第七章

 

3-106:未来〔13歳:LEVEL29〕
暗黒神がローゲ王都を攻撃してから、一ヶ月が経とうとしていた。
〜シジャン城:王の間〜
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!(轟音)
兵士A「た、大変です「新王」様!ついに…ついに暗黒神の移動城が国内ギャッ!
ソボー「わめくなウルセェ、わかってらぁ。ったく面倒な時期に乗っ取っちまったぜ。」
兵士B「どうしましょう!?国民に避難勧告を出すならもう遅いくらいでギャッ!
ソボー「逃げるだぁ?この俺様がぁ?ざっけんなコラァ!開戦だ!全面戦争だぁ!」
声「は、はーなーせー!ちょっ、首根っこ掴むなー!んでもって手錠取れー!」
兵士C「新王様、ポチを連れて参りました。」
盗子「誰がポチだよ!なんでこんなに扱い違うの!?アタシの立場は何!?」
兵士C「ステイ!!」
盗子「ワン! ってフザけんなよ!」
ソボー「よぉクソジャリ、ちょうどいいとこに来たなぁ。ちょっと出掛けてこいやぁ。」
盗子「えっ、いいの!?外に出してもらえるの!?ぃやっほーい!」
ソボー「ちょっとしたお使いだ。うまくいったら…そうだなぁ、王女扱いにしてやらぁ。」
盗子「マジでぇ!?やるやる!やっちゃう! で、何を盗ってくればいいのさ?」
ソボー「神の首。」
盗子「無理っ!!」
未来は盗子に託された。

 

3-107:挑戦〔13歳:LEVEL29〕
ソボーは暗黒神の討伐を盗子に押し付ける気マンマンだった。
〜シジャン城下〜
ソボー「少し前だ、コイツがローゲで発見されたのは。修復にゃ手間掛かったぜぇ。」
盗子(こ、コレって前に賢二の連れが盗んだってゆー宇宙船…なんでコレが…!?)
ソボー「この船なら宇宙まで行けらぁ。安心して天に召されろやクソジャリ。」
盗子「天に…って死んでんじゃん!まぁ確かにかなり死にそうな任務だけども!」
ソボー「選ばせてやろうか?上に行って死ぬか今ここで死ぬか、好きな方選べや。」
盗子「死なない選択肢をちょうだいよ!全弾詰まったロシアンルーレットかよ!」
バシィ!(ビンタ)
ソボー「ギャーギャーわめくなクソが。」
盗子「な、殴ったね!?お父ちゃんにも会ったこと無いのにっ!」
ソボー「ちなみに操縦はだが…」
盗子「突っ込めよっ!スルーかよ!生まれて初めてちょっとボケてみたのにー!」
ソボー「俺は笑えねぇ冗談とテメェが大嫌ぇだ。」
盗子「流行ってるの!?ねぇ流行ってるのそのイジメ!?あんまりだよ!」
ソボー「メシは積んでねぇからな。」
盗子「聞けよっ!!」
盗子は諦めが悪い。

 

3-108:希望〔13歳:LEVEL29〕
でも結局、なんだかんだで盗子は諦めた。
盗子「ハァ…わかったよもー。行くよ諦めるよ!で、でもアンタも頑張ってよね…?」
ソボー「あ゛?誰が行くっつったよ、俺様は国王様だぜぇ?戦は雑兵の仕事だ。」
盗子「えぇっ!?ちょっ、アタシだけで行くの!?どう考えても死んじゃうじゃーん!」
ソボー「だから死ぬっつってんだろーがぁ!!」
盗子「逆ギレ!?この状況で逆ギレ!?キレたいのはこっちの方だよっ!」
ソボー「まぁ安心しろや。腕に覚えのあるっつー連中が、もう何人か乗船してらぁ。」
盗子「ホントにぃ!?良かったぁ〜!なんかほんの少しだけど希望出てきたよ〜!」
ソボー「結構ウメェもん作るぜぇ。」
盗子「そっちの腕自慢!?しかも食材は積んでないのに!?」
ソボー「わかってるな?砲撃でもさせようもんならテメェ、ブッ殺すからな。」
盗子「フンだ!そんときゃどうせアタシもう死んでるもん!バカー!」
ソボー「あ、おぉそうだクソジャリ。最後に一つ、悲しいお知らせがあるわぁ。」
盗子「もうフッ切れたもん!今さら何言われたってヘコみすらしないもんねっ!」
ソボー「さっき言ってた帝都の討伐隊…その中にいたらしいぜ、「勇者」ってのが。」
盗子「うっわーーん!!」
ソボーはゲラゲラ笑った。

 

3-109:仲間〔13歳:LEVEL29〕
盗子は半泣き状態のまま、渋々宇宙船に乗り込んだ。
するとそこには、怪しい覆面で顔を隠した、怪しげな4人の姿があった。
盗子「えっと、お邪魔しま…って、なんで全員そんな格好なの…?変態…集団?」
謎A「フン、登場シーンはもったいつけるべきなのさ。謎が謎を呼んで視聴率UPさ。」
謎B「ウチはむっちゃ面倒やってんけどな。一応こーしよって話に決まってん。」
謎C「え、前世での結婚相手ですかぁー?もちろん勇者先輩でーす☆」
謎D「名前は言えない。でも強いて言うなら…今では「肝臓ガン」とも闘っている。」
盗子「・・・・・・・・。」
盗子は「謎」という字を辞書で引いた。

 

3-110:最速〔13歳:LEVEL29〕
盗子と共に旅立つべく集まった仲間は4人いた。
だが戦力的にはかなり不安なメンバーだった。
盗子「ハァ〜、頼れる仲間どころかアンタらなんて…。でもなんで知り合いばっか?」
余一「謎の知らせが届いたんだ。この地へ集えと…「死神」の描かれたカードが。」
盗子「し、死神…商南以外はカクリ島メンバー…ももももしかしてその差出人て…!」
商南「まぁウチらはどのみち行くつもりやってんけどな。 勇者と…約束しててん…。」
盗子「あっ、そうだ勇者!帝都の部隊に勇者がいたってホント!?もしホントなら…」
暗殺美「…この船がここにあるってことは、そういうことさ。」
盗子「そ、そんな…!」
弓絵「そんなの嘘ですぅー!先輩はオーブンでこんがり焼いても死にませーん!」
商南「いや、それやったら死んでてもらわんと怖いがな!どんな化けモンやねん!」
余一「でも確かに、人間ってのは意外にしぶとい。簡単に諦めちゃダメごふっ!!
暗殺美「アンタは素直に病院に帰れさ。」
商南「あ、ところで操縦はどないすんの?どー考えてもウチら全員素人やで?」
太郎「…その件だったら問題無いよ、僕が操縦する。」
陰から太郎が現れた。
商南「えっ、なんでアンタがおるん!?アンタも一ヶ月前に行ったはずやんか!」
太郎「逃げ延びて一ヶ月、地下の隠し倉庫で食いつないでた。キミらを待ってたよ。」
太郎は逃げ足なら負けない。

 

3-111:臆病〔13歳:LEVEL29〕
例のごとく逃げ出していた太郎の運転で、宇宙船は出発した。
暗殺美「で、結局何があったのさ?アンタは勇者達を見殺しにしたのかさ?」
太郎「見殺し?フッ、この僕を甘く見ないでほしいね。そんな瞬間までいたと思う?」
盗子「なんで自慢げなんだよこの臆病者!勇者を返せー!うわーん!!」
商南「まぁ落ち着きや盗子。こんなんおっても状況は変わらへんかったはずやし。」
弓絵「勇者先輩は死にませーん!レンジでボンッしてもヘッチャラなんですぅー!」
商南「いや、死んでるがな!擬音からしてめっちゃ破裂しとるやないか!」
余一「破裂か…あの血管が破裂した時は僕も…」
暗殺美「いいからアンタは病院帰れさ。」
太郎「ま、とにかく頑張ってよ。僕には応援くらいしかできないけど。」
盗子「ハァ!?何言ってんのさ!アンタ今の状況わかってんの!?」
太郎「じゃあしないよ、応援…。」
商南「そーゆー意味ちゃうねん!今回こそは命掛けろやっちゅー意味やボケェ!」
太郎「…バックしてまーす。」
商南「すなや!しかも「してます」てオイ!」
ちょっと前からの話だ。

 

3-112:案内〔13歳:LEVEL29〕
その後、なんとか太郎をなだめ、船は再び進みだした。
案奈「あ、皆様ァ〜。」
盗子「うわっ、ビックリした!え、なんでアンタまで乗ってんの!?いつの間に!?」
暗殺美「ま、また来たのかさ「黄泉への使者」…。今回も嫌な予感がしまくりさ…。」
案奈「本日はァ〜、「天国に一番近い島ツアー」に〜、ご参加いただきまして〜…」
盗子「そんなツアーだったの!?そうだろうけど今回のは「悪い意味」でだよ!?」
暗殺美「というか「ツアー」ってノリじゃないさ。」
案奈「皆様ァ、アチラに見えますのがァ〜、暗黒神の天空城〜「ラピ(バキューン)」」
盗子「ちょっと待てよ!え、ヤメない!?そーゆーのホントちょっとヤメない!?」
案奈「かつて〜、かの「魔神」をも追い詰めた〜、伝説の巨城〜でございまァす。」
商南「へぇ〜、結構年代モンやってんな〜。そんなんがまだ存在しとったとはなぁ。」

〜その頃〜
黒猫「嗟嘆様、なにやらまたあの船がコチラに向かって参りますが…。」
暗黒神「まただぁ?なんだよしつこい奴もいたもんだなぁオイ。 で、何人だよ?」
黒猫「生体反応は…7つ。いかがいたしましょう?撃ち落としますか?」
暗黒神「…いや、招待してやれ。どデカいショーの前に、前座はつきもんだしな。」
黒猫「ですが、侮りは禁物かと…。」
暗黒神「別に侮っちゃいねぇよ、それだけ自信があるってことさ。 なぁ同志よ?」

剣次「・・・・・・・・。」
何がどうなったのか。

 

3-113:目前〔13歳:LEVEL29〕
そして気づけば、天空城はすぐ目の前まで迫っていた。
盗子「うっわ、もう目の前じゃん!もう着いちゃったじゃん!うっわー!」
弓絵「盗子先輩うるさいですぅー!口はいいから瞳孔を開いてくださーい!」
盗子「アンタこそうっさいよ!喧嘩売ってる暇あったら勇者の無事とか祈ってろよ!」
暗殺美「でもこれだけ近づいて何のリアクションも無いってのはなんか不気味さ。」
商南「まぁバレてへんっちゅーこた無いやろな。ナメられてんねやきっと。」
余一「そう、バレた日のことを考えたらやっぱり患者には告知を…」
暗殺美「アンタはもう手遅れさ。ホントもう失せろさ。」
案奈「それではァ〜、そろそろ到着ですのでェ〜、お荷も…あ、遺品等を〜…」
盗子「遺品言うなよ!どんだけ死なせたいの!?お荷物のままでいいじゃん!」
暗殺美「黙って準備するさお荷物。」
盗子「アタシのことじゃないから!アタシはお荷物じゃないもん!もう違うもんっ!」
弓絵「強がりは醜いですよお荷物先輩〜。」
盗子「だから違うって言ってんのにぃー!」
商南「やかましいねんお荷物。」
盗子「ほぼ初対面なのにぃー!」
盗子に挽回の機会はあるのか。

 

3-114:布告〔13歳:LEVEL29〕
例の引力に吸い寄せられ、船は天空の城に到着したのだった。
盗子「こ、ここが天空城…。なんか広そうだけど、どこへ向かえばいいんだろう?」
太郎「いや、僕を見られても困るけどね?」
盗子「こっからわかんないの!?どんだけ早く逃げたんだよアンタ!」
商南「まぁとりあえず入るしかないやろ。行く先は棒でも放って決めよか。」
暗殺美「ッ!! 待つさみんな、上を見るさ!奴の〔生中継〕が…!」
暗黒神の立体映像が現れた。
暗黒神「フッ、よく来たなぁ下界の雑魚ども。ま、せいぜい無駄にあがくがいいぜ。」
太郎「さ、嗟嘆…!!」
暗黒神「おぉなんだ、あん時逃げた野郎もいるじゃないか。他の二匹はどうした?」
太郎「暗黒神…お前だけは許さない…!お前は絶対、今度こそ滅ぼしてやる!」

太郎「…彼女らが。」
一同「おまっ…!!」
太郎は無駄に煽った。

 

3-115:潜入〔13歳:LEVEL29〕
太郎が暗黒神に宣戦布告し、戦いの幕は切って落とされた。
盗子「な、なんで無駄に煽るんだよ!いきなり本気で来られたらどーすんのさ!?」
太郎「あ〜、今まであーゆーセリフに縁が無かったからさ、一度言ってみたくて。」
盗子「ブッ殺すよアンタ!?」
暗黒神「ほぉ、いい度胸じゃねぇか小娘。」
盗子「アンタに言ったんじゃないよ!?いや、確かにその目的で来てはいるけど!」
暗黒神「俺は城の最上階…「天王の間」で待つ。何人来られるか…楽しみだな。」
映像は消滅した。
商南「やっぱしバレとったな。この先も筒抜けや思てええやろ。難儀なこっちゃで。」
暗殺美「まぁとりあえず目的地がわかっただけ前進さ。今さらビビるのは無しさ。」
弓絵「きっと勇者先輩はどっかに隠れてるんですぅ!弓絵、絶対見つけますねー!」
余一「注意深く探そう。見えない所にこそ隠れてる…そう、ガン細胞のように…。」
暗殺美「お前は芋子の「ガン」バージョンかさ。たまには他のこと喋れや。」
盗子「よ、よーし!そんじゃみんな、行っくよー!?」

盗子「…ってついて来いよっ!!」
盗子は無茶を言った。

 

3-116:健康〔13歳:LEVEL29〕
行くべき場所もわかったので、一同は城の中に乗り込んだ。
盗子「な、なんか薄暗いね…。やっぱ怖いな〜行きたくないな〜。」
弓絵「勇者センパーイ!どこですかー?弓絵の胸に飛び込んできてくださーい!」
盗子「ちょっ、そんな大声で叫ぶなよ!敵が集まってきたらどーすんのさ!」
男「フッフッフ…。」
盗子「ホラ出てきたじゃーん!どー見ても敵さんじゃーん!もぉー!」
男「俺は「針灸師(はりきゅうし)」の「ハリー」。「嗟嘆十闘士」、12番目の戦士…!」
盗子「ってちょっと待てよ!えっ、全部で何人いるうちの12番!?」
暗殺美「それに職業もなんだか妙に健康に良さそうさ。きっと老人にモテモテさ。」
ハリー「俺は繰り上げで入ったのさ。十闘士は先の侵入者に20人ほど倒され…」
盗子「だから何人いたんだよ!?その名前の「十」の意味は何!?」
商南「先の侵入者…勇者達やな。どーやら一応は善戦したっぽいやんか。」
ハリー「覚悟しろよ貴様ら、この俺が自慢の針灸で…すこぶる健康にしてやる!」
なんだか怖くない。

 

3-117:定番〔13歳:LEVEL29〕
強いのかどうなのかよくわからない職業の敵が現れた。
負けたらちょっと恥ずかしい感じだ。
ハリー「さーて、じゃあさっさと片付けるかね。嗟嘆様へのいいアピールになる。」
盗子「ここはアタシがいくよ!お荷物じゃないってのを証明したげるんだから!」
ハリー「フッ、攻撃は既に始まっている。いや、「もう終わった」と言ってもいいかな。」
盗子「えっ…?」
ハリーの攻撃。
見えない針が盗子を襲う。
余一「あ、危な…ぐはぁっ!!
盗子「よ、余一!?アタシをかばって…!」
余一「いや、今のは持病の「すい臓ガン」が…」
盗子「紛らわしいよ!そんな体調で避けきったアンタには敬意を払いたいけども!」
余一「健康職、針灸師か…どうやら彼の相手は僕が相応しいようだ。皆は行って。」
商南「えっ、せやけど…!」
ハリー「へぇ、この俺を一人で相手にすると?面白いじゃないかこの半死人がぁ!」
余一「フッ…見せてあげるよ、健康と不健康…どちらが勝っているのかを。」
そりゃ健康だろ。

 

3-118:迂闊〔13歳:LEVEL29〕
任せていいかは微妙だが余一にハリーを任せ、一同は先へと急いだ。
盗子「余一…大丈夫かなぁ?下っ端っていっても一応は神の使いなわけだし…。」
暗殺美「フン、よく考えろさ。今さら気遣うまでもなくアイツは元から手遅れさ。」
商南「まぁ確かにアレほど捨て駒に向いとる奴もそうそう…ん?なんやアレ…?」
キラン(光)
盗子「へ…?」
商南「ッ!! 危ない盗…あーもー間に合わへんっ!!」
商南は「転換符」を使った。
商南と盗子の位置が入れ替わった。

痛恨の一撃!
謎の攻撃が商南の胸に直撃した。
商南「くわっ…!
盗子「あ、商南…!アンタまでアタシをかばって…!?」
商南「くっ、迂闊やったわ…。なんでウチが…アンタみたいなボケクソカスを…。」
盗子「た、助けられた身分で言いづらいけどちょっと言い過ぎじゃない!?」
声「チッ、身代わりの術か…。まぁ一人片付けたのは変わらないし、良しとしようか。」
暗殺美「誰さ!?よくも商南を…!なんでもっとちゃんと狙わないのさ!?」
盗子「それはアタシなら良かったって意味!?ねぇそーなの!?」
少女「私は「吸撃士(すいげきし)」の「吸子(すいこ)」。毒吹き矢のお味はいかが?」
商南は猛烈に後悔した。

 

3-119:転職〔13歳:LEVEL29〕
うっかり間違えて盗子をかばってしまった商南。
毒の吹き矢を食らい、結構ヤバい状況になっていた。
吸子「その毒は強力だよ?もって五分、解毒剤は無し。可哀相だけど諦めてね。」
商南「な、なんちゅーこっちゃ…。こないボケクソカスアホバカブサイクのために…。」
盗子「わーん!素直に悪いと思えないよー!」
弓絵「そんなことより攻撃ですぅー!食らっちゃってくださーい! エイッ!」
弓絵は矢を放った。
ミス!吸子は攻撃をかわした。

それた矢は商南に命中した。
商南「うっぎゃー!!」
吸子「おっと!奇襲とは悪くない手だけど、大声出してからじゃ意味ないよねぇ?」
盗子「なにやってんだよバカ弓絵!当たらないどころか商南にトドメ刺す気かよ!」
弓絵「おバカは盗子先輩ですぅ。濁った目をひん剥いてよく見たらどーですか〜?」
吸子「なっ!?射られた箇所に回復魔法の光が…!お前、療法士か!?」
弓絵「弓絵は相原先生に教わって、「弓救士」に生まれ変わったんですぅー!」
〔弓救士(きゅうきゅうし)〕
「弓撃士」が回復能力を覚えるとクラスアップできる中級職。
矢に回復魔法を込めて射ることが可能だが…
商南「い、痛たたたたっ!今度は矢傷が痛い!!」
射られた箇所は普通に痛い。

 

3-120:一転〔13歳:LEVEL29〕
知らぬ間に転職していた弓絵。
回復役は貴重だが、性格的に期待できるのか無理なのか。
弓絵「というわけで回復はお任せをですぅ!盗子先輩は死んでも治しませんけど!」
盗子「なんでだよ!ここまできたらもう運命共同体じゃん!治してよ!」
弓絵「弓絵は管轄外なんで、整形外科に行ってくださーい。」
盗子「誰もブサイクを治してなんて言っ…誰がブサイクだよ!!」
吸子「まさか解毒されちゃうとはねぇ…まぁいいや、毒矢連射で全員仕留めてやる。」
暗殺美「乱射…まとまってたら危険ぽいさ。ここは逃げの一手さ、商南動けるかさ?」
商南「ふぅ〜…まぁだいぶ楽にはなったわ。逃げるんやったら負けへんでぇ?」
吸子「おっと、そう簡単に逃げれるとは思わないでよ?絶対に逃がさない。」
盗子「そうだ弓絵、アンタ残って食い止めてよ!飛び道具同士でちょうどいいし!」
弓絵「イヤですー!弓絵は勇者先輩と電撃的に再会する運命にあるんですぅー!」
吸子「ゆうしゃ…あ〜あの蒼髪の彼?よ〜く覚えてるよ、結構タイプだったしねぇ。」
弓絵「ここは弓絵が任されましたー!」
暗殺美「オッケー頑張れさ!先に行ってるさ!!」
弓絵「ご冥福をー!」
盗子「逝かないよ!?」
だが可能性は高い。

 

第八章