」
邪神「命を救われた恩義があるゆえ共にいるだけじゃ。目指すところはむしろ逆…」
勇者「死にかけたのか…そりゃ大変だったな。」
邪神「他人事のように言うな!貴様のせいじゃ!」
勇者「で、逆って何がだ?」
邪神「「魔神」の復活…奴はそれを望んでおる。わらわの意にはそぐわぬことだ。」
勇者「なに?じゃあお前は魔神に仇なす立場ってことか?仲悪いなお前ら。」
邪神「うむ。嗟嘆と共闘し、奴を討つつもりであった。あの力は目覚めてはならぬ。」
勇者「ほぉ…なんだ、気が合うじゃないか。」
意外なタッグの完成か。

 

3-258:協定〔13歳:LEVEL33〕
話してみると、邪神も魔神の復活には反対だという。なんだ奴は嫌われ者なのか。
かといって邪神が無害かというと違う気もするが、当面の利害は一致した感がある。
ここはとりあえず、魔神を倒すまではコイツを利用する方向に持っていくことにしよう。
勇者「魔神が最大の敵…そういった意味では思いは同じ。どうだ、協力しないか?」
邪神「ふむ…まぁ敵は強大だ、戦力があるに越したことはない…か。いいじゃろう。」
勇者「ホント偉そうだなお前。」
邪神「じゃからそれは貴様も…!」
勇者「で、敵の情報は? 魂が戻る前に本体を破壊する…それしか手はあるまい。」
邪神「情報は春菜が集めておる。見つかり次第、可哀相じゃが…奴は始末する。」
勇者「ナイスな判断だ。」
邪神「お前はホントに「勇者」なのか…?」
勇者「俺はヤボ用がある。力を蓄えてから合流するから楽しみにしているがいい。」
邪神「そうか。わらわは要塞にいるじゃろう。 「ニュグラ島」という名の火山島じゃ。」
勇者「OKわかった、首を洗って待っているがいい!」
邪神「やっぱりやる気なのか!?そうなのか!?」
勇者「フッ、悪いが相手にならんな。」
邪神「なっ、なんじゃと!?」
勇者「勝てる自信が無い。」
邪神「ならなぜ偉そうに…!」
そんなこんなで駅に着いた。

 

3-259:捜索〔13歳:LEVEL33〕
想像以上に早く駅に着いた。こんな楽な交通手段があると前から知っていれば…!
その後俺は邪神と別れ、街をさまよっていた。早く「呪術師」を見つけねばならん。
〜ギマイ大陸:クミルシティ〜
勇者「やれやれ、ったくデカい街だな。こんな場所で一人で人捜し…こりゃ骨だぜ。」
声「大丈夫っ!二人で捜せばすぐだって!」
勇者「むっ!?」
勇者はカバンを開けた。
なんと!血子を発見した。
血子「ついてきちゃった☆」
勇者「ほぉ…この俺が気づかん程に気配を消すとはやるじゃないか。生意気な。」
血子「まぁ根っこだしね。ところでダーリン、どうやって捜し出すつもりなの?」
勇者「ん〜…まぁまずは無難に聞き込みするのが妥当だろうな。 オイ貴様!」
市民A「ハイ…?」

勇者「じゅじゅちゅ師はどこだ?」
まずは発声練習からだ。

 

3-260:道標〔13歳:LEVEL33〕
大きな街だけあって呪術師捜しは難航した。やはり街頭での聞き込みじゃ無理か。
などと考えていると、妙な占い師を見つけた。俺は占いの類は信じないタチだが…。
勇者「オイ貴様、俺は今…」
占い師「待ち人は来る…相応の場所で待て。酒の香る盛り場がいいだろう。」
勇者「な、なにっ!?なぜ貴様、俺の目的が…!?」
占い師「一部始終を見ていた。」
勇者「いや、そこは嘘でも占ったことにしとけよ。商売する気無いのか?」
占い師「全ての導きに従え。行き着く先で汝らは、世界の滅びを止めるだろう。」
勇者「ほぉ、世界を…ねぇ。フッ、俺に相応しすぎる響きじゃないか。」
占い師「いくつかの出会いと、別れがあるだろう。だが止まらずに進むが吉となる。」
血子「別れ!?い、一体何が起こるの!?超おっかないんだけど!」
占い師「迷わず行けよ、行けばわかるさ!」
血子「あ、ありがとー!」
勇者「行くぞぉーー!」
いーーち!(以下略)

 

3-261:興味〔13歳:LEVEL33〕
一瞬よそ見した隙に、占い師はどこかへ消えていた。一体何者だったんだろう?
うさん臭いがまぁ他にアテも無いし、試しに言う通り酒場に行ってみることにしよう。
ギィイイイ…(開)
店主「ヘイらっしゃーい!」
勇者「おいオヤジ、とりあえず子供酒を…根っこも飲めるのか?」
血子「あ、うん!噂じゃ変な実とかなるんだって。あとね、ウネウネと無尽蔵に伸び」
勇者「1杯。」
店主「ハイ喜んでー!」
勇者「待ち人は来る…か。魔神の件もあるし、のんびりはしてられんのだがなぁ。」
血子「マスター!えっとね…じゃあ、天然水とロックで!」
店主「ハイ喜ん…「と」!?えっ、岩!?」
血子「まぁいいじゃん、たまにはこーゆーのもさ!くつろいで待とうよ☆」
勇者「…ま、そうだな。よーし野郎ども!今日は俺のおごりだ、好きに飲むがいい!」
全客「お…? オォオオオオオオ!!」

一度言ってみたかったんだ。
言ってみただけだった。

 

3-262:手配〔13歳:LEVEL33〕
俺の一言で店は大いに盛り上がった。俺が文無しとも知らず…フッ、バカな奴らだ。
店主「いや〜盛り上げてもらってすみません。若いのに羽振りいいんですね!」
勇者「頑張れ店主。」
店主「え……何がっ!?」
血子「じゃあさダーリン、これなんかどうかな?この「手配書」の奴ら倒せば…ね?」
勇者「ほぉなるほど、確かにそれなら俺らしく且つ一発で稼げそうだ。どれどれ…?」
『ランク:A級 名前:早季子 職業:詐欺師 懸賞金:450銀 罪状:結婚詐欺、他』
『ランク:A級 名前:豪人 職業:強盗 懸賞金:800銀 罪状:強盗殺人』
勇者「100銀(約100万円)クラス…この辺か?これ以上の奴らは少々骨だろう。」
『ランク:S級 名前:墓夢 職業:爆弾魔 懸賞金:2200銀 罪状:都市爆破』
『ランク:S級 名前:伊予平 職業:傭兵 懸賞金:3500銀 罪状:要人暗殺』
『ランク:S級 名前:ソボー 職業:海賊 懸賞金:5000銀 罪状:王国乗っ取り』
『ランク:S級 名前:葉沙香 職業:狂戦士 懸賞金:7600銀 罪状:大量虐殺』
血子「S級は1000銀クラスなわけね。さすがにちょっと規模が違うね〜。」
勇者「政府も手を焼く輩…面白そうなんだがな。また今度に…って、えぇっ!?」

『ランク:SS級 名前:凱空 職業:勇者 懸賞金:1金 罪状:食い逃げ』
手口が謎すぎる。

 

3-263:推理〔13歳:LEVEL33〕
指名手配書の、しかも「SS級」に、なんと親父の名があった。罪状は「食い逃げ」。
確かに前に山賊がそんなこと言ってたが、まさか事実とは…。底の知れんアホだ。
などと考えていたら、他にも面白い名前を見つけた。そうか…そういうことか。
血子「にしても、手配犯って結構多いね。ま、簡単には見つかんないんだろうけど。」
勇者「…誰もがそう考える。だからそれを逆手に取ればいいのさ、なぁマスター?」
店主「えっ…?」
血子「ど、どーゆー意味なのダーリン!?」
勇者「待ち人は来る…か。フッ、こんなハンターの巣窟に隠れるとは大胆な奴め。」
店主「・・・・・・・・。」
血子「じゃ、じゃあまさかこの人が、捜してた例の…!?」
勇者「ああそうだ。罪状は「国家反逆罪」…A級賞金首、「呪術師:解樹」!」
ギィイイイ…(開)
男「よぉマスター、なんだ今日は随分と賑わってんじゃんか。何かあったのかい?」
店主「あ、解樹さん。」

よし、死ぬほど飲むか。

勇者は酔って忘れたい。

 

3-264:勘違〔13歳:LEVEL33〕
痛恨の推理ミス!久々に赤っ恥をかかされた。呪術師の解樹…許せん男だ。
だがこの手配書の顔…どう見てもコイツの顔じゃない。何か秘密がありそうだ。
勇者「貴様が解樹…なのか?だったらなぜ、手配書がマスターの顔なんだよ?」
店主「えぇっ!?あっ、ホントだ!ちょっとイジッてあるけど私だ…!」
解樹「あぁ、差し替えてもらったんだよ。職業柄、政府にも顔がきく方でね。」
店主「でもなんで私の顔に!?というか、そんなことが可能なら手配ごと無効に…」
解樹「フフ…なぁに、日頃の礼さ。店の宣伝になればと思ってね。」
店主「なるかっ!いや、確かにハンターは増えそうですけどね危険な意味で!」
解樹「ところでボウズ、お前俺を知ってるようだが、何か用かい?」
勇者「ん?ああ、察しの通り「呪い」の件でな。少々困ってるんだ。」
解樹「フッ…だろうねぇ。」
血子「なんでこっち見て言うの!?」
勇者「特に左手が不便でな。太古の魔神の呪いだ、張り合いのある獲物だろ?」
解樹「魔神…? いや違うな、その腕は…「魔神のそれ」じゃない。」
勇者「な、なんだっ…て?」

勇者は血子を見た。

 

3-265:難解〔13歳:LEVEL33〕
俺の剣を見た呪術師は、妙なことを言い出した。俺のは魔神の呪いじゃないだと?
勇者「ふむ、さすがは呪術師…何か色々知ってるようだな。話すがいい。」
解樹「錬金の武器にゃ体の一部と魂が必要だ。だが魔神は生きてる…わかるか?」
勇者「華麗にわからん。」
解樹「つまりだ、その剣は魔神の角と「別の者の魂」から練成されてるってこった。」
勇者「なるほど、さっぱりわからん。」
解樹「かつて神々レベルの武具を練成できる異能の者が、ただ一人だけいた。」
勇者「ほぉ、やっぱりわからん。」
解樹「目には目を、魔神には魔神を…その剣は、魔神を倒すためだけに作られた。」
勇者「なにっ!?じゃ、じゃあ…わからん。」
解樹「魔神を討つ力…。渾身の呪いと、「自分自身の魂」を…その剣に込めたのさ。」
勇者「ふむ、結局よくわからんが…お前が妙に詳しいのはわかった。なぜなんだ?」
解樹「…そいつの名は「錬金術師:錬樹(れんき)」、俺の…祖先にあたる男だ。」

よくわからん。

勇者は結構酔ってる。

 

3-266:泥酔〔13歳:LEVEL33〕
話を要約すると、どうやら俺は魔剣を作った「錬金術師」に呪われてるんだとか。
オイオイ、今度は人間かよ。なんで俺にはあらゆる呪いが互換性バッチリなんだ。
勇者「ハァ…まさかこの俺が、人間ごときの呪いで腕を封じられてるだなんて…。」
解樹「弱ぇくせに無理矢理力を引き出そうとしたんだろ?仕方ない代償だろうよ。」
勇者「なにぃ!?この俺が弱いだと!?フザけるなよ貴様…マスター、ロックで!」
血子「違うよダーリン!お酒の度数の話じゃないよ!?」
解樹「魔神を倒そうって程の剣だぜ?命懸けで作ってんだぜ?ナメんじゃねって。」
勇者「ナメてなんかない!飲んでるんだ!」
血子「今の話じゃないよ!?てゆーか1回吐いてこようよ!ね!?」
解樹「俺なら呪いは解けるよ?けど今のお前じゃ、どうせまた同じ目に遭うしな〜。」
勇者「あん?てことはなにか?今の俺じゃ…どうせまた同じ目に遭うとでも!?」
血子「そう言ったよね!?聞き返すまでもないくらい言い返せてるよね!?」
解樹「剣に認められることだ。そうすればお前は、魔神を討つ力を手にするだろう。」
勇者「そうか、剣に認めっぷ!う゛ぇー!

勇者はそれどころじゃない。

 

3-267:限界〔13歳:LEVEL33〕
ここんとこ酒はご無沙汰だったせいでか、一時間もするとかなり酔いが回っていた。
相当気持ちが悪い。盗子がいないのにこんな気分になるとは、夢にも思わう゛ぇー!
勇者「ハァ、ハァ…き、気持ち悪い…。おいマスター、便所を。」
店主「いや、行ってくださいよ!持ってこられませんてば!」
血子「てゆーか水飲もうよ!「子供酒」は水飲めば一発で酔い覚めるんだからさ!」
解樹「やれやれ情けないボウズだ。そんなんじゃそりゃ呪いにも負けるわ。」
勇者「で?剣に認められるってどういう意味だ?話して答えるもんでもあるまい?」
解樹「応えたから力を得られた…違うか?通じるさ、彼は今も剣の中で生きてる。」
勇者「う〜む…オイ魔剣…いや「錬樹」、聞いてるか?俺が貴様のご主人様だぞ。」
魔剣「・・・・・・・・。」
勇者「俺を信じろ錬樹よ、この俺が魔神を超う゛ぇえええ!!

魔剣は大変なことに。

 

3-268:話合〔13歳:LEVEL33〕
耐えられず、魔剣にブチ撒けてしまった俺。すると強烈な痛みが左手を襲ってきた。
勇者「ぐぉおおお!痛い超痛い!左手が締め付けられるように…!」
解樹「そ、そりゃゲロぶっかけりゃキレられるわな。ったくどんだけ要領悪いんだ…。」
勇者「俺は悪くない!気持ち悪いんだ!」
血子「それは言い訳としてどうなの!?」
解樹「ま、これでわかったろ?その剣には意思がある、話し合わにゃならんのよ。」
勇者「ふむ、なるほど…じゃあ印象良くせんとマズいわけだな。少し緊張するぜ。」
解樹「いや、今より下は無いから安心しとけ。」
勇者「で、俺はどうすりゃいいんだ?地道に語りかけて口説いてきゃいいと?」
解樹「んにゃ、それじゃ一方通行だ。お前らは…「話し合い」する必要があんだよ。」
血子「話し合い…?でも剣と話し合いってどうやんの?」
解樹「いにしえの霊山…「メルパ山」。そこでなら、それも可能かもしんねぇなぁ。」
勇者「メルパ山…ニュグラ島にあるっていう火山か。危険極まりない地じゃないか。」
解樹「なぁに、もうずーーっと休んでる火山だ、ビビるこたないさ。」

いや、山とかじゃなくて。

邪神が住んでる。

 

3-269:尻拭〔13歳:LEVEL33〕
何の因果か、俺が目指すべき地は「邪神」の要塞があるという例の島なんだとか。
まぁどのみち行くつもりではあったんだが、この体のまま行くのは少々不安だな…。
勇者「うーむ…だがまぁ仕方ないか。面倒が起きる前にソッコーで解いてくれよな。」
解樹「ん?ああ心配すんな。業界一と言われたこの俺に、解けん呪いは無ぇよ。」
血子「でもさ、おっちゃんはなんでそんな色々教えてくれんの?お金なら無いよ?」
解樹「フッ、違う…全然わかってねぇよお前…。」
血子「え…?」
解樹「俺は、おっちゃんじゃねぇ!まだ若いピッチピチの…何歳かだ!」
血子「だったら濁すなよ!アンタも自信無いんじゃん!」
解樹「まぁそれはさておき…アレだよ、「利害の一致」ってやつさ。礼は要らん。」
勇者「利害の一致…?どういう意味だ?」
解樹「呪術師の祖先が人呪ってるとかマズいだろ?ずっと探してたんだ、その剣。」
勇者「先祖の尻拭いってやつか?」
解樹「ったく、ケツの汚ぇ先祖がいると苦労するぜ。ま、お前にゃわかるまいがな。」
勇者「いや、痛いほどわかるぞ。」
親は「賞金首」と「魔王」だ。

 

3-270:出航〔13歳:LEVEL33〕
翌朝。 俺達3人は「メルパ山」へと向かうべく、とりあえず港を目指して歩いていた。
血子「んでさ、その島にはどーやって行くの?港に行けば連絡船があるとか?」
解樹「んにゃ。目指すは人も寄り付かん離島だ、一般の交通機関なんて無ぇさ。」
勇者「OKわかった、じゃあ船は俺に任せてくれ。これでも腕には自信があるんだ。」
血子「えっ、なんで腕ずく限定なの!?」
解樹「ここらの海は海獣達の巣窟だからな…まぁ遠回りして3日の旅ってところか。」
勇者「3日…いや好都合だ。その間に色々聞かせてもらうぞ、この剣のこととかな。」
解樹「ん?ああいいぜ。色々話してやるよ、見たとこ他にも憑いてるようだしなぁ。」
勇者「フッ、コレクションだ。」
血子「そこは胸張るとこじゃなくない!?」
解樹「けどまぁ俺も行くのは何年ぶりかの山だ、迷ったらゴメンよ。」
勇者「まぁ気にするな。それほど急ぐ旅でもないしな。」
解樹「さて、どの方角だったか…。」
血子「そっから!!?」
結局10日かかった。

 

第十八章