第二十八章 |
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3-421:即発〔13歳:LEVEL40〕 | |
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最悪の場面で、最悪の奴に遭遇してしまった。いるならいると早く言ってほしかった。 |
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3-422:不安〔13歳:LEVEL40〕
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〜シジャン城下〜 盗子「し、慎重にね賢二!もしソボーに会っちゃったりしたら、終わりだかんね…!」 賢二「麗華さんも疲労で眠っちゃったしね…。死ぬにはもってこいな状況だよね…。」 盗子「目指すは確か、「カイア塔」って塔だよ。こっからだと城と反対方向のあっち。」 賢二「ソボーさん、王様ならお城だろうし…じゃあそこに入っちゃえば勝ちだよね!」 盗子「うん!絶対イケるって!アイツ以外は別に害のある国じゃないし…」 手配書『国王命令!このクソジャリを見つけたら、即ブッ殺せ!』 盗子「・・・・・・・・。」 賢二「・・・・・・・・。」 |
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3-423:加減〔13歳:LEVEL40〕
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賢二「はわわ!は、話せばわかります、話し合いましょうよ!お願い…!」 国民A「安心しな、ボウズに興味は無い。用があるのはそっちの小娘の方だけだ。」 盗子「えーん!アタシだけ万年被害者だよぉー!賢二は仲間と思ってたのにー!」 国民B「あの狂王…もといソボー様の命とあらば、逆らえば死…悪く思うなよな。」 盗子「逆らわなくても殺すタイプだけどわかってる!?」 国民C「それでもやらねばならんのだぁー!大人しく捕まりやがれぇー!」 賢二「な、なんか…やるしかないって感じだね…。」 盗子「でも相手は人間だかんね!手加減しなきゃダメだよ賢二!?」 賢二「大丈夫、慎重にやるよ…〔束縛〕!」 |
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3-424:目的〔13歳:LEVEL40〕
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賢二「ふぅ…なんか、やっと本領を発揮したような。」 盗子「全然してないじゃん!いや、ある意味してたけども!」 賢二「むしろ今までよくもったというか…。 で、どうしよう…?土下座で良いです?」 国民A「いや、だからボウズは別にどうでもいいって。」 賢二「盗子さんお疲れ様です…。」 盗子「え、アンタそんな冷たいキャラだったっけ!?ついに歪んじゃった!?」 国民B「まぁ安心しな小娘。俺達も鬼じゃない、殺しはしないさ。」 盗子「結果的にソボーに殺されるから!それはもう倫理的にあり得ない方法で!」 国民C「うっさいんじゃボケェーー!死ねぇやぁーー!」 盗子「に、逃げよう賢二!もうこの際、地の果てまで!」 |
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3-425:到着〔13歳:LEVEL40〕
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盗子「ゼェ、なんとか、ゼェ、逃げ切ったけど、無事に塔まで、行けるかなぁ…?」 賢二「ハァ、ハァ、うーん…うっかり帝都を見捨てそうになる自分が怖いなぁ…。」 盗子「で、でもやっぱ頑張ろうよ!歴史に名を残すチャンスだよ!?」 賢二「僕の墓標には一言、「精一杯生きた」と…。」 盗子「志が低過ぎるよ!内容もだけど既に死んだ後って設定なのが特に!」 賢二「だって、僕ら二人の時点で…「敵に会う=死亡」の証明は容易だから…。」 盗子「せ、戦闘力は気合いでカバー!せめて気持ちでは負けないようにしよっ!」 賢二「とか言ってる間に…着いちゃったね、カイア塔。やけにアッサリと…。」 盗子「ダメだよ油断しちゃ!「扉開けたら早速ソボー」の流れはもはや鉄板だよ!」 賢二「う、うん…!」 ガチャ(開) |
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3-426:臆病〔13歳:LEVEL40〕
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〜カイア塔:最上階〜 |
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姫「…ほぇ?」 | |
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3-427:盲点〔13歳:LEVEL40〕 | |
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激戦の末…なんとか魔王の撃破に成功した俺。詳しい話は聞かない約束だ。 |
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3-428:秘策〔13歳:LEVEL40〕 | |
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例の爆弾は一度見ていたはずなのに、肝心なことを忘れていた俺。大誤算だ。 |
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勇者「それは何でも持てる魔法のグローブだ。ま、あとはコントロールの問題だな。」 |
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3-429:全力〔13歳:LEVEL40〕 | |
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重さの件はクリアしたが、距離の件を考えていなかった。いくら軽くても遠すぎる。 |
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無線「行くぞ!食らえぃ勇者ぁ…!」 |
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3-430:絶望〔13歳:LEVEL40〕 | |
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麗華の人間離れの遠投により、どうにか爆弾の入手に成功した。死にかけたが。 というかなぜ俺の位置がわかったのかが謎だ。やはり敵に回したくない相手だぜ。 勇者「フッフッフ…フハハハ!ついにやったぞ!これでピンチは脱出したも同然!」 無線「あ、でも!深くに埋めないと、地表だけ吹き飛んで島は壊れないかも…!」 勇者「いや、「すんごい爆発だから物理的な問題も楽々クリア☆」と書いてあるぞ。」 無線「ちょ、待って勇者!そんなん信用しちゃって平気なの!?」 勇者「平気だろ?兵器だけに。」 無線「そーゆー問題!?」 無線「問題は、もっと別のところにある。ズバリ「起爆」…勇者、どうするつもりだ?」 無線「へ?アレって魔力込めるだけで済むんじゃないの?」 無線「起爆は恐らく、爆発の瞬間まで魔力を込め続けなければならん。すなわち…」 無線「ハッ…!そ、そうか!そうなると…勇者君が…!」 勇者「…ま、逃げられんだろうな。」 無線「そ、そんなぁ…!じゃ、じゃあさじゃあさ!離れて何か投げてその衝撃で…!」 勇者「今の勢いで投げ込まれて爆発しなかったくらいだ、無理と考えるべきだな。」 無線「や…ヤだよ勇者…そんなのヤだよぉ〜!勇者が、えぐっ、死んじゃっ…!」 勇者「ふぅ…やれやれだな…。」 ここまできて…バッドエンドかよ…。 |
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3-431:別離〔13歳:LEVEL40〕 | |
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わかっちゃいたが、目を背けていた事実…そう、爆発から逃れる術が無いのだ。 死ぬのは悔しいが、どう考えても他に手は無い。チッ…やるしか…ないのかよ…。 勇者「というわけで、これから皆に一言ずつ、「冥土の土産」を聞かせてやる。」 無線「いや、「遺言」じゃなくて!?冥土の土産は敵に聞かせる感じと違う!?」 勇者「賢二…お前とは一番長い付き合いだったな。お前は消えてばっかだったが。」 無線「い、イヤだよ勇者君…!そんな潔い勇者君なんて、勇者君じゃないよ…!」 勇者「麗華…貴様を倒せなかったのは心残りだ。あの世で殺す、覚悟しておけ。」 無線「なんだか矛盾したセリフだが…わかった。笑顔で返り討ちにしてくれよう。」 勇者「そして姫ちゃん…キミには大事な想いを…一言で伝え切れる自信が無い。」 無線「よくわからないけどわかったよ。」 勇者「さて…と…。」 無線「ってちょっと待ったー!わかってたけどね!わかってたけどアタシ無視!?」 勇者「…雑魚は雑魚なりに、地味に生きるがいい。 じゃあな盗子。」 無線「えっ…ゆ、勇者…? ちょ、待っ(プチッ)」 勇者「帝都を救って死ぬ…ねぇ…。 ま、「勇者」としては上々の最期…かもな。」 |
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3-432:窮地〔13歳:LEVEL40〕 | |
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生を諦め、帝都のために、俺は「爆々弾々」に魔力を込めた。そして島は大爆発を… |
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勇者「て、テメェ…生きてやがったのか…!しぶとさは父親譲りかよ…!」 魔王「最後の一撃、あれは見事だったぜ。この俺が気を失っちまうとはなぁ。」 勇者「オーケー落ち着けちょっと待て、私怨はわかるが今はそんな状況じゃない!」 魔王「ん?なんだ、茶でも用意するか?」 勇者「そんな状況でもない!」 魔王「お前にゃ散々騙されてんだ、これ以上口車に乗ってやる気は毛頭無い。」 勇者「ま、まぁ待て、とりあえず引き上げろ。話はそれからだっ!手ぇ踏むなっ!」 魔王「あ?命令形…だと?」 勇者「当然だゴルァアアアア!!」 |
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3-433:英雄〔13歳:LEVEL40〕 | |
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爆弾が爆発しないどころか、今度は魔王に突き落とされかけてもう末期なヤバさ。 |
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魔王「勝負の決着は地獄で着けよう!ま、貴様が来るまでのんびり待つさー!」 |
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魔王「さて…と。 これに爆発まで、魔力を込め続ければいいわけだな…?」
ブォオオオン…!(起動) 魔王「ふぅ…悪ぃな勇者、コイツへのトドメだけは…誰にも譲れねぇんだよ。」 ゴゴ…ゴゴゴ… 魔王「ろくでもない両親の悲願…ダメ親の尻拭いは、出来た子の役目…ってか?」
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3-434:伝説〔13歳:LEVEL40〕 | |
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粉砕された魔神の破片は世界各地に降り注いだ。まるで巨大な花火のように…。 |
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3-435:旅立〔13歳:LEVEL40〕 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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魔神撃破の噂は即日各地に伝わり…名実ともに「勇者」として、俺の名は轟いた。 そして俺達は、世界を救った英雄として称えられるべく帝都に呼び寄せられたのだ。 だがその実質的な目的は、盗子を正式に「皇女」として迎え入れる式典だとか…。 〜帝都:チュシン〜 勇者「というわけで、なんかムカつくからエスケープしてやろうと思う。」 賢二「えっ!みんなの前で「感謝しろ愚民ども!」って偉ぶるんじゃなかったの!?」 勇者「盗子の前座にか?フン、クソくらえだ。逆に名が汚れるとも言えよう。」 姫「勇者君、どこ行くの?」 勇者「どこか遠くへ二人で逃げよう。」 賢二「いや、逃げる必要は無いと思うけど…。」 声「ちょぉ〜〜っと待ったぁーーー!!」 |
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勇者「なっ…!?貴様は式典の準備をしてるはずじゃ…!」 盗子「そんなんどーでもいいもんね!アタシを置いてこうったって甘いんだよっ!」 賢二「で、でもやっと見つかった「皇女」までいなくなったら…」 盗子「フンだ!いきなりそんなん言われても困るっての!アタシ「盗賊」だもん!」 勇者「ったく、なにをワガママな…」 盗子「アタシは「盗賊」の「盗子」なのっ!んで、ずっと…勇者達と一緒に行くのっ!」 賢二「盗子さん…。」 姫「おかえり盗子ちゃん。」 勇者「チッ…フン、姫ちゃんがそう言うなら仕方ない。勝手にするがいい…クソが。」 盗子「ほ、ホント!?ぃやったぁーーー!わーーい!!」 賢二「でも、これからどうしよう?もう目的とか無くなっちゃったけど、どこへ…?」 勇者「ん〜、そうだなぁ…まぁ強いて言うなら、「明日へ」…かな?」 盗子「うわクサッ!それちょっとクサすぎじゃない勇者ぁ〜?」 勇者「安心しろ、お前には来ない。」 盗子「それどーゆー意味!?」 勇者「それにそもそも、「勇者」に行き先は要らん…誰かの悲鳴が俺を呼ぶ。」 賢二「あげさせる側だけどね、悲鳴…。」 盗子「まぁいいじゃん!今まで戦闘ばっかだったし、今回は楽しんで行こうよ☆」 姫「「修学旅行:エピソードV〜世界沈没絵巻〜」だね。」 盗子「いや、もうそのネタいい加減クドくない!?相変わらず縁起でもないし!」 勇者「あーもう細かいことは気にすんな!とにかく行くぞ野郎どもっ!!」 三人「オォーーー!!」 勇者「…と思ったが、やっぱ面倒だな。ヤメるか。」 賢&盗「え゛ぇっ!?」
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