外伝(陸) |
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外伝:魔王が行くU〔1〕 | |
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俺の名はユーザック・シャガ。本名は…母親を思い出させるので好きじゃない。 嫌な思い出といえばもう一つある。あの忌々しい賢者…奴は絶対生かしておけん。 あれから修行を重ね、幾多の星を滅ぼし、俺もかなり力を上げた。今なら勝てる。 会ったのはもう何年か前になるが、まぁ奴ほどの実力者ならきっと死んではいまい。 というわけで、はるばる「地球」までやってきた。青く美しい星…うむ、気に入った。 決めたぞ、俺のモノにしよう。美しい海…美しい山…そして美しい女…あと、女! |
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外伝:魔王が行くU〔2〕 | |
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メジ大陸…それが今いる地の名前らしい。まずはここから攻め落とすことにしよう。 とりあえず城を一つ落とし、本拠地とすることに決めた。徐々に手を広げるつもりだ。 賢者の方は、まぁその過程で結局倒すことになるだろう。大は小を兼ねるものだ。 魔王「にしても、意外に広い星だな。こりゃ征服するには少々骨が…誰だ貴様!?」 声「…私の気配に気づくとは、やるね。私は「マオ」、強い人を探してお散歩中だよ。」 魔王「マオ…?かの「魔神」と同じか。伝承には霊獣化したとあったが…まさかな。」 マオ「ふふふ。その…まさかなの?」 魔王「いや、聞かれてもな。」 マオ「詳しい話はわかんないけど、どうやら私はスゴい人っぽいよ。」 魔王「なんで他人事っぽいんだ。ただでさえ信憑性の無い話だってのにそれじゃ…」 マオ「まぁ信じる信じないは私は自由だよ。」 魔王「って意味わかんねぇよオイ!確かに自由すぎるぞお前!」 マオ「私も困ってるよ。」 |
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外伝:魔王が行くU〔3〕 | |
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いきなり現れた「霊獣:マオ」。キャラ的には嘘くさいが、この魔力…本物かもしれん。 聞けば自分に合った器を探しているとのこと。なんとも胡散臭いが、興味深くもある。 魔王「ほぉ、この俺の体に同居したい…か。目的は何だ?体を乗っ取る気か?」 マオ「それはできない約束だよ。しかも家賃がわりに力とか貸しちゃうの。偉い?」 魔王「フン、随分と俺だけに都合良すぎる話だな。貴様にもメリットはあるんだろ?」 マオ「あんまりお空にいると消えちゃうんだよ。ホントの体に帰るまでが遠足だよ。」 魔王「なるほど、理由はわかったが…俺は十分強い、貴様の力なんぞ必要無い。」 マオ「そこをなんとか頼むよ。まずは三ヶ月でいいよ。」 魔王「新聞みたく言うなよ。そんな気軽に出入りできるモンでもあるまい?だから…」 声「大した魔力だ小僧。我らが留守中に城が落とされたのも、これならうなずける。」 魔王「…バカなネズミめ。黙って去れば死なずに済んだものを。」 赤錬邪「フッ…そう簡単にいくがばっ!?」 |
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外伝:魔王が行くU〔4〕 | |
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偉そうに現れたのは、バカ錬邪とかいう赤マントの野郎だった。見るからに雑魚だ。 と思ったのだが、何度斬っても全く効かん。強い…というか、普通の人間じゃない。 魔王「ハァ、ハァ…チッ、なんてタフな野郎だ!この俺の剣撃が効かんだと…!?」 赤錬邪「フッフッフ。考えても無駄さ、我が防御力の秘密を知るのは俺一人だけだ。」 マオ「「魔欠戦士」とは珍しいね。」 赤錬邪「たった今二人に増えたがな!」 マオ「魔法ならイチコロだよね。」 赤錬邪「ま、待て!これは男と男の真剣勝負、霊獣風情は黙ってい…てください!」 魔王「そうか、弱点は魔法か…フッ、フハハハハハハ!」 赤錬邪「チッ、万事休すか…!」 覚えときゃ良かった…! |
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外伝:魔王が行くU〔5〕 | |
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敵の弱点はわかったが、俺は魔法は使えない。しかし、それを悟られちゃマズい。 マオ「困ったね、魔法使えないのに。」 魔王「って早速バラすなよオイ!それになぜ知ってんだよ貴様が!」 マオ「ヘルプに書いてあったよ。」 魔王「どんな製品だよ俺は!そんなモンねーよ!」 赤錬邪「ホッ…そうか貴様、魔法が使えんのか!まったく脅かしおって…!」 マオ「でも私と契約すれば、もれなく魔法がついてくるよ。」 魔王「なにぃ!?…よーしわかった、仕方なく契約してやる。とっとと入るがいい!」 赤錬邪「ま、魔神の魂と契約だと!?貴様、「魔王」にでもなるつもりか!?」 魔王「わざわざならんでも最初っから魔王だボケがぁーー!!」 華緒「き、聞いた鴉!?今の魔王宣言…!ちゃんと録音したろうね!?」 鴉「ああ、バッチリだ。これでやっと本名でお呼びできる…!」 魔王「ってお前ら!居たんならなぜ助け…」 マオ「じゃあ、いっくよ〜!」 ピカァアアアアア!(光) |
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外伝:魔王が行くU〔6〕
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俺は魔王。種族の関係で既に大人に見られる容姿だが、まだピッチピチの11歳児。 地球の支配は早くに飽きたので、バカ錬邪らに任せた。今は放浪の旅に出ている。 途中、偶然例の賢者に再会した。マオから聞いてた勇者とかいう奴にも出会った。 結局部下に邪魔されて始末はできなかったが、まぁ運命ならばまた会うだろう。 魔王「ふぅ…この星ももう2年か…。思ってたよりも退屈だな、結構飽きてきたぞ。」 マオ「フン、魔王のクセに暴れもせずにいるからだ。殺戮こそが快楽…違うか?」 魔王「黙れ。誰かれ構わずブッた斬る生活はもう飽きた、静かに過ごしたいんだよ。」 子供「ねぇママ〜。あのお兄ちゃん一人でお喋りしてるよ〜?」 母「シッ、見ちゃダメよ。」 ザシュッ!(斬) 魔王「さて、そろそろメシにするか。金は…参ったな、もう一食分も無ぇじゃねーか。」 マオ「だからよ、魔王が金でメシ買うとかおかしいだろ。奪えばいいんだっつーの。」 魔王「バカが。世には法ってもんがある、それを守れんような奴はただのクズだぞ。」 マオ「ハァ、やれやれ困った魔王さんだぜ…。で?じゃあどうするんだよ?」 魔王「ああ、次に会った奴から奪うぞ。」 |
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外伝:魔王が行くU〔7〕 | |
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凄まじく腹が減ったが誰にも会わんので、仕方なく俺は森で狩りをすることにした。 マオ「随分と深い森だな…。戻ろうぜ魔王、お化けとか出てきたら怖いじゃないか。」 魔王「霊獣が言うなよ。お前の存在も十分化け物だぞ、いやむしろお前の方が。」 マオ「フン、今の俺なんて全然さ…。早く本体を見つけて踊り狂いたいもんだぜ。」 魔王「いや、暴れ狂えよ。どんだけ陽気な魔神なんだ。」 マオ「海に封じられる寸前、なんとか魂を切り離したから今があるわけなんだが…。」 魔王「む?だったらお前、見てたんじゃないのか?本体がどこら辺にあるかとか。」 マオ「華麗に忘れた。」 魔王「ダメダメじゃないか。お前の人生で最も忘れちゃダメなことだろそれ。」 マオ「だからこそ、全人類の支配が必要なのさ。必ず誰か、知る者がいるはずだ。」 魔王「いるかぁ?何年経ってると思ってるんだ、生きてたらそれこそ化け物だぞ。」 マオ「いや、噂をすればホレ…懐かしいお客さんの登場だ。」 魔王「あん?…って、その顔は…そんな…!!」 暗黒神「よぉ、大きくなったなぁ…我が子よ。」 |
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外伝:魔王が行くU〔8〕 | |
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幼い頃の誕生会で食材になったはずの父親(と名乗る人物)が、突如現れた。 しかもマオいわく、父は伝説の「暗黒神」なのだという。なにかと衝撃的な状況だ。 魔王「ほ、ホントに貴様が俺の…俺の父親なのか?確かに写真と同じ顔だが…。」 暗黒神「ああ、いかにもそうだぜ?よく来たな魔王、まぁ来るのはわかってたが。」 魔王「なにぃ? …そうか華緒、貴様だな?さりげなく俺を誘導したってわけか。」 華緒「すみません魔王様。しかしながら我々は、嗟嘆様の四天王でもあり…。」 魔王「フン、まぁいいさ。生きているなら一度は会いたいと思ってた男だしな。」 暗黒神「大きくなったな。こんなに成長したお前の姿が見れて、俺は嬉しいぞ。」 魔王「えっ…。」 暗黒神「会いたかったぜ魔王。お前のことは、片時も忘れたことは無かったよ。」 魔王「お、俺も…俺も会いたかったよ、父さん!」 暗黒神「なぁ〜にが「父さん」だクソがぁーー!!」 ズゴォオオオオン!(拳) え、えぇええええっ!? |
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外伝:魔王が行くU〔9〕 | |
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感動の抱擁が似合う場面でまさかのグーパンチ。やはりあの母の旦那だよコイツ。 暗黒神「いや〜悪ぃ悪ぃ。ちょいとムカつく野郎のことを思い出しちまってなぁ。」 魔王「柄にも無く11歳児っぽく振舞ってみた自分が恥ずかしいわ!クソがっ!」 暗黒神「ところでお前、随分とまたタチの悪ぃペットを飼ってるそうじゃねぇか。」 マオ「ペットだぁ?フッ…言うようになったなぁ、俺に一度も勝てなかった雑魚が。」 魔王「とか言ってるが?」 暗黒神「ぐっ、テメェ…!貴様の目的はわかってる、本体を探させる気だろ?」 マオ「少しの間だ、見つけたらすぐに出て行くから安心するがいい。そう怒るな。」 魔王「だとさ。」 暗黒神「貴様の思い通りにゃさせねぇ。そのために無理して出張ってきたんだ。」 マオ「ウンコ。」 魔王「ウ…って言わねーよ!?なに調子乗って変なこと言わそうとしてんだよ!」 暗黒神「悪いな魔王、少しの間お前には…眠ってもらうぞ。」 |
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外伝:魔王が行くU〔10〕 | |
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どうやら魔神とかなりの因縁があるっぽい親父。俺ごとマオを封印するつもりらしい。 魔王「やれやれ…。母がクソな分、父親には若干夢を見ていたんだが…残念だ。」 暗黒神「安心しろ我が子よ。殺しはしない、痛みも無い…ほんの少し、寒いだけさ。」 華緒「しかし嗟嘆様、そのお体ではまだ…!あの魔法の威力に耐え切れません!」 暗黒神「そしたらまた何年か寝てればいい。子と添い寝する父ってのも素敵だろ?」 魔王「フン、じゃあ寝付くまで絵本でも読み聞かせてくれるってのか?親らしくよぉ。」 暗黒神「ああ任せろ。11年分まとめて、父親らしく聞かせてやるよ。暗黒呪文…」 魔王「ってどんな父親だよ!そんな二度と目覚めそうにない歪んだ愛は要らんぞ!」 マオ「そ、その印は…!ヤバいぞ魔王、耳をふさぐんだ!」 魔王「なにっ!?それはどういう…」 暗黒神「目覚めた時、お前は言うだろう…「氷なんてもうコリゴリだ」と(氷だけに)。」 さ、寒っ…!! |
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外伝:魔王が行くU〔11〕
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目が覚めると、俺は毛布でグルグル巻きにされて無数の焚き火に囲まれていた。 封印されてもしばらく意識はあったのだが、いつの間にか眠りに落ちていたようだ。 なんだかんだで氷は溶けたっぽいが、気温で溶けたとも思えん。となると… 鴉「おぉ!お目覚めですか魔王様!良かった…!」 魔王「ここは…どこだ?氷が溶けたってことは、親父は魔神の本体をやったのか?」 鴉「ッ!!! そ、それは…その…。」 魔王「…そうか、死んだからか…雑魚な親父だ。 で?俺はどのくらい寝ていた?」 鴉「あ、ハイ、きっかり2〜3年です。」 魔王「全然きっかりじゃないじゃないか。なんなんだその超アバウトな時間感覚は。」 鴉「それで、いかがいたしましょう?カタキ討ちならばすぐにでも兵を集めますが?」 魔王「フン、誰があんな親父なんかの…ま、その強者には少々興味があるがな。」 鴉「その件ならお任せください。敵の詳細データは入手済みです。」 魔王「ほぉ、やるじゃないか。なら話してみろ。」 鴉「ハイ、何人かの大人と子供が…」 |
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外伝:魔王が行くU〔12〕 | |
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親父が死に、俺は2〜3年の時を経て覚醒した。今はどことも知らん森の中にいる。 なにやら不測の事態を懸念したクソ親父の命で、鴉に避難させられたんだとか。 魔王「さてと…これからどうするか。長く眠りすぎて今さら何すりゃいいかわからん。」 鴉「それでは「神具」探しはいかがです?来たるべき時への備えは必要でしょう。」 魔王「神具…かの神々の体より、「錬金術」によって練成された武具…だったか?」 鴉「肉体の一部と霊魂を練り合わせると聞きます。「霊媒師」の「偽魂」に近いかと。」 魔王「なるほどな。じゃあ死んでない邪神や、最近死んだ親父のは無いわけだな?」 鴉「恐らく。ただ…なぜか魔神の角より練成された武具は存在するとかしないとか。」 魔王「ん〜…まぁ霊体が別行動してるような奴だしな、きっと特例なんだろうさ。」 マオ「いや?それは無いな。我が霊体はお前と勇者に半分ずつ…他は知らんぞ。」 魔王「ほぉ…どうやらわけありのようだな。面白い、ではその武具を探すとするか。」 鴉「頑張ってください。」 魔王「っていきなり放置か。普通はこう、家臣であるお前が先陣を切ってだなぁ…。」 鴉「大丈夫、その武器を持つ者なら既に存じておりますので。」 魔王「そうなのか、やるじゃないか。どんな奴なんだ?」 鴉「少年です。」 |
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外伝:魔王が行くU〔13〕 | |
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鴉が言うには、「魔神の剣」なるなんとも俺に相応しい武器が存在するようだ。 が、誰が持っているかは知ってるようで知らないらしい。仕方ない、武器は保留だ。 魔王「つーわけで武器はまぁいいや。とりあえず肩慣らしに一暴れしたいんだが?」 鴉「ではあの山頂を目指しましょう。噂では強き魔人が出没するとかしないとか。」 魔王「魔人か…どの程度かは知らんが面白そうだな。詳しく聞かせるがいい。」 鴉「目撃者は8〜45人、退治に向かった者は2〜17人くらいだったと聞きました。」 魔王「どんだけ曖昧なんだ!それ絶対噂じゃなくて記憶力のせいだろ!」 鴉「中には腕自慢もいたそうですが、生きて戻った者はただ一人だったとか。」 魔王「ほぉ、一人か…。続きは?」 鴉「その者は最期の力を振り絞って逃げ帰り、こう言い残したのだそうです…。」 鴉「「夏にやれ」と。」 |
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外伝:魔王が行くU〔14〕 | |
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長い眠りから覚めて久しい俺は、肩慣らしに強き魔人と一戦交えることにした。 魔王「で?その敵はどこら辺にいるんだ?寝起きにこの登山は少々キツいぞ。」 鴉「なっ!?た、大変失礼しました!さぁ魔王様、早く我が背に!おんぶを…!」 魔王「い、いい加減その過保護はヤメてくれ。俺は結構一人でできる子だぞ。」 鴉「では魔力を放出してみては?敵が戦闘狂ならば、向こうから出てくるやも。」 魔王「そういうまともな案があるなら先に言ってくれ。 よーし…ぬぉおおおお!」 |
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魔王「ハァ、ハァ…どうだ!?」 スイカ「良きスイカだーー!!」 魔王「いきなりキターー!! って、貴様は確か、幼き頃の四天王面接に…!」 スイカ「やはり悪に育ってしまったか。暗黒なる古きスイカの子、赤髪のスイカよ。」 魔王「相変わらず妙なことを…。だが、俺を知ったふうな口ぶりの方が気になるな。」 スイカ「全ては「あの予言」通り…ならば仕方ない、貴様のスイカ…我がスイカで!」 魔王「予言…興味深いな。話してもらおうか、貴様が知っていること全てをな!」 スイカ「フッ、いいだろう。ワシを倒せたら聞かせてやろう、我が全てのスイカを!」 |
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外伝:魔王が行くU〔15〕 | |
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やけにアッサリと現れた魔人は、かつて幼き日に会った変態スイカ野郎だった。 聞けばコイツ、俺について何か知っているらしい。となれば聞かんわけにいくまい。 魔王「さぁ吐け。言わんというなら無理矢理にでも口を割らせるぞコラ?」 スイカ「ほぉ、ワシを割るか…面白い!割るか割られるか、それこそがスイカ魂よ!」 魔王「「スイカを」って意味じゃねーし!割られるのはお前以外には無理だしな!」 スイカ「邪なるスイカも蘇った今、ヌシにまで暴れられてはかなわん。散るがいい!」 魔王「邪なるスイカ…まさか「邪神」か!?邪神までもが復活してるってのか!?」 鴉「あ、ハイ。」 魔王「って知ってたのかよ言えよっ!!だったら山登りどころじゃないだろが!」 スイカ「行きたくば、我が屍を越えていけ。だがもし割ったら…残さず食えよ!?」 魔王「食わねーよ!!」 スイカ「さぁ唸れ刀神流必殺奥義、「千刀滅殺剣」!!」 魔王「この一戦が、新たな恐怖の幕開けとなろう。この俺の、「暗黒世界」のな!」 ズバシュッ!!(斬) |
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