外伝(参)

 

外伝:賢二が行くV〔1〕
変な魔獣に食べられて、もうダメだと思った僕ですが、起きたらまだ生きてました。
でも周りの景色に見覚えがありません。ここは一体どこですか?みんなは一体…?
賢二「う、うぅ…。この部屋は…誰の?なんで僕はベッドに寝て…?」
どうやらここは誰かの部屋のようです。 近くの窓からは、外の様子が見えました。
賢二「あ、もう夜なんだね。なんだか今日は、星がキレイだなぁ〜。 特に…」

特に、「地球」が。
三度目の宇宙だった。

 

外伝:賢二が行くV〔2〕
その後しばらく途方に暮れていると、部屋に女の子が入ってきました。
この家の人に違いないです。ちゃんとお礼を言わなきゃいけません。
少女「わっ、起きてる!起きてます!良かった!良かったですねホント良かった!」
賢二「アナタが助けてくれた方ですね。ホントありがとうございました。 えっと…?」
少女「ん、名前ですか?ボクは「召喚士」の「召々(しょうしょう)」!好きに呼んで☆」
賢二「あ、ハイわかりました召々さん。 僕は賢二って言います。決して賢…」
召々「お母さーん!「賢者様」が来ちゃったー!!」

あぁ…また…。
召々はせっかちだった。

 

外伝:賢二が行くV〔3〕
今度こそはと思っていたのに、早速勘違いしてくれちゃったせっかちな召々さん。
弁解しようと努めたのですが、「村を案内するよ☆」と連れ出されてしまいました。
このまま村に着いたらまた、えらいことになります。なんとか早く誤解を解かなきゃ。
召々「よぉーし!じゃあ行くよ賢者様!飛ばすから舌噛まないようにね〜♪」
ブルゥン…ブルルルルゥン!!(エンジン音)
賢二「えと、さっきも言ったんですけど僕が賢者だとか村では…。」
召々「あ、うん!わかってるよ☆言わなくてもボクわかってるから大丈夫!」
賢二「えっ…あ、ホントですか?いや〜、良かったです。てっきりまた勘違いを…」
召々「すっごく「照れ屋さん」なんだよね賢者様☆ わかるわかる!」
賢二「気持ちいいぐらいわかってないんだけど!?」
召々「でもビックリしたよ〜。「獣の森」のド真ん中でフツーに寝てるんだもーん。」
賢二「いや、だから話を聞いて!僕は賢者じゃ…って、前見て前ぇーー!!」
召々「アハ☆平気だよ〜。ボク人の話はたま〜に聞こえないみたいだけど目は…」

ズゴンッ!(撥)
バアさんが鮮やかに宙を舞った。

 

外伝:賢二が行くV〔4〕
話の見えない召々さんは前も見えてなくて、勢いよくお婆さんを跳ね飛ばしました。
賢二「わー!すすすみません!だ、大丈夫ですかオバ…」
老婆「(ギロッ)」
賢二「…お、お嬢さん。」
老婆「う、うぐっ…こ、こんな激しいアタック…何年振りぢゃろか…☆」
賢二「こんな瀕死状態でなにトキめいてるんですか!?しかもアタック違いですし!」
召々「アハハ☆面白いおバアちゃんだね〜♪もっかいヤッてもいいかな〜?」
賢二「どう考えてもダメだから!謝るどころか追撃の一手ですか!?」
召々「ぶー。賢者様ってばお堅いんだからー。」
老婆「む…?お前さん、賢者なのかぇ?いやぁ、その若さでなんとまぁ…生意気な。」
賢二「いや、生意気なとか言われても!僕は賢者だなんて…! …あ゛。」
村人A「な、なにぃ!?賢者だぁ!?オメェが賢者様かぁ!?」
村人B「オーイみんなー!賢者様が来てくれたどー!」

今のは…僕が悪いんですか?
村人達の耳が悪い。

 

外伝:賢二が行くV〔5〕
いつの間にか村に着いていて、気づけばまた「賢者」で広まっちゃっていました。
村長「いや〜、わざわざ遠くの星からお呼びした甲斐がありましたわ。」
賢二「呼ばれて飛び出てゴメンなさい。いやいや、呼ばれてないんですが…。」
召々「ん?な〜にわけわかんないこと言ってんの賢者様?ホラ、食べようよー☆」
村長「いや、お前は食うなよ。お前のために用意したご馳走じゃないから召々。」
召々「アハ☆ 面白いお爺ちゃんだね〜♪そんな言葉誰に仕込まれたの?」
村長「なんだそのインコ的な扱いは!?お前が生まれる前から「村長」だから!」
老婆「んぐ、むぐっ…で?わざわざ賢者を呼んで、何ぉさす気なんよお前さんら?」
召々「なんかすんごい食べっぷりだねこのお婆ちゃん。部外者とは思えないね♪」
賢二「うん…とても「被害者」とは思えないよね。」
村長「実は賢者様には、最近現れた「蛮族」どもを倒してほしいのですよ。」
老婆「あ〜あ〜、そんなの任せりゃええ。こう見えてこの子はヤル子ぢゃよ。うん。」
賢二「えっ、なんでアナタが引き受けてるんですか!?さっきの復讐ですか!?」
村長「おぉ!本当ですか!そりゃ助か…ところでアナタはどなたですかな?」
賢二「あ、いや、この人はさっきちょっと…」

老婆「「彼女」ですぢゃ。」
賢二「Σ( ̄□ ̄;)!?」
とんでもない復讐だった。

 

外伝:賢二が行くV〔6〕
なぜかお婆さんが勝手に引き受けてしまったので、僕は「蛮族」を倒しにいくハメに。
でも一人じゃ…と言ったら、召々さんとお婆さんがついてくることになりました。
今度こそ神様は、僕に「死ね」と言っているような気がしてなりません。
賢二「えっと…みなさん改めましてヨロシクです。一秒でも長く…生きましょうね…。」
亀「おぅ!ヨロシクな坊主!俺もついていくぜぃ!」
賢二「あ、こちらこそヨロ…って、えぇっ!?なんで亀さんが喋ってるんですか!?」
老婆「ワシの「契約獣」でな、魔獣「トルタ」の「亀吉(かめきち)」と言うんぢゃ。」
賢二「け、契約獣…ですか?噂で聞いたことがあるようなないような…。」
召々「えー、そんなことも知らないのー?じゃあ「召喚士」のボクが教えたげるね☆」
〔契約獣〕
普通の召喚獣とは違い、契約に従い半永久的に居続けるタイプの召喚獣。
「武器化」、「防具化」、「魔法化」などの特殊能力を持つものが多い。
契約に職業は問われないが、一生に一体としか契約できない。
ただし、契約獣の側も相手を選ぶので、誰しも得られるとは限らない。
賢二「ほぇ〜。召喚士じゃなくても魔獣が呼べるなんて知らなかったな〜。」
召々「一体だけね。召喚士はさ、一時的にだけどMP消費で何種も呼べるんだよ☆」
賢二「いいなぁ〜。僕と契約してくれる召喚獣もどこかにいるのかなぁ?」
老婆「あ〜、やめときな。契約代償はMPぢゃないし、子供にゃチョイと危険だよ。」
賢二「へ?そうなんですか? じゃあ代償は…?」

老婆「「生気」を食らう。」
バアさんの方が危険だ。

 

外伝:賢二が行くV〔7〕
雑談しながら半刻も進むと、「蛮族」がいるという「トリーナ村」に辿り着きました。
賢二「えと、とりあえず作戦を立てましょう。慎重に、できるだけ平和的な策を…」
召々「オーイ!出ておいでよ蛮族たちー!賢者様がブッ倒しに来ちゃったよ〜♪」
賢二「は、話を聞いてぇー!!」
亀「見ろよ賢坊、あそこの旗…。ありゃ流れ蛮族「野蛮家族」のモンだぜぃ。」
賢二「野蛮家族…?なんか意外とアットホームな感じの名前ですねぇ。」
亀「一度目ぇ付けた敵は、家族もろとも惨殺するらしいぜぃ。」
賢二「世の中そんなに甘くは無いって、わかってたはずなのに…。」
召々「んじゃさ、あの旗のある建物にみんな居るのかなぁ?扉ブチ破ってもいい?」
賢二「だからなんでそう突っ走るんですか!?ブレーキは故障中ですか!?」
老婆「まぁ気にするでないよ賢坊。どうせ倒さにゃならん敵ぢゃないかい。」
賢二「いや、それはそうなんですが…。」
亀「ならホラ、お前も言ってやれよ。「お前らは俺が倒すぜぃ!」とかよぉ。」
賢二「(まぁこの距離なら聞こえないか…)よ、よーし!言っちゃいますよ!おま…」

蛮族〔背後〕「あ゛ぁ!?」

賢二「…おまかせします。」
賢二は身をゆだねた。

 

外伝:賢二が行くV〔8〕
油断していて、背後の蛮族さんに気づかずに喧嘩を売ってしまいました。
早速囲まれてしまい、もう謝ってもダメっぽい感じです。 やるしか…ないのかな…。
蛮族A「オゥ小僧!テメェか俺様達を倒そうって太ぇクソガキは!?」
賢二「ちちち違いますよ!僕は倒そうとかじゃなくて平和的に…!」
蛮族A「上等だよ!ブッ殺してやるぁ!!」
賢二「聞く気が無いなら…最初から聞かないでほしいなぁ…。」
召々「アハ☆ ホントだよね〜♪ 耳の穴かっぽじってもいいかなぁ?」
賢二「ハイ…とりあえずご自分の耳からお願いしたいです…。」
蛮族達「宴だー!血の宴を始めるぞぁー!!」
老婆「ひぃ、ふぅ、みぃ…ほぉ、100近くおるのぉ。随分とまぁ大所帯なもんぢゃ。」
亀「で、どうするよ賢坊?これだけの数を相手にしてたら日が暮れるぜぃ?」
賢二「で、ですよね。とりあえず敵を減らさないと! 降り注ぐ雹の魔法、「降雹」!」
賢二は〔降雹〕を唱えた。
蛮族A「アイタッ!な、なんだコレは!? アイタタタタ!!
蛮族達「イデデデデデデ!!

賢二達「イタタタタタタタ!!
だが諸刃の剣だった。

 

外伝:賢二が行くV〔9〕
とりあえず敵の数を減らそうと思ったのに、魔法の選択を誤ってしまいました。
でも一応効果はあったようで、何人か倒すことができたのがせめてもの救いです。
召々「あ〜冷たかったぁ〜。風邪ひいたらどうしてくれるの賢者様〜?へっくち!」
賢二「残りは約80…この調子で減らしていければ勝てるかも…!」
蛮族B「くっ、敵は結構やりますぜ?どうしますお頭?」
蛮族長「フンッ、なら俺様の契約獣を呼ぶまでよ!出てこいや「ビッグ・フッチョ」!」
〔ビッグ・フッチョ〕
生態武器型の高レベル召喚獣。
その巨大な足で、あらゆる敵を踏み潰す。
サイズの合う靴がなかなか見つからない。
蛮族長「さぁ行けぃ!踏み潰してやれやフッチョ!」
フッチョ「ふごふごフガァーー!!」
賢二「わー!やっぱり勝てないかもー!!」
召々「大丈夫☆ そういうことならボクも味方を呼んじゃうよ♪」
賢二「ほ、ホントですか!?じゃあ強そうなのをお願いしますね召々さん!」
召々「うん、任せといて☆ さぁおいでー!いで…よ…へ、へっくちゅん!!」
賢二「わー!肝心なところでクシャミがー!!」

ヘックチュン「グルルルルァアアア!!」
賢二「えぇぇっ!?」
ヘックチュンは実在した。

 

外伝:賢二が行くV〔10〕
そして二体の魔獣の戦闘が始まりました。僕の出番は来なきゃいいなぁ…。
賢二「ふぅ〜、でもさっきはビックリしちゃいましたよ。一瞬ただのクシャミかと…。」
召々「アハ☆ ホント、偶然って恐ろしいよね〜♪」
賢二「ぼ、僕には今の発言の方が恐ろしいんだけど…。」
フッチョ「フガァーーー!!」
ヘック「グルゥアーーー!!」
賢二「う〜ん、二体の力は拮抗してるみたいだね。どっちが勝つのか…」
蛮族A「絶対フッチョだろ!そうに決まってるぜ!」
蛮族B「じゃ、じゃあ俺はヘックチュン!今月の小遣い全部だ!」
老婆「ハイまいどねぇ〜。」
賢二「何が行われてるんですか!?」
蛮族長「チッ、互角か…。なら仕方ねぇ、俺様が力を貸してやるよフッチョ!来い!」
ビッグ・フッチョは武器化した。
蛮族長はそれを両足に装備した。
賢二「そ、装備した!?これが…これが「契約獣」の本来の使い方…!?」
蛮族長「オラァ食らえぃ!必殺キック「足デカおじさん」!!」
バキィイイッ!(蹴)
ヘック「グルルルルァアアア!!
蛮族長、会心の一撃!

ネーミングはともかく威力は凄かった。

 

外伝:賢二が行くV〔11〕
蛮族長さんの攻撃をまともに受けたヘックチュンは、召喚魔界に帰っていきました。
やっぱり神様は、僕に対して優しさが足りないと思うんですがどうでしょう?
賢二「腹をくくるか首をくくるか…いっそのこと後者を選んだ方が楽かもなぁ…。」
亀「ブツブツ言ってねぇでパパッと魔法でヤッちまおうぜぃ賢坊よぉ!なっ!」
老婆「まぁやるなら「火炎魔法」ぢゃね。武器化したとて元は獣…炎は苦手ぢゃ。」
賢二「か、火炎魔法ですか…。苦手な分野だなぁ…。」
得意な分野はあるのか。
蛮族A「オラァおめぇら行くぞゴラー!やっちまぇやー!!」
蛮族達「うぉおおおおあああああ!!」
召々「ん〜、雑魚な子達はボクが片付けちゃうよ♪ いでよ、適当に☆」
賢二「適当に!?」
蛮族長「テメェがリーダーの賢者か?なら俺様が直々にブッ殺してやるぁ!!」
賢二「と、とりあえずやるしかない…!えっとえっと、火炎魔法…「炎殺」!!」
賢二は〔炎殺〕を唱えた。

が、やっぱり失敗した。

 

外伝:賢二が行くV〔12〕
苦手な火炎魔法は、当然のように失敗しました。もう暗雲は立ち込めっぱなしです。
ゴゴゴゴゴゴゴ…(暗雲)
賢二「って、わー…ホントに暗雲が立ち込めてきた…。」
召々「アハ☆ お茶目さんなんだね〜賢者様♪余裕だからできるんだよね☆」
蛮族長「なにぃ!?じゃあテメェ、ワザと失敗しやがったってのか!?」
賢二「しょ、召々さん!?火も出てないのに油を注がれても!」
ゴゴゴ…ズザァアアアアア!(大雨)
賢二「わー!しかも雨までー!?」
蛮族A「ギャハハー!天気にも見放されやがったぜ!もう火なんか付かねーよ!」
賢二「くぅ、これじゃもう…ん?いや…諦めるのは、まだ早いかも!」
蛮族長「むっ!?何しやがる気だテメェ!?」
賢二「この条件なら、前置きなしで多分いける! 落ちてー!「雷撃」!!」
賢二は〔雷撃〕を唱えた。
ズゴォオオオオオオオン!!(落雷)
蛮族長「う、うがぁあああああ!!
蛮族達「ギェエエエエエエ!!

賢二達「ウギャアアアアア!!
みんな揃ってアフロになった。

 

外伝:賢二が行くV〔13〕
うまくいくかと思った「雷撃」ですが、やっぱり失敗して拡散してしまいました。
賢二「ハァ…。「賢者」どころか「魔法士」にもなりきれてないなんて…。」
老婆「んにゃ、なかなかいい線いっとったよ?もうチョイで〔雷迅〕ぢゃったわ。」
賢二「ら、雷迅!?いやいやいや、僕なんかがそんな魔法使えるわけが…!」
蛮族長「ったりめぇだ!あんな失敗作が雷迅と呼べるか!効いてねぇよ!!」
老婆「もうええわぃ。お前さんらの底はもう見えたわ。大人しく下がるがええよ。」
蛮族長「な、なんだとババア!?短ぇ人生を更に短くしてぇのかア゛ァン!?」
蛮族A「そうだぜババア!ババアは大人しく死期を待ってりゃいいんだよクソが!」
老婆「ば、ババア…!?こんな乙女を捕まえて、ババアとな…!?」
召々「アハ☆ 面白いこと言うお婆ちゃんだね♪グーで殴ってもいいかなぁ?」
賢二「いや、もっと平和的に説いてあげてください…。」
老婆「ええ度胸ぢゃ…腐れ蛮族の分際で、ええ度胸ぢゃよ…。 この…」
蛮族達「バ・バ・ア! バ・バ・ア!」

老婆「この永遠の美少女、「賢者:無印(むいん)」に喧嘩売ろうとはのぉ!!」

蛮族達「…え゛?」
召々「へ?」
賢二「ええぇっ!?」

ズゴォオオオオオオ!!(炎上)
〔火炎地獄〕が全てを焼き尽くした。

 

外伝:賢二が行くV〔14〕
お婆さんはタダ者ではなく、なんとあの「四勇将」の「大賢者:無印」様でした。
でもそれなら、村長さんが呼んだ賢者、そして妙な余裕…全てに納得がいきます。
召々「うっわー蛮族みんな消えちゃったー!手品?手品なの?もっかいやって!」
賢二「無印様…。じゃあオバ…お嬢さんが凱空オジさん達と共に戦った…?」
無印「なぬ? ほぉ、お前さん凱空を…ワシの「元彼」を知っとるのかぇ?」
賢二「も、元彼!?(被害者は)僕だけじゃなかったんですか!?」
無印「大丈夫ぢゃ安心せい。今は賢坊にゾッコン・ラブぢゃで☆」
賢二「いや、それこそが安心できないポイントなんですが…。」
無印「んで、凱空はお前さんの何なんね?奴は元気にやっとるかぇ?」
賢二「僕の友達のお父さんなんです。まったくもって「勇者」っぽくない人ですよ。」
無印「ふっ、ぢゃろうな…。 ガキの方はどうぢゃ?やっぱり勇者を目指して?」
賢二「え゛。あ…は、ハイ。とっても勇者らし…いや、というか勇者そのものですよ。」
無印「ほほぉ。そりゃいつか会うのが楽しみぢゃわぃ。わっはっはー!」

一応、嘘は言ってないです。
賢二は名前に関してだけ述べた。

 

外伝:賢二が行くV〔15〕
蛮族を滅ぼし、トリーナ村へと帰った僕達は、とっても感謝されました。
引き止められ、しばらくご厄介になったのですが、そろそろ発とうと思います。
どこにいても戦いが待っているのなら、やっぱり友達と一緒に死にたいです。
賢二「というわけで、僕は宇宙船を探しに旅に出ますね。みなさんサヨウナラ。」
召々「えー!行っちゃうの賢者様ー!?イヤだよつまんないよー!遊ぼうよー!」
無印「アタイ…アンタと離れたくない!死ぬまで一緒だってあの時…!」
賢二「まだ恋人モードだったんですか!?それに「あの時」っていつです!?」
召々「アハ☆ いいじゃん賢者様♪「死ぬまで」ならもうじきだよー♪」
賢二「いや、いくらそう思ってもそれは言っちゃいけない台詞では…?」
無印「…うんにゃ。その嬢ちゃんの言うとおりぢゃ。ワシもそう長くは無い。」
賢二「えっ…?」
無印「夢の四桁は無理やもしれん。」
賢二「その夢の先には一体何があるのか教えてほしいです。」
亀「そういやムーちゃん、この前言ってた件はどうなったよ?賢坊は合格なんか?」
賢二「へ…?合格って何の話ですか?」
無印「うむ、ワシぁ決めたぞぇ。この坊を最後の弟子とし、我が全てを教えちゃる!」
賢二「えっ!?だ、大賢者様の全てを!?」

無印「今夜…ベッドで待ってる☆」
賢二「全てを!?」
「賢者」への道が開けた。

「青春」の二字を代償に。

 

第十一章