第十三章

 

2-196:気分〔13歳:LEVEL25〕
面倒なことをした甲斐あって、無事に都市爆破を阻止することができた俺。
魔力を伝導させる起爆装置も解除したし、もう安心だろう。 役目は果たした。
〜シジャン城下:カイア塔〜
無線「えっ?えっ?なに?なんで!?なんで勇者がそっちにもいんの!?」
勇者「わめくな盗子、息がニオう。」
無線「無線だよ!どう頑張っても電波には乗らないよ!てゆーかクサくないよっ!」
門太「で、どうしやす?行くんなら門を開きやすが…?」
勇者「いや、いい。今日の俺はもう達成感でいっぱいだ、テンションが上がらん。」
無線「ちょっ、来てよ!もうコレ最終決戦だよ!?「勇者」いなくてどうすんのさ!」
勇者「断る。お前の声を聞いたら余計に萎えた。」

無線「姫だよ勇者君。おげんこ?」
勇者「おげんこーー!!」
盗子は切なくなった。

 

2-197:事情〔13歳:LEVEL25〕
面倒なので赤錬邪は放っとこうと思っていたのだが、姫ちゃんがいるなら話は別だ。
勇者「よし、早速向かうぞ門太! だが門はいい、失敗すると逆に時間食うしな。」
門太「でやんすね。距離はチョイとありやすが、まぁ走りゃなんとかなるっしょ。」
声「えっ、なぜだ…?なぜブラザー勇者がここに!?」
勇者「誰だ後ろから…? 俺は背後に立たれることより盗子が大嫌いだ!」
無線「なんでいつの間にか嫌いな対象がアタシになってんだよ!」
博打「その邪悪な感じ…もしかして記憶が戻ったのかい?」
博打が現れた。
勇者「フン。なんだインチキ賭博師か。悪いが貴様なんぞに構ってる暇は無いぞ。」
博打「あ?オイオイ、冷たいなぁブラザー。 だが、そう調子に乗り過ぎると…!」
無線「えっ、博打が!?き、気をつけて勇者!そいつ裏切…」

ドスッ!(刺)


博打「うぎゃあああああ!!
勇者は事情は知らない。

 

2-198:選択〔13歳:LEVEL25〕
姫ちゃんの元へと向かおうとしたら、背後から現れた博打。とりあえず刺してみた。
無線「な、なんで!?もしかして勇者、博打が裏切り者だって知ってたの!?」
勇者「なんかムカついた。」
無線「そんな理由で!?」
勇者「博打が裏切り者だと? フン、バカなことを。そんなわけがあるか。」
無線「ほ、ホントなんだってば!ホントに博打は…!」
勇者「そもそも仲間じゃない。」
無線「それ以前の問題だったの!?」
博打「ぐっ…フッ、相変わらず手厳しいぜブラザー。やっぱそうでなくちゃな。」
勇者「で?俺に楯突く存在になったそうだが、それは事実なのか博打?」
博打「ああ。“上”からの指令でね、悪いがアンタには死んでもらうぜ?」
勇者「そうか、お前も五錬邪に…。 まさか俺の同期から二人も出るとはな。」
博打「悪いがちょっと急いでる。 爆弾を起動させたい。どいてくれないか?」
勇者「級友のよしみだ、最後に一度だけチャンスをやろう。よく考えて選ぶがいい。」
博打「へ?チャンス…?」

勇者「苦しんで死ぬか、楽に死ぬかだ。」
「勇者」のセリフじゃない。

 

2-199:一発〔13歳:LEVEL25〕
なにやら博打が邪魔したいようなので、始末することにした。邪魔者と盗子は消す。
勇者「「人生」というギャンブル…必ず最期には「死」という敗北があることを知れ。」
博打「おっと、だったら俺の土俵でやらせてもらうぜ? 「黒幕危機二十発」!」
〔黒幕危機二十発〕
21個の穴が開いたタルに術者が入り、敵はその穴に剣を刺す。
当たり(20個)に入れば術者はダメージを受けるが、外れれば敵は死ぬ。
どちらかが死ぬ、または術者が気絶するまで術の効果は持続する。
博打「さぁどうだいブラザー?今の俺は他の一切の攻撃を受け付けないぜ!?」

勇者「ごきげんよう。」
博打「えーーっ!?」
勇者は立ち去った。

 

2-200:飛躍〔13歳:LEVEL25〕
博打なんぞのために大事な命と貴重な時間を割くのはご免だ。放っておこう。
タッタッタッタ…!(走)
門太「でも良かったでやんすか?あの人、術が解けたら爆弾を爆破するんじゃ?」
勇者「安心しろ、人間そう簡単には気絶しない。後で始末すればいいさ。 急ぐぞ。」
門太「そんなに早く噂の姫ぎみに会いたいと?どんな人か気になるでやんすね〜。」
勇者「フッ、一瞬で恋に落ちるぞ。」
門太「あ〜…でもアッシは、前に聞いた盗子って人も見てみたいでやんすよ。」
勇者「地獄に堕ちるぞ。」
門太「えっ、見ただけで!?」
勇者「まず第一に、鼓膜が破れる。」
門太「見ただけなのに!?」
勇者「そして味覚・嗅覚・触覚も失う。」
門太「見ただけなのに!?」
勇者「でもなぜか視覚は無事。」
門太「見てるのに!?」
勇者「そして最期には、体中の穴という穴から何かを噴き出して死ぬぞ。」
門太「しかもそんなおぞましい死に様に!?」
勇者「さらに家族三代呪われる。」
門太「そ、そんな怖ろしい人がいるんでやすか!?行って平気なんすか!?」
勇者「ああ。勝機は一瞬だ、姿を見せた瞬間に仕留めろ!」
門太「敵!?勢い余っていつの間にか敵に!?」
勇者「まぁ、そのくらいヤバいってことだ。わかったら気を引き締めていけよ。」
門太「わ、わかりやした!気をつけやす!」

ふぅ〜、スッキリした。
盗子は訴えれば勝てる。

 

2-201:溺死〔13歳:LEVEL25〕
勇者がカイア塔を発った頃、シジャン城では戦いが再開され…

気づけば「拷問」になっていた。
赤錬邪「ぐぼっ…ばばぼぶ…ぶはっ!た、助けっ…!ごぼぼぼっ…!(溺)」
麗華「おや?「鉄壁の防御」が「洗面台」ごときに負けるとは初耳だなぁ?」
赤錬邪「ごばばばばばばば…!!(溺)」
盗子(プルプルプルプル…!(震))
暗殺美「あ、あの勇者が師匠と呼ぶ理由がわかった気がするさ…。」
猿魔「俺が捕まった時もこんなだった…。」
巫菜子「子供の私が言うのもなんだけど…子供には見せたくない光景だよな…。」
麗華「ふぅ…仕方なかろう?腐っても防御の戦士、剣では楽には死なせてやれん。」
盗子「そう考えて出た結論がコレなの!?もっとムゴく思えるのはアタシだけ!?」
赤錬邪「ぶはっ! ハァ、ハァ…!き、貴様…殺びべぶぶぶ!(溺)」
麗華「ほぉ、さすがにタフな奴だな。この状況でもまだ命を諦めんとは。」
赤錬邪「ごぼじでぐべべべべ…!!
聞こえてないだけだった。

 

2-202:限界〔13歳:LEVEL25〕
麗華の非道な拷問に、もはや限界といった感じの赤錬邪。
麗華も飽きてきたのでそろそろ決着となりそうだ。
麗華「最後のチャンスだ。 なぜ都市爆破なんだ?神探しはどうした?」
赤錬邪「…フン、それも神を探すためだ。地図によると封印の地はこの辺りでな。」
盗子「じゃあ見つけやすくするために更地に!?国民ごと!? アンタ最低だよ!」
巫菜子「まったくだ、この外道め!」
猿魔「この極悪人め!」
暗殺美「この盗子め!」
盗子「ちょっと待って!?なんでアタシまで「悪口」の部類に入ってんの!?」
麗華「さて、では行こうか赤錬邪。警察士に引き渡してやる、獄中で悔いるがいい。」
赤錬邪「フッ…まさか俺までが、「リミッター解除」することになるとはなぁ…。」
麗華「リミッターだと?バカめ、並みの人間に外せるほど便利なモノじゃないわ。」
暗殺美「そうさ!そんな簡単に誰もが限界超えてたら物語が破綻するさ!」
赤錬邪「黙れ小娘がぁー!ぬぉおおおおお!!」
赤錬邪は力を解放した。
麗華「なっ…!」
赤錬邪「ハッハッハ!どうだ!? …ん?なんだ、武器の形が…?」
麗華「驚いたな…まさかホントにできるとは。それにその武器は、「鬼神の金棒」!」
赤錬邪「なにっ、コレが…!? フハハハハ!そうか、やはり神具だったのか!」
盗子「や、ヤバくない!?余裕のはずが知らぬ間にピンチじゃない!?」
赤錬邪「さぁ仕切りなおしだ女。俺と共に、地獄に落ちてもらおうか。」
麗華「お前達…目を閉じて、しばらく下がっていなさい。」
盗子「え…?」

麗華「夕飯が食えなくなるぞ。」
麗華は何をする気なのか。

 

2-203:崩壊〔13歳:LEVEL25〕
爆弾のあったカイア塔から猛ダッシュすること数十分。やっと城が見えてきた。
まぁあの麗華がいるんだ、行ったところで赤錬邪はもう人の形はしてはいまいがな。
門太「ハァ、ハァ…さ、先に行ってほしいでやんす兄貴…アッシはもう限界で…。」
勇者「あん?泣き言を言うな!走れ! ホラ、もうそこに見え…むっ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…(地響)
門太「な、なんか揺れてやせんか?それにこの音…一体何が…?」
勇者「盗子…そうか、昼食を抜いたのか。」
門太「腹の音!?呪いだけじゃなくて身体的にも化け物なんでやんすか!?」
勇者「ああ、奴は化け物だ。クシャミひとつでこんな城など吹き飛ぶぞ。」
門太「えっ!?いやいや、いくらなんでもそんな…」

ズゴォオオオオオオン!!
(崩壊)
二人「えぇーーーっ!!?」
シジャン城は崩れ落ちた。
門太「あ…あああ兄貴が噂なんかするからっ…!」
勇者(れ、麗華…やりすぎだぞ!?)

〜その頃、崩れ落ちた城の地下では…〜
盗子「ゲホッ、ゲホッ! いったーい!もう死ぬかと思ったよぉー!」
巫菜子「ここは…地下か?最上階から一気に地下…なんてモロい造りなんだよ。」
暗殺美(しっ!静かにするさアホどもが! 奴に気づかれるさ!)

赤錬邪「さぁ出て来い女。このぐらいではまだ、死んではおらんだろう?」
麗華〔物陰〕「くっ…!」
意外にも劣勢だった。

 

2-204:捨駒〔13歳:LEVEL25〕
口ほどにもなく麗華は負けたようで、状況は大ピンチになっていた。
残された盗子達は、物陰に隠れながら逃げ出すチャンスをうかがっていた。

戦えよ。
赤錬邪「ゴルァ!出てこいと言っとるだろうが貴様らー!ぬぉおおおおお!!」
ドガァーン!ボォゴーン!(破壊)
盗子〔物陰〕(や、ヤバいよ!見つかるのはもう時間の問題だよ!どうしよー!?)
猿魔〔物陰〕(チッ、仕方ない…。俺が麗華の姿で時間を稼ぐ、その隙に逃げろ。)
巫菜子〔物陰〕(無茶言うなよエテ公、オメェもうフラフラじゃねーか。)
暗殺美〔物陰〕(そうさ。アンタがでしゃばったら盗子の見せ場が無くなるさ。)
盗子〔物陰〕「やんないよアタシ!?アタシだって死にたく…あ゛。」
赤錬邪「そこかぁーーー!!」
バイバイ盗子。
盗子「うわぁーん!助けて勇者ー!!」
勇者「イヤだよめんどくさい。」
盗子「イヤってなんだよ!それが「勇者」の言うこと…って、勇者!?」
赤錬邪「!!?」
勇者「フッ、助けに来たぞ。」
盗子「勇者…☆」
勇者「姫ちゃんを。」
盗子「あっそう!!」
赤錬邪「き、貴様…いつの間に!?」
勇者「調子に乗るのもそこまでだ赤錬邪。 ここは危ない、下がってろ盗子。」
盗子「勇者…☆」

勇者「地平の果てまで。」
盗子「そんなに!?」
バイバイ盗子。

 

2-205:乙女〔13歳:LEVEL25〕
嫌な予感がしたので急いで地下に降りてみると、案の定ピンチな状態に。
やれやれ、今日はもう役目を終えたと思ってたんだが…仕方ない、やってやるか。
勇者「そのオーラ…そうか、貴様もリミッターとやらを…。」
赤錬邪「まさか裏切り者だったとはなぁ覇者…いや、勇者よ。 ブッ殺…」
勇者「ところで姫ちゃんはどこだ?」
赤錬邪「聞けよ!決戦前の決めゼリフをスルーするなよ!」
勇者「フゥ…まぁいいだろう。最期のセリフだ、ド派手にキメるがいい。」
赤錬邪「フン、生意気な小僧だ。だが強がっていられるのも今のうちよぉ!ブッ殺」
勇者「そういや麗華も見えんが?」
赤錬邪「だから聞けって!!」
盗子「そ、それが変なんだよ!なんか急に目を擦りながらフラフラしだして…。」
門太「ウゲッ、兄貴!そういや今って…!」
勇者「ハッ!この時間…そうかっ!」

麗華〔物陰〕「スゥー…。スゥー…。」

そうか、「お昼寝の時間」か…。
麗華は意外な一面を見せた。

 

2-206:武器〔13歳:LEVEL25〕
麗華には昼寝をする習性があったのをスッカリ忘れていた。やはり俺の出番か…。
勇者「不肖の師匠が迷惑をかけた詫びだ、この俺が直々に相手してやろう。」
赤錬邪「全然詫びに聞こえないその横柄な態度…ますます気に食わん!潰す!」
盗子「気をつけて勇者!そいつ、ナントカ戦士っていって剣の攻撃きかないよ!」
勇者「俺はお前の言うことをきかない。」
盗子「きけよっ!!」
勇者「安心しろ盗子、俺にはとっておきの武器がある。こんな奴は一撃だ。」
赤錬邪「思い上がるなよ小僧?今の俺の肉体強度は、鋼鉄さえも上回る!」
勇者「いい度胸だ!ならば食らうがいい!!」
勇者はバズーカを構えた。

 

2-207:最恐〔13歳:LEVEL25〕
面倒だからバズーカで仕留めようと思った俺。だがコイツ…なかなかにタフだ。
赤錬邪「ぐははは!どうした小僧?ちっとも効かんぞそんな攻撃は!」
勇者「チッ、バズーカを体で受け止めるとは…。どうやら火力が足りんようだな。」
盗子「いや、火力とかの問題じゃないよ!やっぱ勇者たるもの剣で勝負しようよ!」
赤錬邪「俺に効くのは魔法だけだ。ま、「勇者」の初級魔法ごときじゃ無駄だがな。」
勇者「いいだろう。貴様のその自信は、自惚れだということを思い知らせてやる。」
赤錬邪「ぬ…?」
勇者「かつて、村一つを一瞬で滅ぼした最恐の魔獣がいた…。」
盗子「なっ!そ、それってまさか…!」

勇者「さぁ来い! いでよ、チョメ太郎ーーー!!」
勇者はチョメ太郎を呼んだ。

だが何も起こらなかった。

 

2-208:抜刀〔13歳:LEVEL25〕
ポーズまで決めて呼んだのに、チョメ太郎は来なかった。 あ、あの野郎め…!
勇者「…さ、さぁ食らうがいい!我が必殺魔法、「チョメ・ターロン」を!」
盗子「無理があるよ!思っきし魔獣って言っちゃってたし!」
声「ポピュッパー!!」
盗子「って、キターー!?」
勇者「ほ、ホラ見ろ! よーし、我が武器庫であるチョメ太郎が来たからには…」
暗殺美「なんちゃってさ(声帯模写)。」
勇者「ブッ殺す!!」
巫菜子「やれやれ…。剣が効かねぇ敵の前には、「勇者」がこれほど無力とはなぁ。」
勇者「あん?ナメるな腹黒。俺が剣を抜かんのは弱いからじゃない。むしろ逆だ。」
赤錬邪「なにぃ…?」
勇者「技の威力が強すぎてな。盗子の身の安全を保証しきれん。」
盗子「えっ、なんでアタシ限定なの!?」
勇者「冗談だ、お前の安全なんかどうでもいい。」
盗子「そっちが冗談なの!?」
勇者「だが、まぁいいだろう。これしか道が無いというのなら、見せてやるよ。」
赤錬邪「ふぅ…やっとまともな戦闘になるわけか。待たされたものだ。」
勇者「さぁ見るがいい赤錬邪…我が魔剣からほとばしる、暗黒の波動を!!」
勇者は自分の立場を忘れている。

 

2-209:必殺〔13歳:LEVEL25〕
もはや茶番もこれまで。血の惨劇の果てに、コイツが真の赤錬邪になる時がきた。
盗子「えっ、なにその剣!?ゴップリンの魔剣は!?呪いはどうしたの!?」
勇者「これはあの剣の本来の姿、「魔神の剣」だ。俺の魔力をその力の源とする。」
暗殺美「魔神に魔力…似合い過ぎてて笑えもしないさ。」
盗子「わーん!勇者がどんどん「魔王」に近づいてくよー!」
巫菜子「いや、アイツの中には半分…魔王通り越して「魔神」目指してねぇか?」
盗子「いやぁーん!帰ってきて勇者ぁー!!」
勇者「よし行くぞ赤錬邪!必殺…」
声「ポピュッパー!」
勇者「そう、ポピュッ…え゛っ!?」

チュドーーーン!!(爆発)
ズガガガガガン!!(連射)
ズドドドォーーン!!(大爆発)
赤錬邪「ぬぉあああああ!!?

チョメ「ポピュッパプー!!」
チョメ太郎が現れた。

チョメ太郎の攻撃。
赤錬邪はフッ飛ばされた。
勇者は見せ場を奪われた。

 

2-210:発掘〔13歳:LEVEL25〕
来ないと思ったら、タイミングをズラして現れたチョメ太郎。そして早速大暴れ…。
盗子「ちょ、チョメ太郎!?結局来ちゃったのアンタ!?」
チョメ「チュペパプ!」
暗殺美「挨拶よりもまず攻撃…。ペットは飼い主に似るとはよく言ったもんさ。」
勇者「こ、この野郎…!呼んでも来ないどころか俺の見せ場を奪うとは…!」
巫菜子「ま、まぁいいじゃねぇか。赤錬邪も消し飛んだみてーだし…ん?」
巫菜子は瓦礫の中に何かを見つけた。
盗子「な、何コレ…棺?今の爆撃で掘り返されたんだろうけど…。」
勇者「開けてみよう。宝箱があったら迷わず開ける…それが「勇者」の使命だ。」
盗子「それって使命だったの!?」
猿魔「ま、待て!古代語で何か書いてある! なになに…ジャ…シ…「邪神」!?」
盗子「えぇっ!邪神!?あの邪神!?」
巫菜子「封印の地がここら辺とは聞いてたが…まさか城の地下とは…。」
勇者「こ、この中に、伝説の邪神が…!?」

開ける前に言えよ。
言う前に開けるなよ。

 

第十四章