第二十六章

 

3-391:二点〔13歳:LEVEL33〕
五体中、四体の将の末路を確認した。となるとあとは学園校跡にいる将一のみ…。
ということで俺達は、行って確認することにした。冬樹が倒していればこれで完了だ。
〜学園校跡〜
勇者「オーイ黒錬邪、首尾はどうだー?将一ごとき軽く料理してやったかー?」
冬樹「…ん、凱空の子か。 まぁ見ての通りだ、あと一時間も煮込んだら完成さ。」
盗子「ってそういう意味の料理じゃなくない!?なにそれ食べる気なのマジで!?」
姫「あとは隠し味に、このドクロの小瓶を…」
盗子「隠れない!その隠し味きっと全然隠れないよ!?凄まじく主張するよ!?」
勇者「つーか意外と美味そうなのがなんかムカつくなこの料理。」
女医「あら勇者君、元気そうね。治療し甲斐が無いわぁ〜。」
勇者「なんだその医者にあるまじき発言は。お前にとって患者はオモチャか。」
観理「ふぃ〜、にしてもアレれすね、やっと終わったって感じで一安心れすよ〜。」
勇者「…いや、二つ…不可解な点が二つもある。まだ、終わりじゃないようだぜ?」
盗子「えぇっ、どどどどーゆーこと!?」
勇者「まず一つ目。脳にあたる将が全滅した割に、島は高度を落としていない。」
賢二「ハッ!そ、そういえば…!」
勇者「そして二つ目。俺が前に錬樹の…危ないっ、雑魚ども避けろぉーーー!!」
ピカァッ!(閃)
女医「あら危ない…!」
盗子らの真横を閃光が駆け抜けた。
かばった女医は跡形も無く消えた。
盗子「え…なに…?ウソ…う、うわーん女医先生ぇー!!」
賢二「人が…一瞬で…。こ、こんなことって…!」
観理「で!で!二つ目は何なんれすか!?もしかして…“アレ”と関係アリアリ!?」
勇者「…ああ。前に某所で見た魔神は、もっと巨大な…貴様みたいな奴だったよ。」

魔神「待たせたな…さぁ、始めようか。」
最大のピンチが訪れた。

 

3-392:気力〔13歳:LEVEL33〕
イヤな予感が的中し、現れたのは巨大な化け物…コイツが魔神の正体に違いない。
いや、真の正体は島自体なわけだが、その力の集合体だと確信できるほど…強い。
勇者「フ、フン。随分遅いお出ましだなぁ。なぜ最初から貴様が出て来なかった?」
魔神「五百年前、ノリノリで暴れていたら不覚をとった。俺は反省のできる男でな。」
勇者「身から分身を切り出し、様子見てたってことか。図体デカい割に細かい奴め。」
魔神「まぁ安心しろ、察しの通り俺が最後の将…いや、魔神そのものと言っていい。」
勇者「フッ、なるほど。正真正銘、ホントにこれが最後の決戦というわけだな。」
魔神「残るは6匹か…。フッフッフ、さーてどう遊んでやろうかなぁ。」
盗子「こ、怖いよぉ勇者ぁ〜…! で、でも!勇者なら!勇者なら勝てる…よね?」
勇者「…チッ、さすがの俺も今回ばかりは余裕無いぜ。勝ち目が見つからん。」
盗子「そ、そんなぁ〜!」
姫「勇者君アンパン食べる?」
勇者「ひ、姫ちゃん…その余裕がどこから来るのか、今度遊園地で教えてくれ。」
賢二「この状況でデートに誘う勇者君もやっぱさすがだよ…。」
姫「「Death忍ランド」がいいよ。」
盗子「ちょっ、なに勝手にオーケーし…」
勇者「うぉおおおお!よっしゃぁーー!!ノッてきたぜっ!!」
勇者は気力が回復した。

 

3-393:動揺〔13歳:LEVEL33〕
デートという生きる目的はできたが、気力だけでなんとかなる相手でもなさそうだ。
勇者「ふぅ〜…ふぅ〜…。」
魔神「ん…?フハハハハ!なんだ貴様、怖いのか?「勇者」のくせに情けない。」
勇者「び、ビビッてるだと…?フッ、かつて「学園校の蒼き俺」と恐れられた俺が?」
盗子「いや、思っきし動揺してるよ!?緊張しまくりバレまくりだよ!?」
姫「敵はカボチャと思えばいいよ。」
賢二「め、珍しく状況に合うアドバイスが出ちゃったけどどうしよう…?」
勇者「そうか、俺はカボチャと戦うのか。煮物が…いいかな…。」
観理「でもこっちがコレれすけどどうすれば…?」
姫「気をつけてね…もってかれるよ、水分。」
盗子「やっぱこっちもおかしくない!?」
勇者「あーもう!ガタガタうるせぇ!黙ってろよ盗子のみ!」
盗子「なんでアタシのみ!?」
魔神「フゥ…最期のじゃれ合いだと見守ってやったが、いい加減飽きた。もう死ね。」
ズバシュッ!!(斬)
勇者の攻撃!
魔神に400のダメージ。
魔神「なっ、バカな…!あれほど動揺していた者の…身のこなしとは…!」
勇者「敵の虚を突く…兵法の常だろう?調子こいてるから不覚を取るんだ雑魚め。」
魔神「…フッ、やれやれまたやっちまったようだ。 ときに貴様、その剣は?」
勇者「さっき偶然拾った名剣…「乙女桜」。水を得た魚は、簡単にゃ釣れないぜ?」
さぁそろそろ頑張れ。

 

3-394:分担〔13歳:LEVEL33〕
深手は無い、剣もある、気力も十分…それでも勝ち目は薄いが、ゼロでは無い。
持てる戦力を全て投入し、一丸となってブチ当たる…それが最善にして唯一の手。
魔神「もう油断はしない、全力でいく。貴様らも全力でかかってくるがいい。」
盗子「ど、どーしよう勇者…?もう逃げも隠れもできない感じだけど勝算は…どう?」
勇者「…手段は選ばん、全力でヘシ折れ。頭にある5本の角…各自ノルマ1本だ。」
魔神「ッ!!?」
盗子「えっ、なんでそんなことが言えちゃうの!?」
勇者「カマハハも麗華も、将の角をブッた斬っていた。弱点である可能性は高い。」
賢二「相変わらず抜け目無いね…怖いなぁ…。」
勇者「真ん中のは俺が折る。黒錬邪は、向かって右から1本目を頼めるか?」
冬樹「わかった、頼んでおく。」
勇者「いや、お前がやれよ。 んで賢二…お前はその隣だ、たまには意地見せろ?」
賢二「わ、わかったよ。角の前に心が折れたらゴメンね…。」
勇者「お前の実力は知らんのだが…邪神に仕えた程だ、やれるな?一番左だ。」
観理「ここでデキねっちゅー観理さんじゃねーれすよ?任せんしゃい!」
勇者「で、残った1本は…盗子、お前は俺が殺す。」
盗子「何その奇抜な文法!?えっ、残った1本の話はどこへ!?」
勇者「貴様ごときに任せられるとは到底思えん。 だが、やれ。奇跡を呼び起こせ。」
盗子「う、うん!やってやるよっ!こう見えても強くなったんだかんね!?」
勇者「そして最後に、姫ちゃん…好きだ。」
盗子「ってそうくるの!?確かに一人余るな〜って思ってたけどそうきた!?」
賢二「いないけどね…。」
勇者「やっぱりかぁ…!!」
だから一人も余らない。

 

3-395:攻撃〔13歳:LEVEL33〕
そして最後の肉弾戦が始まった。人数的に勝っちゃいるが、それでもやはり厳しい。
ズドォオオオオン!!
魔神「ハッハッハ!いつまで避けられるかな? 食らえ、壱の咆哮「ハヒフヘ咆」!」
ドガァアアアアアン!!
勇者「チッ…今のをかわせるのは俺らくらいだ、とりあえず二人で引き付けるぞ。」
冬樹「ああ、任せる。」
勇者「頼むから任されてく…ぬおっ!?」
ドドォオオオオオン!!
魔神「ふむ…どうやら貴様ら二人は手強そうだ。ならば、まずはゴミどもから…」
ピカァッ!(光)
勇者「ヤバいっ!!」
ズゴォオオオオオオオオオオオオオオオン!!(大爆発)
魔神の咆哮!
ミス!攻撃は賢二の〔金城鉄壁〕に遮られた。
魔神「なにっ!?その魔法は「賢者」の…!」
賢二「「禁詠呪法」…長い呪文さえ詠めれば、僕にも高位魔法は…使えるんだ!」
勇者「け、賢二…お前…!」

攻撃は…?
賢二ってば。

 

3-396:珍種〔13歳:LEVEL33〕

どうやら知らぬ間に成長していたらしい賢二。だが妙にムカつくのはなぜだろう。
勇者「よし、その調子で攻撃だ賢二!それが無理ならせめて防御で役に立て!」
賢二「あ、や、でも、失敗したら大惨事だしそれにMPとか…!」
勇者「根性で切り抜けろ!言い訳は、勝負の後に口が動いたら飽きるほど言え!」
魔神「フッ…少々驚いたがなんてことはない。連発できる術式ではないしなぁ。」
勇者「また来るぞっ!盗子、避けられんのなら左右どちらかに飛べ、運試しだ!」
盗子「わ、わかった!一か八かやってみるよ!」
勇者「他の奴はその逆へ!」
盗子「どーゆー意味!?なにそれアタシの運の無さに賭ける感じ!?」
魔神「さぁ轟け弐の咆哮、「ヤッ咆」!!」

魔神の咆哮!
だがなぜかとっても遅い。

盗子「えっ、なに!?何がどうしてこんな…誰か何かやったの!?」
観理「ハァ、ハァ、プッハァ〜!あんなに速くちゃ、これが、精一杯れすけどねっ!」
魔神「ほぉ、時を歪める能力…「時魔導士」か。なかなかに面白い者を連れている。」
勇者「なるほど、赤は止まれ青は進め…その瞳の色はそういう意味か。」
観理「ちっとも関係ねぇとは言いづらい雰囲気れす。」
勇者「フッ、どうやらみんな少しはやるらしい。希望が見えてきたな。」

盗子は焦っている。

 

3-397:咄嗟〔13歳:LEVEL33〕
観理も意外と実力者で希望が見えたかに見えた。だが世の中そう甘くはなかった。
盗子「うっぎゃー!死ぬ死ぬもう絶対死ぬ!いい加減、避けきれない、よぉー!」
勇者「チッ、きっついなオイ!新種のダイエット法として売り込みゃ流行りそうだ!」
冬樹「ふむ…確かにこれほど白熱した鬼ごっこは初めてだ。」
賢二「僕はもうMPが…。」
観理「観理さんもモチベーションが…。」
魔神「う〜む、どうにも捕まらんなぁ。やはりこう巨体では…よし、それならば…!」
ピカァッ!(輝)
魔神は怪しく輝いた。
魔神は人間サイズに縮んだ。
勇者「縮んだ…!ヤバいぞ、「格段に素早さが上がるフラグ」が立ったに違いな…」
ヒュッ!(風)
勇者「危ない盗子ぉーーーー!!」
ズドォオオオオン!
勇者は盗子を蹴り飛ばした。
盗子は壁にメリ込んだ。

 

3-398:爆速〔13歳:LEVEL33〕
魔神が変形して若干慌てはしたが、とりあえず盗子を蹴り飛ばしたらスカッとした。
だが今のスピード…もはや片目で追いつける速さじゃない。これからが地獄…か。
盗子「カフッ…!(ガクッ)」
勇者「と、盗子ぉーー!!貴様…よくぞ盗子を!!」
観理「そこ「よくも」じゃなしに!?それにやったのはアンタれすけれども!?」
賢二「よくある展開だなぁ…。」
ヒュッ!(風)
冬樹「ッ!!右だ凱空の子!」
勇者「なっ…!?」
ドスッ!(刺)
魔神の拳が勇者の左脇に突き刺さった。
冬樹「俺から見て。」
勇者「て…テメェ…!(ガクッ)」
賢二「ゆ、勇者君っ!!」
魔神「一人ずつ殺していく。まずは弱った奴…勇者から仕留めるとしようか。」
冬樹「そうはさせない。 最期くらいは俺も、本気を出そう。」
最初から出せ。

 

3-399:泥船〔13歳:LEVEL33〕
勇者が倒れ、冬樹はやっと本気を出すとか出さないとか。
勇者「ぐっ、けふっ…!(吐血)」
観理「うわっほい結構な重傷ぉー!ちょっ、アンタ何かできないれすか!?」
賢二「回復魔法は苦手なんだけど、出来る限りやってみるよ!今は僕しか…!」
冬樹「魔神は任せろ。妹が起こしたつぐないに、兄である俺が寝かしつけてやる。」
魔神「ほぉ…。 だが、それなりに手傷を負った貴様に何ができるかな?」
冬樹「俺も知りたい。」
観理「ダメれす!やっぱこの人なんかヤベェれす!」
ズゴォオオオオン!!
魔神の必殺パンチ!
冬樹は岩壁に叩きつけられた。
魔神「フン、口ほどにもない。所詮は人間…雑魚がイキがるから死期を早める。」
賢二「はわわわ!来る、来ちゃうよ!もうダメだ逃げ…ないけどっ!だけど…!」
観理「アンタは治療に専念するれす!こっちは観理さんが、なんとかしちゃるわぃ!」
賢二「えっ!けどそもそもキミには、そこまでする義理は…!」
観理「義理もクソも!ここでやんなきゃ世界が滅ぶんなら、やるっきゃねぇっしょ!」
魔神「そうか、次に死に急ぐのは貴様か小娘。逃げるなら今だぞ?」
観理「乗りかかった泥船!沈むのわかってても、降りられねぇ時はあるもんよー!」
賢二より男らしかった。

 

3-400:時間〔13歳:LEVEL33〕
勇者を治す賢二を守ると言ってのけた男前の観理。
だがやはり、状況はかなり厳しかった。
観理「ゼェ、ゼェ…ノルマは…1本れすよね…。 一番、左のぉ…!」
賢二「も、もういいよ観理さん!それ以上頑張ったら…!」
魔神「そうだぞ、もう諦めろ小娘。どのみち逃げるだけでは意味は無いのだしなぁ。」
観理「時魔導士、ナメんにゃよ!?攻撃を遅くするだけと思ったら、大間違いよぅ!」
ヒュン(消)
魔神「なっ!?消え…」
ガッキィイン!
観理の攻撃!
魔神の角にちょっとしたダメージ。
観理「時の秘奥義「早送り」…素早さを極限にまで高める感じの!どうよこれ!?」
魔神「だが攻撃力が足りない。」
観理「うぉおおおお言われてもうたぁーー!!」
賢二「な、なぜ楽しそうに見えるんだろう…。」
魔神「無駄な抵抗だったなぁ。貴様ごときが俺に勝とうなど、万が一にも…」
観理「万が一…ホントにそれくらいの確率…。でも、成功して良かったれすよ…!」
魔神「成功だと…?むっ、なんだ左の角が…!貴様、一体何を…!?」
観理「奇跡の技「超絶早送り」…。その角だけ時間…“一億年”、フッ飛ばした…。」
賢二「か、観理さん!?観理さん!?」
観理「時間が…止まりゅ…。でも、落ちた砂は…逆さに返せば…また……。」
魔神の角(×1)は朽ち果てた。
そして、観理の時間も止まった。

 

3-401:孤独〔13歳:LEVEL33〕
観理もまた倒れ、そして残るは賢二のみとなった。
今までこれほどまでに頼りない状況があっただろうか。
魔神「さて、残るは一人…防御ばかりの貴様では、もはや勝負にすらなるまい。」
賢二「…逃げないよ。防御魔法は、もう使わない。」
魔神「ほぉ。なんだ、友の死によって何かに目覚めたか?」
賢二「いや、MPが…。」
魔神「なぜ素直に「使えない」と言わない。」
賢二「できるだけの治療はしたし…きっと後で勇者君が、アナタを倒してくれる!」
魔神「自分が勝つ気ゼロか。もう少しお前自分に自信を持てよ。」
賢二「僕ってそういう立ち位置じゃないんで…。」
魔神「貴様がやるしか無いんだよ。現実を見ろ、今は貴様しかいないんだ。」
賢二「魔術師手術中…」
魔神「魔術師…?なんだ、他に仲間がいるとでも言いたいのか?」
賢二「手術室で手術集中する魔術師と…」
魔神「チッ、その難しい術式…「禁読術法」か…!?」

賢二「坊主が屏風に上じゅにぎゃーー!!(自爆)」
上手にできなかった。

 

3-402:計画〔13歳:LEVEL33〕
そんなこんなで、なんとなく全滅しそうな状況が見えてきたが、大丈夫か。
賢二「う゛…うぐぅ…!くはっ…!ま、まだだよ…!こんな攻撃なんて…!」
魔神「いや、勝手に俺のせいっぽく言うなよ。見事な自爆じゃないか今の。」
賢二「知ったこっちゃ無い。」
魔神「貴様、何か隠しているな?ダテに長く生きてはいない、嘘ぐらい見抜けるぞ。」
賢二「…フッ、バレちまったか。まぁアイコンタクトじゃ完璧な作戦とはいかんか。」
魔神「き、貴様…!まさか勇」
ズバシュッ!(斬)
魔神の左腕が宙を舞った。
魔神「なっ!?背後から…だとぉ…!?」
賢二「へ、へへ…演技…騙されてくれて良かったよ…。」
冬樹「よく粘ったな、お陰で力を練ることができた…。そしてグッスリ寝ることも。」
魔神「黒騎士…!」
賢二「って寝てたと!?人が無理して勇者君っぽく外道に振舞ってた時に…!」
冬樹「安心しろ、滑稽だった。」
賢二「酷いっ!!」
賢二もちょっと酷い。

 

3-403:予告〔13歳:LEVEL33〕
やられたと見せかけて、機をうかがっていたらしい冬樹。
勝算があるのかどうかは、無表情なので全然読めない。

冬樹「ふむ、あと一撃…といったところか。」
魔神「なにぃ!?ぬぐっ、人間ごときが調子に乗りおって…!」
冬樹「フッフッフ、何を勘違いしている?俺の寿命の話だ。」
賢二「いや、だったらそれで得意げなアナタもよくわかりませんけど!?」
魔神「ならば望み通り一撃で始末してくれよう!食らうがいい、「ヤッ咆」!!」
チュイン!(受)
冬樹「黒騎士槍術、「アッ槍」…。その程度の技で、この俺を倒そうとは甘すぎる。」
魔神「いや、槍で波動系の技を受けるってどんな原理だ!?擬音も変だし…!」
冬樹「意外となんとかなった。」
賢二「というか今ので一撃終わってません!?」
冬樹「次で終わりにしよう。奴の攻撃はなんとかする、だからお前もどうにかなれ。」
賢二「なんですかその曖昧な作戦!?」
勇者「ガタガタぬかすな。どうせお前は「背俺の陣」…逃げ道は無い。」
賢二「ゆ、勇者君!起きたんだね良かっ…僕的には良かったのか微妙だけども!」
勇者「さぁぼちぼちショータイムといこうか。 次回、「さらば賢二、永遠に」の巻!」
賢二「何そのフラグ!?」

お楽しみにっ!

 

3-404:一斉〔13歳:LEVEL33〕
目覚めてみると、魔神は角が一本無く、観理は倒れて…オーケー状況は察した。
残った黒錬邪も相当ヤバそう…賢二の奴もMPは限界だろう。やるなら今しかない。
勇者「さぁ行くぞ賢二!持てる全ての力をもって、華々しい最期を飾るがいい!」
賢二「できれば死なない結末も用意してほしいんだけど…!」
勇者「突っ込んでる暇があったら、とっとと詠唱でも始めろやクソがぁ!!」
賢二「わ、えっと、えっと、獅子汁 獅子鍋 獅子丼 獅子シチュー 以上獅子食試食…」
魔神「全員まとめて消し去ってくれよう。受けるがいい我が必殺の咆哮…!」
勇者「フッ、今なら使える気がするぜ…刀神流操剣術、千の秘剣…!」
冬樹「黒騎士槍術、最終奥義…!」
賢二「審査員試食済み 新案獅子食 七種中の四種…言えたぁ!〔獅子奮迅〕!!」
勇者「千刀滅殺剣!!」
魔神「ヘイヘイ咆!!」
冬樹「なんか勝て槍!!」
ズッドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアン!!
緊迫感に欠けるのはなぜか。

 

3-405:遺言〔13歳:LEVEL33〕

全員フルパワーでドッカーンてな感じで、砂煙が晴れるまで随分と時間がかかった。
勇者「お、終わった…のか?魔神は見えんが…って、黒錬邪、お前…!」
冬樹「ふむ…簡単に受け流せる攻撃じゃなかった。半身を持っていかれるとはな。」
勇者「ま、いい仕事したよお前。おかげで俺は攻撃の直撃を免れた。」
冬樹「どうやらこれで…俺も終わりのようだ。まぁ使命は果たした…満足だがな…。」
勇者「安らかに死ね。それで死なんような化け物なら俺が駆除するぞ。」
冬樹「凱空に…伝えてくれないか…。あの世でお前を…心待ちにしていると…。」
勇者「縁起でもない遺言だな。 だがだからこそわかった、伝えておこう。」
冬樹「俺は…死ぬ…。だが…覚えておけ、いずれ第二第三の…俺が……。」

なぜか「魔王」っぽく逝った。

 

第二十七章