第十章 |
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136:強敵〔6歳:LEVEL2〕 | |
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いろんな意味でなんとか一命を取り留めた俺。だが戦況は芳しくない。敵は強い! 群青「ケッ、何度回復しようとも無駄だ。テメェらじゃ俺には勝てねぇよ。」 盗子「こ、今回の敵はなんか…今までとは違うね…。」 勇者「ああ、冗談が通じない。」 盗子「そこ!?いや、まぁそうだけど!そうじゃなくてホラ、強さとかさぁ!」 勇者「強さは俺の方が上だ!それは今から証明してやる!!」 |
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暗殺美「しっ、しまっ…!」 勇者「借りは返したぞ!」 盗子「そんなの後でやってよ!」 群青「フンッ、その「後」なんてのは無ぇんだよ!!」 |
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巫菜子「ふぅ、危なかっ…え?……血…?(なっ…なにぃ!?)」 群青「ホォ、なかなかの身のこなしだが…次は頬に傷くらいじゃ済まないぜ?」 巫菜子「……あっ…うぅ…。」 群青「おっと、ビビッて声も出なくなったか小娘? グハハハハ!!」 巫菜子「・・・・・・・・。」 (−_−メ)ブチッ!(切) 群青「…ん゛?」 勇者「む!? (なんだ、急に雰囲気が変わったようだが…。)」 巫菜子「ブッ殺す!!!」 一同「え゛っ!?」 |
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137:本性〔6歳:LEVEL2〕 | |
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血を見た途端、巫菜子がキレやがった。普段がブリッコなだけに変化が著しい。 巫菜子「もーいい!もーどうにでもなりやがれー!!ブッ殺してやるぁあああ!!」 暗殺美「ちょ、ちょっと落ち着くさ巫菜子!」 姫「粗茶ですが。」 盗子「それは落ち着きすぎだよ!」 群青「ケッ、ガキがいきがったところで所詮は雑魚…」 巫菜子「んだとぉ!?ならやってやるよ!出て来やがれ「大地の精霊」ども!!」 |
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巫菜子「な、なんで出て来ねぇんだよドチクショウがぁー!!」 暗殺美「まぁそんな呼び方じゃヘソも曲げるわさ。」 巫菜子「じゃあいいよ!みんなまとめてコイツ(銃)でハチの巣にしてやるぜ!」 暗殺美「勝手にまとめんじゃないさ!撃つのは敵と勇者だけでいいさ!」 勇者「いや、俺も省けよ!今は一応味方だ!」 暗殺美「フン、アンタなんか死ねばいいのさ!賢二君のカタキめ!」 勇者「つーか「巫女」が銃なんて振り回すな!その手に持った「錫杖」は飾りかよ!」 巫菜子「飾りだよ!!」 暗殺美「言い切ったよ!」 勇者「言い切るなよ!」 巫菜子「ウルセーよ!!」 勇者「ウルセーとはなんだ!」 暗殺美「ウルセーは無いわさ!」 群青「お、オイ…」 三人「ウルセーよ!!!」 |
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138:約束〔6歳:LEVEL2〕 | |
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本来のキャラを忘れ、ブチ切れ続ける巫菜子。もはや敵よりタチが悪い。 巫菜子「ブッ殺ぉおおおおおおおっす!!」 盗子「勇者、早くなんとかして!とりあえず巫菜子を止めて!」 勇者「よし、任せろ!!」 |
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巫菜子「…ガッ……。(ぐったり)」 勇者「止めたぞ。」 盗子「止めすぎだよ!息の根まで止まりそうだよ!」 群青「オイ…もういいか?」 盗子「えっ!待っててくれてたの!?ひょっとしてヒーロー物のお約束!?」 群青「おかげで十分な氣は練れた。」 |
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139:窮地〔6歳:LEVEL2〕 | |
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ちゃっかり氣なんぞ練っていやがった群青錬邪。なんとも大ピンチだ。 一応まだ準備中のようなのだが、どんな技だかわからんだけに迂闊には動けない。 群青「さぁ、もうじき出来上がるぜ?必殺、「群青大氣砲」がなぁ!!」 勇者「(くっ、なんてデカい氣だ…!これじゃ逃げようも防ぎようも……無い!!) 〜その頃、別の穴で黄錬邪の手作り弁当を食べていた親父は…〜 父「ッ!!!」 黄錬邪「ど、どうかしましたかレッド!?」 父「い、いや、ちょっとイヤな予感が…な…。(なんてこった!死ぬほどマズイ!)」 黄錬邪「そうですか、気になりますね…。」 父「あ、ああ…だから食事はこの辺で切り上げないと危険だ!(私が!)」 黄錬邪「そうですね!じゃあ食べながら助けに向かいましょう!」 父「え゛っ!?あ゛っ…よ、よーし!父さん今いくぞ勇者ー!!(あの世に…)」 |
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140:流星〔6歳:LEVEL2〕 | |
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次第に完成に近づいていく群青錬邪の必殺技。だが打開策は未だ思いつかない。 群青「ぬぉおおおおおあああああああっ!!」 勇者「や…ヤバいぞ!空気的にもうじき発射のお時間だ!」 姫「やっぱり夏は花火だよね。 ターマちゃーん!」 盗子「花火なんかじゃないってば!」 勇者「それに「タマちゃん」じゃなくて「たまや」だし、そもそも今は秋だ!」 法足「…やれやれ。ぼちぼち拙者の出番でござるかな?」 盗子「えっ、生きてたのアンタ!?どうやって!?」 法足「フフッ。拙者もハッタリだけで生き抜いてきたわけではないでござる。」 盗子「そ、そっか!そうだよね!」 法足「うまくいったでござるよ、「忍法:死んだフリ」。」 盗子「そんなのだけは使えるのかよ!」 勇者「う〜む…よし!やはり放つ前に殺るぞ!どのみち動かねば勝機は無い!」 法足「ならば拙者に任せるでござる! 究極奥義、「忍法:天翔る大流星群」!!」 盗子「絶対嘘だー!そんな壮大な名前、絶対ハッタリだよぉー!」 チュドーーーン!!(激突) 群青「グエッ!」 盗子「まっ、マジで!?」 |
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盗子「まさか、ホント…に?」 法足「ハッタリでござる!えっへん!」 盗子「威張って言うセリフじゃないよ!」 勇者「な、なんだコリャ? 宇宙…船?」 ?「ゲホッ、ゴホッ! うへー!死ぬかと思ったー!!」 暗殺美「えっ!ああああアンタは…!!」 勇者「お前…生きていたのか!!」 ?「あっ!勇者君!?みんなー!会いたかったよー!!」 勇者「カルロス!!」 賢二「賢二だよ!!」 |
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141:背後〔6歳:LEVEL2〕 | |
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凄まじく都合のいいタイミングで降ってきた賢二。生意気にもファインプレーだ。 勇者「い、生きてたのか賢二!よかったよ!」 賢二「…どうせ「どうでもよかった」とか言うんでしょ?僕にはわかっ…」 勇者「死んでりゃよかった。」 賢二「いくらなんでも酷すぎだよ!」 群青「ぐっ、うぐぐぅ…貴様…ら…グハッ!」 勇者「む?まだ生きてやがったのかこの平面ガエルめ。 ならば、とっととトドメを…」 ?「おっと、それ以上動くと首が落ちるよ?」 勇者「ッ!!?」 |
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勇者「き、貴様…いつの間に…後ろに…!?」 姫「いま流行りの背後霊ゴッコだね。」 勇者「ひ、姫ちゃん…今はそんな悠長な…」 桃錬邪「次の鬼はアンタね。」 盗子「乗っかるのかよ!アンタはノリノリ…てゆーかまさかホントに流行ってる!?」 桃錬邪「フフッ、アタシは群青ほど余裕無くはないんでね。冗談くらいは言うさ。」 父〔岩陰〕(フゥ、やっと着い…むっ、あれは桃錬邪!?いかん!勇者が危ない!) 勇者「…殺せ。」 盗子「ゆ、勇者!?」 賢二「そんな…!」 勇者「その二人を。」 盗&賢「自分は!?」 桃錬邪「あ〜、残念ながら期待には添えないね。 この場は群青を連れて退くよ。」 勇者「なに?なぜこんなチャンスをみすみす…」 桃錬邪「別に深い意味は無いさ。ただ初代レッドが来ると…チョイと厄介なんでね。」 勇者「む?なんだ貴様、まさかあんな奴を恐れているのか?」 父「(よーし、登場チャーンス!)おっと、悪いがもうここに…」 桃錬邪「いや、ウザいから。」 |
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142:撤収〔6歳:LEVEL2〕 | |
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絶好の攻撃チャンスを捨て、敢えて逃げるという桃錬邪。 恐るべし親父のウザさ。 そういやさっきその親父の声が聞こえた気がしたが、見当あたらんので気にしない。 桃錬邪「というわけでアタシらは帰るとするよ。 じゃあねボウヤ達。」 群青「お、覚えていやが…れ…!!」 勇者「バカが逃がすか!首からナイフが外れればこっちのもんだ!」 桃錬邪「まぁ焦るなよ、時期がくればまた会うことになるさ。 いずれ…ね…。」 勇者「なっ!待ちやが…」 プッシュウウウウウッ…!(煙幕) 勇者「チッ、煙幕か…!」 暗殺美「五錬邪…なかなか手強い奴らだったさ…。」 法足「でござったな…。」 勇者「フンッ、いつでも来るがいいさ。 次こそはこの俺がブッた斬ってくれる!!」 盗子「勇者…☆」 スゥウウウウゥゥゥ…(晴れていく煙) 桃錬邪「あ゛。」 一同「まだいたんかい!!」 |
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143:昇格〔6歳:LEVEL2〕 | |
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肝心な去り際をしくじり、心なしか恥ずかしそうに去っていった桃錬邪。 結局倒すことはできなかったが、まぁこの戦力で追い返せただけでも良しとしよう。 一同「今回はちょっと…ヤバかった…。」 |
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144:三種〔6歳:LEVEL3〕 | |
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遠足も終わり、今度は体育祭がやってくる。 俺達の中で秋は最も忙しい季節だ。 教師「えー。今年の種目は、「借り物競争」「対抗リレー」「タマ入れ」の三つです。」 勇者「む?なんだ、今年は三競技しかないのか?やけに少ないな。」 盗子「多分、三つ以上やると犠牲者数がヤバいからだろうね…。」 教師「まぁ、ただ多ければいいというものじゃないですよ。要は質ですから。」 賢二「質ですか…。具体的にはどういうことなんでしょうか?」 教師「まず「借り物競争」競技者は、リアリティを追求して家や命を抵当に。」 盗子「一体何を借りる気だよ!?てゆーか競技後にすぐ返すってば!」 教師「また「対抗リレー」では、規定時間内に渡さないとバトンが爆発します。」 勇者「爆弾持ったチームメイトに追われるのか…。もはや誰が敵だかわからんな。」 姫「鬼ゴッコだね。頑張って逃げなきゃだね。」 賢二「この場合は逃げる方がある意味「鬼」だよね、味方見殺しだし…。」 教師「そして「タマ入れ」は、カゴの代わりに代表者を掲げ、銃弾をブチ込みます。」 盗子「そっちのタマかよ!物騒なのにも程があるよ!」 勇者「同情するよ、代表者。(賢二の肩に手を置きながら)」 賢二「やっぱり僕なんだね…。」 教師「どうですか?いい質でしょ?」 勇者「いや、「悪質」だよ。」 |
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145:開会〔6歳:LEVEL3〕 | |
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そして始まった体育祭。 ぼちぼち一度くらい優勝しておきたいものだ。 まずはとりあえず、去年苦しんだ開会式を乗り越えなければならない。頑張ろう。 司会「プログラム1、「校長先生のお話」。」 勇者「さて、今年は一体何日粘るのやら。去年は三日だったしなぁ…。」 盗子「まさか…四日とか?」 校長「ガンバレ!」 司会「続きましてー…」 勇&盗「四文字!?」 司会「「選手宣誓」。生徒代表、六号生武史君。」 勇者「武史か…。なんかろくなこと言いそうにないのが見て取れるようだ。」 盗子「そ、そんなことないよ!お兄ちゃんだってきっと、ヤル時はヤル男だよ!」 武史「宣誓!我々選手一同は!」 盗子「ホラ!普通じゃん!(よかったー!)」 武史「スポーツマンシップに乗っ取ったり、乗っ取らなかったり!」 盗子「曖昧かよ!そこは素直に乗っ取れよ!」 武史「時として、豪華客船を乗っ取ったり!」 盗子「それはダメだってば!人の物は盗っちゃダメだよ!」 勇者「フン、「盗賊」が何を言うか。」 盗子「くっ…!」 武史「正々堂々! 盗子を守ることを…」 盗子「誓うな!!」 賢二「こんな痛いお兄さんがいたんだね、盗子さん…。」 盗子「うぐっ…。」 司会「では次は、「ラジオ体操」です。」 チャーン♪チャーラララララ♪チャーン♪チャーラララララ♪(前奏) 放送「腕をー、前から上に上げさせて「動くなテメェら!動くと撃つぞコラ!」からー。」 生徒「え!?あっ…う、動くなテメェら!動くと撃つぞコラ!」 放送「手足を撃つぞー!いち、に、さん、死ぬ?にぃ、に、さん、死ね!」 |
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146:借物〔6歳:LEVEL3〕 | |
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ラジオ体操には時間を食ったが、今年は一応無事に開会式は突破できた。 第一競技は「借り物競争」。 一見簡単そうに見えるが、恐らく一筋縄にはいくまい。 勇者「俺の借り物は…む?なんだコリャ? う〜む…よし、親父に頼もう!」 父「おぉ、父さんに用か! じゃあ借り物は「尊敬する人」か?「ナイスガイ」か?」 勇者「安心しろ、死にはしまい。」 父「…え゛?」 |
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〔Case:盗子〕 盗子「えっと、借り物は何かなぁ〜?」 『ギロチン』 盗子「誰が持ってんだよ!!」 |
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〔Case:芋子〕 芋子「ワタイの借り物は…あ!これはワタイ、既に持ってるわ。このまま行こっと。」 『華』 芋子「ワタイほど華のある皇女はいないわ。」 |
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〔Case:暗殺美〕 暗殺美「ったく、めんどいさ。 さて借り物は…」 『大好きな人』 暗殺美「いやぁ〜ん☆ムリムリ絶対ムリィ〜☆」 |
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〔Case:武史〕 武史「どれどれ、俺のは何…」 『豪華客船』 武史「そんなっ!」 |
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〔Case:賢二〕 賢二「なんか嫌な予感しかしないんだけど…。」 『探さないで下さい。』 賢二「僕に…どうしろと…。」 |
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147:見殺〔6歳:LEVEL3〕 | |
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借り物競争は予想通り一筋縄にはいかず、得点は低次元での大混戦となった。 そして次は「対抗リレー」。この競技の敵は、他の組ではなく「バトン」となるだろう。 父「ゆ、勇者…いくら要らん臓器とはいえ、校庭で盲腸の無麻酔摘出はどうかと…」 勇者「まぁいいじゃないか。おかげで全校で唯一、俺にだけ得点が入ったんだ。」 盗子「あ、あのさ…とりあえず勇者親父、早く縫合しないと死ぬと思うよ?」 父「うわぉ!まだ開いとる!!」 勇者「…さて、次の「対抗リレー」は各組四人選抜だが…誰を選ぶべきだろうな。」 賢二「うーん。足が速い人じゃないと、バトンつなぐ前に爆破だしねぇ…。」 少年「足の速さなら、この「飛脚」の「韋駄郎(いだろう)」に任せてくれ!」 勇者「うむ!じゃあ順番は、1:盗子、2:韋駄郎、3:俺、4:賢二で決まりだな!」 盗&賢「決まりなの!?」」 勇者「この場で死ぬか?」 盗&賢「決まりだよね!!」 教師「じゃあ、位置についてー! よーい…! チュドーーン!!(バズーカ砲)」 少年達「うっぎゃあああ!!」 賢二「えぇぇっ!?当てた!?なんで狙ったの今!?」 勇者「今ので3チームは消えたな…。」 盗子「ひょえぇええ!!し、死にたくないよぉーー!!」 |
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勇者「おぉ、さすがは盗っ人。やはり逃げ足は速いな。」 盗子「バトーン!早くバトン受け取ってぇー!!」 韋駄郎「よし、ナイスタッチ! 行くぜ!うぉおおおおおおおっ!!」 |
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賢二「速っ!これなら他のチームに抜かれる心配はまず無いよ!」 盗子「あ、あとは…ぜぇ、ぜぇ、時間との勝負…だね…。」 勇者「いいぞ!よくやった韋駄郎!さぁ、タッチだ!!」 韋駄郎「うん!後は任せ…え゛っ!?」 |
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148:急変〔6歳:LEVEL3〕 | |
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韋駄郎の奴が弾け飛んだおかげで、リレーの一位は六号生に獲られてしまった。 というわけで、優勝するためには次の「タマ入れ」を獲る必要性が出てきたわけだ。 武史「ハッハッハ!やはり残ったか三号生…さすがは盗子のクラスだぜ!」 勇者「確かに盗子も少しは頑張った。だが、今から大活躍するのはこの賢二だ!」 賢二「さよなら現世…。」 武史「なるほど、そいつがお前らの「標的」か。ウチのは標的は余一だぜ?」 勇者「おぉ、そりゃ何の惜しみも無いな。」 賢二「六号生にも、なんか僕と似たような扱いの人がいるんだね…。」 盗子「あ〜、確か「闘癌士」とかいう妙な職業の奴で…」 余一「最近は「肺ガン」とも闘っている。」 盗子「体育祭出てる場合なの!?」 武史「よし、勝負だ勇者!お前には負けねーぞ! 盗子は絶対に渡さない!!」 勇者「フッ、悪いがこっちも渡す気は無い。俺にとってもコイツは大事な…」 盗子「えぇっ!?ゆ、勇者、それって…それって…☆」 勇者「大事な標的だし。」 盗子「いつアタシになったの!?」 |
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149:脅迫〔6歳:LEVEL3〕 | |
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急遽「標的」を盗子に変更してみた俺。 これで武史を脅せば間違いなく不戦勝だ。 勇者「さぁ棄権しろよ武史。さもないと、大事な妹がハチの巣になるぞ?」 武史「なっ!?」 姫「ハチミツ…」 盗子「獲れないから!!」 余一「僕らのことは気にせず、棄権すべきだ。 命って、大事だから…。」 勇者「お前が言うと、重いんだか軽いんだかわからんセリフだな。」 盗子「お、お兄ちゃん…。」 武史「くっ、仕方ない。愛する盗子のためだ…。」 勇者「ハッキリ言え。でないと伝わらんぞ?」 武史「き、棄権するよ…。」 勇者「よっしゃー!!」 |
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教師「閉会式は五日間です。」 一同「そんなっ!!」 |
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150:奪還〔6歳:LEVEL3〕 | |
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まさかのリタイアにより、体育祭の優勝はチャラになってしまった。やれやれだ。 そして季節は冬。本来ならば「地獄の雪山登山」の季節のはずなのだが…。 教師「残念ながら、今年の雪山登山は諸事情により中止になりました。」 生徒「ぃやっほーーい!!」 姫「カキ氷…。」 賢二「姫さん、そもそも雪はカキ氷との素材じゃないよ…。」 教師「実は今年の夏、我が校の「極秘書庫」から一冊の本が盗まれました。」 勇者「む? あ〜、まぁあのセキュリティじゃ盗まれても仕方ないだろうな。」 教師「いえ、本来あそこは強力な「式神」によって守られている場所なんですよ。」 盗子「えっ?でもアタシらが行った時には図書委員しかいなかったよ?」 勇者「つまり、俺らが入ったのはちょうど犯行直後だったっつーわけだな?」 賢二「つまり、その強力な式神を倒して本を奪った人が…今回の敵…と?」 盗子「つまり、雪山登山を無くす代わりに、その本の奪還作業にあたれ…と?」 姫「つまり、カキ氷はおあずけってこと?」 教師「そうです、カキ氷はおあずけです。」 盗子「そこだけ答えるの!?」 教師「奪還すべき本の名は…「拷問大全集」です。」 |
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