雑談

 

デビュー
赤池「俺、デビューするわ。」
植田「ん?どうした、今日はいつにも増して唐突じゃないか。」
赤池「有名になりたい。だから俺、デビューすることにしたよ。」
植田「ん〜〜〜…OKわかった。とりあえず何のデビューかを聞いてみようかな。」
赤池「そうだな〜、まぁまずはハリウッドかな。」
植田「「まずは」のハードルが尋常じゃないじゃないか。階段は一歩一歩のぼれよ。」
赤池「じゃあ公園デビュー。」
植田「一瞬で卑屈になるなよ。お前はどこの犬だ。」
赤池「あ、歌手!歌手ならどうだ?結構簡単そうじゃん。」
植田「何をもって簡単と言ってるのかよくわからないんだが…。」
赤池「フッ、まぁ見てろって。すぐに入団してやるからさ、インディーズ。」
植田「いや、インディーズは球団的なものじゃないから。」
赤池「最初は二人組で売り出したいな。一人じゃ不安だし。」
植田「確かにお前一人じゃ不安だな。見てる方がハラハラするよ。」
赤池「組むならとりあえず男女のペアで、名前は…うん、「akaikeAT」。」
植田「思いっきりどっかの歌手のパクリじゃないか。それに「AT」って何だ?」
赤池「オートマ限定。」
植田「誰もお前の運転技術に興味は無いと思うが。」
赤池「そして早速ブレイク。出す曲出す曲が立て続けにヒット&アウェイ。」
植田「アウェイはダメだろ。そもそも別の業界の用語だぞそれ。」
赤池「そう、俺はヒットマン。」
植田「殺し屋になっちゃってるじゃないか。」
赤池「で、何枚目かのCDはあの有名な「およげたいやきくん」を抜く。」
植田「いや、いくらなんでも450万枚以上はありえないだろ、今のご時勢じゃ。」
赤池「脅威の遠泳。」
植田「距離で抜くな。抜く抜かないの判断基準が難しいぞ。」
赤池「もちろんファンにはモテモテね。」
植田「まぁ売れればそうだろうな。街とか普通に歩けないぞきっと。」
赤池「街を歩けば棒に当たる。」
植田「だからお前はどこの犬だよ。」
赤池「んで、有名アイドルとの熱愛が発覚。」
植田「おっ、いいなぁそれ。芸能界の醍醐味ってやつだな。」
赤池「でもうっかり、デート現場を篠山紀信に激写されちゃう。」
植田「クォリティ求めすぎだろ。そういう写真は素人カメラマンでも十分だ。」
赤池「しかし人気絶頂の中、突然のコンビ解散。」
植田「絶頂で?理由はやっぱり「音楽性の違い」あたりか?」
赤池「性別の違い。」
植田「結成前に気づけよ。」
赤池「そしてソロ活動。これまた出す曲出す曲大ヒット&ホームラン。」
植田「お前はまず「ヒット」の意味から勉強しようか。」
赤池「そして人気絶頂の中、突然の引退。」
植田「また絶頂で?理由は何なんだ?」
赤池「声変わり。」
植田「第何次性徴だ。それとも老化が影響するほど高音の歌手って設定?」
赤池「いや、ボイパ。」
植田「ボイスパーカッションでソロデビューかよ。それで大ヒットはキツいだろ。」
赤池「それをなんとかするのがお前の役目だろ?」
植田「いつから俺がプロデューサーって設定になったんだ。」
赤池「今からだ!」
植田「はぁ……よーしわかった。こうなったらとことん付き合ってやるよ。」
赤池「マジで!?マジでプロデュースしてくれる!?俺デビューできる!?」
植田「おぅ任せときな。とりあえずダッシュで行って来い。」
赤池「え、どこに?」

植田「公園。」
赤池「ワン!」