私が旅をする。
大まかに言えばそんな内容かな。
順を追って読まないと謎は深まるばかり。

 

一言
4話更新。
 

 

2-16:蛙子〔8歳:LEVEL7〕
どういうわけか、いきなり現れた謎の女に拉致られちゃった私。
なんか遺伝子レベルで危険をビシバシ感じるし…多分この人、相当ヤバい。
〜ナシ大陸:ゴリオ島〜
勇姫「だけども私は屈しない!アンタを倒して、自由を掴み取ってやる!」
麗華「やれやれ、やはり蛙の子は蛙か…仕方ない。」
勇姫「さぁ!やっちゃえポチ!!」
逃飛「ってなぜに僕が!?」
麗華「どこまで蛙の子なんだお前は。なぜ親子揃って「勇者」の王道を歩まない?」
勇姫「手段は問わない!勝てれば良し!最後に立ってた者が、「正義」なんだよ!」
麗華「ふぅ、憐れな井の中の蛙よ…ならば今ここで、大海を知るがいい。」
辺りは「血の海」と化した。

 

2-17:強気〔8歳:LEVEL7〕
ありえない勢いでボッコボコにされて、目が覚めたのは3日後だった。
悔しいけど、今の私じゃ正面からは倒せない相手みたい。
勇姫「仕方ないからしばらく従うフリして、後で寝首を掻こうと思う。」
逃飛「いや勇姫ちゃん、心の声ダダ漏れだけど大丈夫…?」
麗華「問題無い。”アレ”の娘だ、そのくらいは考えていると容易に想像がつく。」
勇姫「てゆーか、さっきから私のパパさん知ってる風だけど、何者なのさアンタ!?」
麗華「ワシか?ワシはかつて、貴様の父の剣の師だった正義の剣士…」
勇姫「…という皮を被った?」
麗華「「悪魔」をご所望か?」
勇姫「フン、上等だよ!かかっていきなポチ!」
逃飛「だからなぜ僕が!?」
懲りないのも父譲りだった。

 

2-18:真相〔8歳:LEVEL7〕
聞けば、謎の女の人は私の父親の師匠だったとか違うとか。
どうにも胡散臭いけど、まずは敵を知ることが重要…てなわけで色々と聞いてみた。
逃飛「なるほど。つまり、死の呪いを受けた直後…氷の大地で瞬間冷凍されたと?」
麗華「うむ。おかげで幸運にも、肉体の方は仮死状態で済んだようだ。」
勇姫「なるほど。つまり、時を経て呪いを解いて蘇り、再びこの世を闇に沈めんと…」
麗華「人を「魔王」のように言うのはやめなさい。」
勇姫「でもそうなると…見たところポチと同年代だけど、実は結構いっ」
麗華「そうか「逝ってくる」か…。」
勇姫「今のは無いと思うよ?」
逃飛「やっぱり僕なの!?」
寝返りは母譲りだった。

 

2-19:家系〔8歳:LEVEL7〕
事情を聞くと、なんでも麗華は冷凍と解凍で時を越えたんだとか。
麗華「そうか、新星歴 563年…あれからもう、14年も経つのか。」
勇姫「なるほど…つまりアンタは、どう若く見積もっても三十代中盤だぶふっ!
逃飛「と、ところでずっと眠っていたはずの麗華さんが、なぜ勇姫ちゃんのことを?」
麗華「あぁ、大まかな事情は目覚めた時に聞いたのだよ。「呪術師」の女からな。」
勇姫「じゅじゅちゅ師…?じゅ、じゅ、つ…じゅじゅちゅ師…くっ!」
逃飛「いや、伝わってるから無理しなくてもいいよ…?」
麗華「にしても、まったく業の深い一族だな。いつの世も必ず災いの中心にいる。」
勇姫「フンだ!どうせ父は「勇者」にして「魔王」扱いだとか言いたいんでしょ!?」
麗華「祖母は本職だったがな。」
勇姫「なんですって!?」
逃飛は妙に納得できた。