第十一章

 

3-166:惜別〔13歳:LEVEL29〕
奥から出てきたのは、自称「死体使い」のジジイ。ということは、カルロスはもう…。
勇者「死体使い…なるほどな。カルロスは、既にやられていたんだな…。」
黒猫「気づかなくても無理はない。今や「死体使い」は「禁職」、知る者は少ない。」
〔死体使い〕
死体の持つ情報から死者を再構築し、そして操ることができる職業。
「霊媒師」のように魂を呼び寄せるわけではないので、死体に人格は無い。
死体はその記憶を元に、死体使いが俳優顔負けの演技力で操るのだ。
黒猫「彼はよくやったよ。多少とはいえ嗟嘆様に手傷を負わせた者は何年ぶりか。」
勇者「…一つだけ聞く。カルロスは…お前を殺せば開放されるのか?」
黒猫「私が死んでも朽ちるまで動き回るさ。手は他にあるが…貴様にはできまい。」
勇者「ナメるなよクソジジイ、この俺に不可能などありえないし盗子もありえない!」
盗子「この緊迫した空気でもそうくるの!?」
黒猫「死体とて人間だ、命令は脳を介す。首でもハネれば死体に戻(ジャキン!


剣次「がっ…!

勇者「別れは済んだ、次は貴様だ。」
勇者は久々にキメた。

 

3-167:正義〔13歳:LEVEL29〕
カルロスは逝った。いや、もう既に逝っていたわけだし…まぁいい、とにかく勝った。
黒猫「な、何のためらいもなく仲間を…!貴様本当に正義の味方か!?」
勇者「正義の味方だぁ?フン、違うな。 俺が…俺の存在こそが、「正義」なのだ!」
盗子「えぇっ!?」
勇者「俺の歩んだその道を、人が称えて使う言葉…それが、「正義」だ!」
盗子「そんな勝手な解釈で今まで生きてきたの!?それどこの独裁者!?」
黒猫「フォフォッ。面白い小僧だ、敵として葬るのは惜しい、我が手駒となるがいい。」
黒猫は両手を掲げた。
教師に倒された兵が全て蘇った。
盗子「うっぎゃー!一瞬でまた形勢逆転だよー!どどどどーすんの勇者ぁ!?」
勇者「ならば再逆転すればいいだけのこと!こんな雑魚が何人いようと…う゛っ!」
黒猫「ん?どうした小僧、そんな千鳥足で勝てるとでも…」
商南「勇者ー!コレ飲みぃー!頼まれとった例のモンやでー!」
商南が現れ、何かを放り投げた。
勇者は「輸血球(ゆけっきゅう)」を手に入れた。
勇者「グッドタイミングだ商南!貧血さえ治りゃこんな奴ら、ただの木偶にすぎん!」
そしてもう大変なことに。

 

3-168:順調〔13歳:LEVEL29〕
例の鼻血対策として商南に頼んでおいた薬のおかげで、やっとこさ復活できた俺。
暗黒神は先公に任せるとして、とりあえず邪魔なゾンビどもを始末してやることに。
勇者「ハァ、ハァ…雑魚とはいえさすがに手間だったが、残りもわずかだな。」
盗子「うわーん!目の前が大変なことになってるよー!血の海だよー!」
姫「海開きだね。」
盗子「って違うから!まぁ違った意味で何かが開かれてるけどね!アジみたくね!」
商南「ん〜、間一髪やったなぁ。こりゃ後で追加料金も請求できそうやな。」
盗子「あ、そういえば商南、あの冥符って奴は?なんか逃げ切れたっぽいけど。」
商南「あ〜、強力睡眠薬飲まして放っぽってきたったわ。ごっつ苦労したでホンマ。」
黒猫「くっ!仮にも嗟嘆十闘士と呼ばれた者達をいとも容易く…!なんて小僧だ!」
勇者「ふむ、あと数体ってとこか?どうやら貴様がここに並ぶのも時間の問題だな。」
黒猫「フ…フフフ…あ、甘いわ調子に乗るな小僧!貴様と共に来た仲間がまだ残っ」
勇者「フッ、腕が鳴るぜ。」
黒猫「誰かぁーー!!」
猫は手を借りたい。

 

3-169:大変〔13歳:LEVEL29〕
黒猫の奥の手は、兄丸やらジョニーやら、俺と共に来て散った雑魚達だったらしい。
が、当然の如く心に響くことはなく…。まぁ詳しくは割愛するが、とにかく片付いた。
黒猫「ば、バカな…!読み取った記憶では、武術会では苦戦していたはず…!」
勇者「フッ、あの日は体調不良でな。今の俺は、眠くもなければどこも痛くない。」
盗子「心は痛まないの!?」
勇者「さぁこれで残るは貴様だけだ。」
黒猫「ひぃいいい!こ、降参だ!もう私に戦う術は無い!見逃してくれぇー!」
勇者「そう言われて見逃すバカがいると思うのか?」
盗子「アンタのポジションはそうあっていいとも思うけどね!?」
勇者「死ね。」
ドゴォオオオオオオオン!!(轟音)
突如、謎の轟音が鳴り響いた。
勇者「な、なんだ今の音は!? ハッ、アレは…!」

教師「ぐっ…はぁっ…!!
暗黒神「フッ、オイオイどーした死神?こんな時間に眠いとは、随分いい子だなぁ。」
まれに見る展開だった。

 

3-170:限界〔13歳:LEVEL29〕
頑張ってるかと思いきや、全然頑張れていなかった先公。そんなに敵は強いのか?
暗黒神「無茶をしすぎだな死神。お前はそもそも、その目を持てる器じゃないんだ。」
教師「なぁに、目標達成は間近ですから。その後のことなんて知りませんよ。」
暗黒神「ほぉ、俺と刺し違える気か?だが残念だな、そんな体じゃそれも叶わん。」
勇者「なんだ先公、フラフラじゃないか。期待外れもいいとこだぞ、この雑魚めが。」
教師「フッ、この目は命と引き換えに能力を強化するんでね。もう結構限界ですよ。」
盗子「えっ!あの先生が弱気に…!?こんな先生初めて見たよ!」
教師「我慢の限界です。」
盗子「とか思った自分が間違いだったよ!」
暗黒神「さーて、じゃあぼちぼち片付けるとするかな。余興もいい加減飽きたぜ。」
盗子「気をつけてね勇者、また凍らされたら大変だよ!きっと他にも凄い魔法が…」
暗黒神「フッ、俺が魔導士に見えるか?」
盗子「えっ、じゃあ一体…!?」

暗黒神「俺は…「暗黒魔導士」だ。」
魔導士じゃん。

 

3-171:即売〔13歳:LEVEL29〕
「暗黒魔導士」だと自称した暗黒神。どんな職かはわからんが、結構強そうだ。
だが俺にもプライドがある。同じ敵に二度も後れをとるわけにはいかないので斬る。
勇者「さて暗黒野郎…猫ジジイにも逃げられたことだし、俺が相手をしてやろうか。」
暗黒神「フン、興味無いな。ガキと遊んでる暇は無いんだ、失せやがれ小僧が。」
教師「彼は凱空さんのご子息ですよ。」
暗黒神「な、なんだとぉおおおおお!?」
教師はアッサリ生徒を売った。
勇者「ん?ああそうだ。俺こそがかつての「勇者」こと凱空の忘れ形見、勇者だ!」
盗子「勝手に親を殺すのはアリなの!?」
暗黒神「そうとわかりゃあ話は別だ。奴には借りがある、子であるテメェに返すぜ。」
勇者「お前もしや、親父ごときに負けたのか?くだらんな、早々に切り捨てるか。」
教師「待ちなさい。彼は私の敵…それにキミを、危険な目には遭わせられない。」
盗子「今さっき敵を煽ったのはどこの誰!?」
教師「それに私より、もっと助けるべき相手が…いるようですよ。」
盗子「へ…?」

バァン!(扉)
暗殺美「うわっ、ヤメるさ!あの2のオッサンみたいな目に遭うのは私はイヤさ!」
華緒「逃げるな小娘が!この「嗟嘆四天王」の華緒…狙った敵は必ず仕留める!」

勇者「さぁ来い、嗟嘆!」
勇者は話を聞かない。

 

3-172:集中〔13歳:LEVEL29〕
さぁいよいよ暗黒神と再戦だって、四天王に追われ暗殺美が飛び込んできた。
勇者「なんだ、また四天王か。この調子じゃ残り二人もすぐ湧いて出そうだな。」
華緒「貴様こそここで何をしている?貴様は確か、以前魔王様にコテンパンに…。」
勇者「フン、記憶に無いな。秘書がやったことだ。」
盗子「どこの政治家だよ!」
暗殺美「気をつけるさ勇者!そいつ変なオッサンを簡単に狩ったさ!」
勇者「フッ、気が合うな。」
盗子「違うよ勇者!?多分だけど「オヤジ狩り」的な意味とは違うよ!?」
暗黒神「よぉ華緒、遅かったな。お前らがのんびりしてたせいで俺は超多忙だぜ?」
華緒「すみません嗟嘆様、銀隠…部下の尻拭いに若干手間取りまして。」
勇者「やれやれ…やはり邪魔な方から消すか。オイ暗殺美、敵の戦力を教えろ。」
暗殺美「銀隠から奪った「風神の靴」を…奪われたさ。後は…勝手にやれ…さ…。」
暗殺美は力尽きた。
盗子「あ、暗殺美!?うわっ、よく見ると傷だらけじゃん!大丈夫!?」
姫「私が治すよ!盗子ちゃん、早く「集中しよう室」へ!」
盗子「「治療」しろよ!集中することを目標にしてどーすんだよ!」
姫「オヤツ食べる?」
盗子「やっぱ集中もして!」
暗殺美は命が危ない。

 

3-173:余裕〔13歳:LEVEL29〕
よく見ると、暗殺美は華緒とかいう四天王の奴にやられていた模様。いい気味だ。
が、暗殺美は俺がいつか華麗に始末する予定だったので、なんだか気に食わない。
勇者「フン、どうやらウチの雑魚が世話になったようだな。こいつぁ…高くつくぜ?」
華緒「嗟嘆様、この小僧めは私に任せていただいてよろしいですか?」
暗黒神「ん?ああ任せた。こっちも気は抜けん相手でな。だが、トドメは俺が刺す。」
華緒「了解しました。では四肢を奪う程度に。」
勇者「ほぉ〜この俺相手にデカく出たなぁ女。だがそういう奴は、早死にするんだ!」
勇者の攻撃。

勇者は200のダメージを受けた。
盗子「えっ!なんで攻撃した勇者の方がダメージ受けてんの!?カウンター!?」
姫「気分はマスターだね。」
盗子「そっちのカウンターじゃないよ!」
勇者「ぐっ、カウンターだと…!?だがちゃんと見切って避けたはず…!」
商南「風神の力やな。攻撃が巻き起こす風…見えない攻撃や、厄介やで。」
勇者「俺もそのくらい計算に入れていた。どうやら使い手自身、相当な腕らしいな。」
華緒「私は華緒、職業は「蹴撃士(しゅうげきし)」。我が蹴りに、砕けぬモノ無し。」
相当な脚らしい。

 

3-174:奥義〔13歳:LEVEL29〕
ナメてかかってみたら、意外にも強かった華緒。これは気を引き締めねば危ない。
勇者「フッ…いいだろう、本気で相手をしてやる。 かかってこい女、そして死ね!」
華緒「死ぬのは貴様だ小僧!尊き嗟嘆様に楯突いた罪、万死に値する!」
華緒は豪快な蹴りを繰り出した。
勇者「くっ!やはり衝撃波がハンパじゃない…! オイ盗子、お前風よけになれ!」
盗子「えっ!?や、ヤだよバカ!いくら切羽詰ってるっていってもそりゃ無いよ!」
勇者「ケッ、つまらん。」
盗子「もっとそりゃ無いよ!」
華緒「よそ見をするとは愚かな小僧よ!死ぬがいい!」
勇者「(ニヤリ)貴様がな!!」
勇者のカウンター攻撃!

ミス!攻撃は華緒の頬をかすめた。
勇者「チッ、ミスったか…!やれやれ、いい距離だと思ったんだがな。」
華緒「…作戦だったか。あなどれん小僧だ、もはや二度とその距離には入るまい。」
勇者「ん?なんだ貴様、この俺の射程に限界があるとでも思っているのか?」
華緒「な、なに…?フン、強がるな小僧。もしくはそうやっておびき寄せる腹か?」
勇者「ならば見よ、最大奥義にして最長射程…秘剣「遠殺剣(えんさつけん)」を!」
華緒「え、遠殺剣…!?」

…さて、どうしたものか。
完全に見切り発車だった。

 

3-175:可能〔13歳:LEVEL29〕
勢いで言ってみた奥義「遠殺剣」。だがそんなもの無い上にアイデアも浮かばない。
とはいえ、敵もビビッてくれているのでこのまま嘘を貫いてやることに決めた。
勇者「さぁ覚悟しろ女。どれだけ距離を置こうとも、この剣からは逃れられん。」
華緒「フン、どうせハッタリだろ?やれるものならやってみるがいい小僧!」
勇者「やれるもんなら最初からやってる!」
盗子「ゆ、勇者!?それは「できない」って言っちゃってない!?」
華緒「バカが!死ねぇ!!」
勇者「俺に不可能は無い! うぉおおおおお…!伸びろ、魔神剣!!」
勇者はデタラメを叫んだ。

なんと!ホントに伸びた。
華緒「なっ…!」
勇者「なにぃいいいい!? …フッ、これが遠殺剣だ!」
盗子「それで騙せるとでも!?」

伸びる剣か…コイツは使えるぜ!
だが強度はショボい。

 

3-176:大暴〔13歳:LEVEL29〕
冗談で伸びろと言ったらホントに伸びた魔神の剣。言った俺が一番驚いた。
そういや持ち主の魔力により姿を変えるとか聞いた気もする。とにかく便利な剣だ。
勇者「さぁいくぞ!避けられるものなら避けてみろ!必殺奥義、遠殺剣ーー!!」
勇者は剣を振り回した。
ミス!華緒は攻撃を避けた。

ミス!商南も必死で避けた。
ミス!盗子は若干食らった。
勇者「チッ、惜しい!」
商南「ってコラァ!はた迷惑な攻撃すなや!バーサーカーかおのれは!?」
盗子「てゆーか今の「惜しい」は誰に対してなの!?ねぇ!?イタタタタ痛いの!」
華緒「ふぅ…やれやれ、そんな大振りが当たるとでも?思慮の浅い小僧だな。」
勇者「フッ、お前も大したことないな。斬られた肩口に気づかんとは。」
華緒「な、なにっ…!?」

勇者「嘘だよ隙ありぃーー!!」
勇者は正攻法が苦手だ。

 

3-177:極悪〔13歳:LEVEL29〕
絶妙な心理作戦も功を奏し、華緒の懐に入ることに成功した。チャンス到来の予感。
華緒「くっ、こしゃくなマネを…!」
勇者「どうだ女、この距離じゃ足も振り切れまい!自慢の風も威力半減だなオイ!」
華緒「フン、それは貴様も同じこと!この間合いでは剣士の方が…」
勇者「剣士?俺は「勇者」だ!食らうがいい、選ばれし者のみ使える究極魔法を!」
華緒「しまった、魔法があったか…!チッ!」
華緒は慌てて「魔防のマント」をかぶった。

そこに勇者のミドルキックが炸裂!
華緒「ぐふっ! 蹴り…だと…!?(ガクッ)」
勇者「フッ、面白いように引っ掛かるな。」
盗子「な、なんかさっきから色々と酷すぎない!?ちょっとは手段を選べよ!」
勇者「選んだ結果がコレだ!!」
盗子「うわーん!今日も理不尽にキレられたよー!」
勇者「さーて、トドメといくか。 ホレ風神の使い手よ、風となり空に消えるがいい。」
勇者は華緒を窓から投げた。

 

3-178:復活〔13歳:LEVEL29〕
強敵だった華緒だが、騙されやすかったおかげで意外と簡単に倒すことができた。
普通にやったらどうなっていたか…。残り二人の四天王にはできれば会いたくない。
勇者「なんとか片付いたな…。にしても遠殺剣は魔力消費が激しい…封印だな。」
商南「ってアホ勇者!武器奪ってから放れやもったない!高ぅ売れるやん絶対!」
勇者「ところで姫ちゃんと、ついでに暗殺美は無事なのか?」
商南「あ〜まぁ一応な。意外にも姫が真面目に治療してるんやから驚きやで。」
姫「痛いの痛いの〜…」
商南「て思てたウチが間違うてたわ。」
姫「痛いの…?」
商南「しかも聞いてるだけかいっ!」
勇者「あぁ、あと先公はどう…」
バリィイイイイイン!!(割)
突如、全ての窓が砕け散った。
華緒「・・・・・・・・。」
勇者「なっ!?貴様は華緒…! なぜここにいる!?下界まで落としたはずだ!」
華緒「こやつはもはや華緒ではない…。勝つために、自分の身を売り渡したのだ。」
勇者「売り…!?な、なんてはしたない!!」
盗子「そういう意味じゃないと思うよ!?」

華緒「この俺…「風神:ビュンビュン」にのぉ。」
そんなことより名前がウケる。

 

3-179:変化〔13歳:LEVEL29〕
葬ったはずが勝手に帰ってきやがった華緒。しかも自らを「風神」だと名乗りだした。
察するに、奴は装備に命を捧げたようだ。そうまでして勝ちたいとは殊勝な奴め。
勇者「なるほど、状況は理解した。にしても意思まであるとはとんでもない靴だな。」
華緒「お前のおかげで久々に好き勝手に動き回れる。礼は弾むぞ小僧。」
勇者「フッ、なぁに気にするな。どうせすぐ天に還す身だ、礼には及ばん。」
華緒「そうか、それは…残念だ!」
風神の攻撃!
ミス!勇者は華麗に攻撃をかわした。
勇者「ふぅ…やれやれ、そんな見慣れた攻撃で勝てるとでも?思慮の浅い神だな。」
華緒「フッ、お前も大したことないのぉ。斬られた肩口に気づかんとは。」
勇者「ん?プッ!フハハハ!やられたな、これじゃさっきのやりとりの逆…なっ!?
勇者の肩口から血が噴出した。
姫「あ!盗子ちゃん虹!」
盗子「仮に見えても今その反応はおかしいよ!?まずは心配しろよ心配!」
勇者「…チッ、どうやら人格が変わった程度の変化じゃあないらしいな。」
華緒「ああ。コイツが死んでも次はいる。肉体の限界を超えて、暴れられるのよ。」
勇者「仕方ない…では俺も久々に、暴れてやるか。」
さっきまでのは何だ。

 

3-180:血騒〔13歳:LEVEL29〕
風神が乗り移った華緒は、いわば「リミッター解除状態」にあるという。厄介な敵だ。
勇者「どうやら油断は禁物のようだ、本気で潰すぞ。真の敵はお前じゃないしな。」
華緒「フン、口だけはデカい小僧よ。」
勇者「口だけじゃない!「態度」もだ!!」
盗子「その訂正はどうなの!?」
勇者「体調は万全…もはや俺の勝利は揺るがない!死ねぇーー!!」
ガキッィイイン!
勇者「ほぉ、靴で剣を受けるとは器用な…だが、これならどうだ!?百の秘剣…!」
シュババババババ!(連撃)
勇者は「百刀霧散剣」を繰り出した。
風神は風で防いだが防ぎきれなかった。
華緒「くっ!我が風の防壁を通すとは…! フッ、血が騒ぐよ小僧…500年ぶりだ。」
姫「勇者君の方が騒いでるよね?」
勇者「ああもちろんだ!血管がハチ切れんばかりさ!」
盗子「そんな騒ぎ方はしないよ!?」
華緒「俺も手抜きはヤメるとしよう。さぁ次はコチラの番だ!味わえ我が必殺奥義…」
勇者「無駄だ!さっきの防御でわかった、貴様の風など屁でもない!」
華緒「必殺!「大旋風葬」!!」
痛恨の一撃!
勇者は壁にめり込んだ。

 

第十二章