第六章

 

4-91:光景〔14歳:LEVEL40〕
土男流と二手に分かれ、Death忍ランドへ向かった俺。今は飛べるので早く着けた。
だが辿り着いた先で俺が見たものは、想像だにしていなかった光景だった。
ライ「ニ゛ャーーー!ウニ゛ャアーーー!!」
下端「ひぃいいいい!し、死ぬッスぅううううう!!」
太郎「こ、これは…!」
召々「キャハハ☆ 面白いね、このジェッとこースター♪」
楽しそうな光景だった。

 

4-92:集合〔14歳:LEVEL40〕
それなりに破壊された遊園地の中で、無駄にはしゃいでいた雑魚ども4人。
それなりに真面目な気持ちでやって来ただけに、ムカついてたまらない。ブッ殺す。
勇者「ハーイ貴様ら集合ぉーー!!」
太郎「え?あぁキミか…よしいいだろう、番号!」
下端「イチ!」
ライ「ニャン!」
召々「3回目乗っちゃう?」
3人「それはご勘弁っ!!」
勇者「お前ら一体なんなんだ!なぜこの状況で遊んでいられるんだよオイ!?」
太郎「フッ、愚問だね。遊具があるのに遊ばない「遊び人」がどこにいると?」
勇者「そんな「遊び人」より楽しんでたのは「召喚士」だが大丈夫か?」
下端「ちょっとドタバタがあったおかげですいてるんスよ!今がチャンスなんッス!」
勇者「ピンチだろ!お前らがこうしてる間にもきっと誰かがピンチだろ!」
ライ「今は無職ちんが奮闘中ニャのニャ!3対1とは卑怯にも程があるニャ!」

見殺しにした奴が言うな。
見てもなかったが。

 

4-93:指令〔14歳:LEVEL40〕
どうやら無職は高い確率で亡き者らしい。他の奴らの状況も大体想像がつく。
誰が迎え撃ってるのかは知らんが、どうせ真正面から挑んで苦戦しているのだろう。
勇者「てなわけで指令を出す!他の戦地へ向かい、緊迫感をブチ壊してこい!」
ライ「ニャんですって!?」
召々「えぇ〜無理だよ〜。そんなのハードル高いよ〜。」
勇者「いや、お前らなら多分居るだけでいいから。」
下端「爆音とかしてたから、他の敵の大体の位置はわかるッスよ!」
ライ「それを避けてここまで来たのニャ!ニャんでわざわざそんニャ危険ニャ所に行」
勇者「かないと言うなら、たらふくチョコレート食わせるぞこの猫娘!!」
ライ「下手すりゃ死ぬのニャ!良い子のみんニャはマネしちゃ駄目ニャ!」
太郎「じゃあさ、キミはどうすんの?見た感じ戦闘向きじゃない透け具合だけども。」
勇者「フッ、悪いな…俺には、デートの約束が!」
無いと思います!

 

4-94:全開〔14歳:LEVEL40〕
雑魚どもにそれぞれ任務を与えた俺は、姫ちゃんを捜すべくフラフラしていた。
まぁ偶然にもその途中で誰かが戦っていたら、仕方なく援護してやることにしよう。
半透明なため直接攻撃はできないが、言葉の暴力で心の傷をえぐることはできる。
攻撃を受けることもないので、今回は全開で暴れられそぐぇっ! えっ、なぜ…!?

ワキ大佐「ではそろそろ見せようか…私の、全開のパワーを!!」

やべぇクセェ!むしろ痛ぇ!!
次元を超えた破壊力だった。

 

4-95:合流〔14歳:LEVEL40〕
なんと、今の俺にダメージを与えるほどの刺激臭を放つ謎のオッサンがいた。
足元に解樹らしき奴がうずくまってたが、鼻がもげそうだったので無視して逃げた。
するとその先の広場で戦っていたのは、見知った3人…。そうか奴らも来てたのか。
冥符「ふぅ〜、さすがは神…一筋縄にはいかないなぁ。まぁ、負けないがね!」
商南「おぉ、ええ感じやん冥符!その調子でガンガンやったり!」
竜神「…なかなか面白い戦いだネ。いいヨ、名乗りなヨ。」
冥符「フッ、俺か?俺は「符術士」の冥符。そして隣にいる美少女こそ、我が伴侶で」
商南「もなんでもない、商南や!」
勇者「そしてこの俺が!かつて「学園校の蒼き狼」と恐れられた、俺だっ!!」
商南「いや、名乗れや!!って、勇者ぁ!?なにアンタ普通に合流してんねん!」
冥符「チッ、まさか貴様…ハニーの香りを嗅ぎ付けて!?恐るべし狼の嗅覚!」
勇者「そういう意味の狼じゃない。」
竜神「フフ、そうカお前モ…ますます面白いネ。さすがは遊園地…といったところカ。」
勇者「ハハハ!じきに貴様も死に、楽しませる側に回るさ…「お化け屋敷」でなぁ!」
今は勇者の方が向いてる。

 

4-96:同類〔14歳:LEVEL40〕
着いた先で戦っていたのは、冥符&商南と竜神の野郎だった。皆まだ元気そうだ。
勇者「ふぅやれやれ…。相手が貴様じゃ苦戦しそうだなぁオイ。」
竜神「ところでお前、そんな体で戦えるのカ?前に見たより薄いガ。」
勇者「フッ、「クール・ビズ」だ。」
商南「どんだけやねん!冗談抜きになんやねんその冗談みたいな風体は!?」
勇者「ん?そうだな…例えるなら「心ここにあらず」の「心」の方が今だ。」
商南「わかりづらいわ!例えた方がわからへんてどないやねん!?」
勇者「まぁ簡単に言うと、今の俺は戦力にならんということだ。俺に頼らず頑張れ。」
冥符「フン、言われるまでもない。むしろハニーを守るナイトは俺だけじゃないと!」
商南「2点。」
冥符「うわぉ満点!?さっすが愛のダジャレは破壊力が違うぜ!」
商南「いや、なんで2点満点な計算なん!?」
竜神「そうカ残念だネ…。あの女が命を賭して遺した力…楽しみにしていたんだガ。」
勇者「ッ!!?それは麗華のことか!? そうか…やはり奴は死んだのか…。」
竜神「フフ。なんだネ、やはりショックかネ?」
勇者「フッ…いや、死ねない理由がまた増えた…ってとこだ。 ん?奴は地獄か?」
勇者もだが。

 

4-97:大蛇〔14歳:LEVEL40〕
その頃、少し離れた所では――――
暗殺美「ハァアアアァ…!食らうさ、秘奥義「風林火山」…「風の舞」!」
オロチ「フン、それは当たらぬと言ったはずだ。僕をガッカリさせてくれるでない。」
暗殺美「じゃあアンタも攻撃してこいさ!避けてばっかでこっちも拍子抜けさ!」
オロチ「いきなり終わってしまってはつまらない。今日まで生きてきた甲斐が無い。」
暗殺美「勝手に人を生き甲斐にしてんじゃないさ!」
オロチ「お前の兄は強かった。お前にもそれを期待していたのだが…残念だ。」
暗殺美「そして勝手にガッカリしてんじゃないさ!」
オロチ「安心しろ、殺しはしない。今のまま、永遠に美しく…「パジリスキュ」!」
巨大な蛇が現れた。
大蛇の瞳が怪しく光った。
暗殺美「なっ!?み、右足が…石にっ!?」
オロチ「ほぉ、咄嗟に目を伏せたか…やるな小娘。だがもう逃げられまい。」
暗殺美「これが、伝説の神獣…!目を見たら石にってのは本当だったのかさ…!」
オロチ「お前じゃ手に余る相手だったということだ。今すぐ去るなら追いはしない。」
暗殺美「こ、こんな足じゃ…」
オロチ「もはや闘えまい?」
暗殺美「賢二きゅんとデートできないさー!うわーん!」
石じゃなくても果たしてどうか。

 

4-98:貸借〔14歳:LEVEL40〕
右足を石にされ、窮地に立たされた暗殺美。
デートどうこうの前にとりあえず頑張れ。
暗殺美「くぅ…う、動け!動くのさこのスラッと伸びたなまめかしい右足めっ!」
オロチ「動揺してる割に大した自信だな…。」
女「キャ、キャーー!え、なにその蛇!?えっ、なにぃ!?キャーーー!!」
オロチ「…まだ一般人がいたのか。困ったものだ。」
暗殺美「バッ…来るんじゃないさ!思いっきり口封じに殺されるパターンさ!」
女「キャー!だ、誰かぁー!誰か来てぇーー!!」
オロチ「確かに目撃者は…好ましくはないな。消すか。」
オロチの攻撃!
ミス!逆に女の手刀が炸裂した。
オロチ「な…に…? 貴様、ただの女じゃないな…何者だ?なぜ邪魔をする?」
女「ん〜、別に邪魔したいわけじゃないよぉ。その子にはちょいと借りがあってさぁ。」
暗殺美「ハァ?誰さアンタ、私はアンタなんか知らないさ。名乗るがいいさ!」
女「私は「詐欺師」の「早季子」。「大ボラ兄弟」はああ見えて、可愛い弟分でねぇ。」
暗殺美「お、大ボラ兄弟…」
男達「ま、そういうわけよ!久しぶりだな嬢ちゃん!」

暗殺美「…って?」
若干空気が凍った。

 

4-99:拮抗〔14歳:LEVEL40〕
その頃、崩落園遊園地では―――
ヒュウウウウウ〜…(風)
宿敵「・・・・・・・・。」
太陽神「・・・・・・・・。」

宿敵「フゥ〜…ま、予想通りだけど動きが無いね。この前と同じ展開だ。」
太陽神「迷惑この上ない敵さんだわな。勝つ気無いんかいね?」
宿敵「あ、あるさ!僕だって…いや、僕ほど勝ちを渇望している人間はいない!」
太陽神「ならば続けようかね、動かねば何も始まらんわ。」
二人「爆炎の奥義、「プロミネンス」!!」
ズゴォオオオオオオ!!(燃)
激しい炎が燃え上がって弾けた。
太陽神「ふむ…やれやれやはり見事だわな。 だがしかし、飽きたわな!」
宿敵「同じく!!」
太陽神「帰るかね!?」
宿敵「ああ!!」
ホントに帰った。

 

4-100:純粋〔14歳:LEVEL40〕
宿敵と太陽神の心が折れた頃、同じく崩落園にいた戦仕は―――
ドガァアアアアアン!(激突)
戦仕「ゼェ、ゼェ、やっぱ、やるなアンタ…。さすがは大魔王軍の幹部の一人ぜよ。」
葉沙香「ハァ、ハァ、テメェもな…。ガキだと思ってナメてたぜチクショウ…!」
戦仕「ところでアンタ、「手袋」の反対は…?」
葉沙香「あ゛ぁ?だから「ロクブテ」だってさっきも…ハッ!」
戦仕「うぉおおおおお!武神流奥義、「六・武・帝」!!」
ズゴォオオオオオン!!
戦仕、会心の一撃!
葉沙香「ぐはぁ! し、しまった、また…!」
戦仕「オイラも驚きぜよ!この技何度も食らうってアホかアンタ!?」
葉沙香「じゅ、純粋なんだよ!!」
戦仕「「単純」なんだろ!?モノは言いようだなオイ!」
葉沙香「にしてもテメェ、女は殴りたくねぇとか言いながらやりたい放題じゃねぇか!」
戦仕「ヘッ、アンタは男らしすぎてやりやすいぜよ。今回は「例外」に分類した!」
葉沙香「俺みたいな女こそ実は傷つきやすいんだからな!わかるか!?」
戦仕「オイラは女心のわからねぇ…無粋な男ぜよ…。チクショウ、盗子サン…!」
葉沙香「こっち見ろよ!いろんな意味で失礼だろうがよぉ!」
戦仕「すぐ会いに行くぜ盗子サン、この野郎を…ブッ倒してな!」
葉沙香「「野郎」って言うなーー!!」
戦仕に悪気は無い。

 

4-101:苦労〔14歳:LEVEL40〕
さらにその頃、苦怨&忍美と愉快な山賊達は―――
山賊達「どわーーーー!!」
苦怨「さぁやってしまえ!かつてとある業界では神と言われた男、「サーハル」よ!」
サーハル「ホームラーーン!!」
山賊A「うっぎゃーー!!
族長「むぅ…やれやれ、厄介なもんだなや「霊媒師」ってのは…。キリがねぇべや。」
苦怨「まぁ、本家には及びませんが霊力は豊富な方でね。ご希望ならもう少し遊び」
忍美「うっわー!なんでこの観覧車はとってもジェットな勢いで回っ…わぁーーい☆」
苦怨「…もとい、真面目にやりましょう。恐らくアナタは、遊びじゃ勝てない相手だ。」
族長「驕っだ奴に見えで意外ど見えでるなぁ。ま、ダテに山賊の頭ぁやっどらんよ。」
苦怨「フフ…面白い。」
忍美「うっぎゃー!か、観覧してる暇がー! でもでも、面白いのだ〜☆」
族長「面白い?」
苦怨「なんか、すまない…。」
苦怨は苦労が絶えない。

 

4-102:新型〔14歳:LEVEL40〕
またまたその頃、死んだかと思われていた無職だったが―――
無職「ハァ、ハァ…ハァ…も、もう…限界かも…です…。儚い人生…でしたよ…。」
央遠「思ったよりやるガキだったなぁ。ブッ殺すのが惜しくもあらぁ。」
左遠「恨むのなら我々と…敵として出会ってしまった運命を恨んでくださいね。」
右遠「いや、その前に見捨てて逃げた仲間をね。」
無職「無念です…。何が無念って、職歴が真っ白なまま…旅立つのが…。」
央遠「来世に期待しな!あばよっ!!」
央遠の攻撃!

ミス!攻撃は謎の何かに阻まれた。
央遠「なっ…!?」
声「おっと、そうはさせないよ。アンタらのバカげた計画は、アタイが食い止める!」
左遠「そ、その声は…!バカな、アナタは亡くなったはず…!」
声「はぁ?誰かと勘違いしてないかい? アタイは誰も知らない秘密の戦士…」

謎「謎のお助け仮面、「母さん・マークU」!」
髪型が若干違う。

 

4-103:命懸〔14歳:LEVEL40〕
見守ること数十分。やはり冥符じゃ力不足だったのか、戦況は悪化の一途だった。
冥符「ぐほっ! くそっ、この俺が…!ハニーの前で、なんて無様な…!」
竜神「フン、人間ごときガこの私に挑もうというのが間違ってル。雑魚は消えなヨ。」
勇者「まったくだな。」
商南「アンタどっち側やねん!邪魔するゆーなら帰ってくれへん!?」
勇者「了承した。」
商南「ええぇっ!?」
竜神「それが精一杯カ?ならもういい、飽きたネ。一思いに殺してあげるヨ。」
冥符「精一杯ねぇ…いいや、まだだ。命懸けなんで使いたくはなかったが…な!」
冥符は巨大な紙とナイフを取り出した。
なんと!冥符は自分の手首を切った。
商南「な!?アンタどないしてん!?気ぃでも狂ってもうたんか!?」
冥符「フフッ、違うよハニー。これは…」
勇者「それはまさか、自分の血で術符を作るというありがちで陳腐な展開か!?」
冥符「こ、これは…自殺未遂だ!!」
それはそれでダメだ。

 

4-104:奥義〔14歳:LEVEL40〕
何を思ったか自分の手首を切った冥符。そしてしばらく考えた後、やっと動き出した。
冥符「くっ…不本意だが仕方ない、ただで死ぬわけには…いかないんだ!」
商南「な、なんやねんその巨大な術符…!?アンタ、それって…!」
冥符「これぞ我ら「符術士」の奥義、「血印魔刻符」…!威力は従来比の数十倍!」
勇者「今なら更に!」
冥符「同じものがもう一点♪って何を言わせる!?」
竜神「最期のあがきか…面白いネ。余興がわりに見ていてあげるヨ。」
冥符「フッ…その余裕が貴様の死因だ!食らえ、愛の超巨大…「爆殺符」!!」
ズッドオオオオオオオン!!(大爆発)
商南もフッ飛んだ。
商南「どわーーっ!! ってオイ!なにすんねん!?ウチまで殺す気かアンタ!?」
冥符「す、すまないハニー。さすがの俺もちょっとテンパってて…ね…ぐふっ!」
商南「あ…だ、大丈夫なん?なんやゴッツ流血しとるけども…。」
冥符「ああ、この程度ならまだね。 でも…」

竜神「今のはさすがに…チョト効いたネ。」
冥符「違うとなると、保証はできない…かな。」
冥符の限界は近い。

 

4-105:冥府〔14歳:LEVEL40〕
冥符のとっておきの一撃も、竜神に傷を負わせる程度にとどまった。雑魚めが。
商南「んなアホな…!あの威力の爆発で、そんな程度て…!」
竜神「私は「竜化戦士」…どんな攻撃モ、この硬いウロコを通すことは叶わナイ。」
冥符「やれやれ、まさかそれほどとは…ね…。」
勇者「お前の恋も叶わない。」
冥符「って畳み掛けるな!内容的にはそっちの方が傷つくわ!」
商南「…も、もうヤメや冥符。あとはウチがやったる!もう見てるだけは勘弁や!」
冥符「おっとそれはダメだぜハニー。愛する女性を護るのが男の仕事…だろ?」
竜神「愛かネ…ならその娘が死んだ方ガ、お前は力を出すのカ?」
冥符「なっ…!? ちょっ、待てお前!ヤメッ…!!」
竜神がお送りする、痛恨の一撃!

冥符は胸を貫かれた。
商南「め、冥符!!アンタ…ウチをかばって…!」
竜神「おや、狙いと違うネ。よく間に合ったナお前。」
冥符「ぐぼっ! フッ…「瞬速符」の速さを…ナメないでほしいね…。ガフッ!!
竜神「無駄なあがきだガ、まぁ良くやったと言っておこうカ。」
冥符「…随分と、趣味のいいマントを羽織ってるなお前…。ちょうどいいよ…。」
竜神「ム?お前、私の背に手を回して何ヲ…ハッ!まさカ…!!」
冥符「悪いが一緒に死んでくれ、終末の秘奥義…」
商南「め、冥符ぅーーーー!!」
冥符「「冥・府・魔・道・符」!!」
シュゴォオオオオオオオオオオオオン!!!(大爆発)
また商南もフッ飛んだ。

 

第七章