雑談

 

バレンタイン
赤池「ついに…ついに来ちゃったな、バレンタイン…。」
植田「ん?あぁ、そうだな。大半の野郎どもに不評なイベントがな。」
赤池「人造人間バレンタイン。」
植田「フランケンシュタインみたく言うなよ。まぁどっちも人の名前ではあるが。」
赤池「あ!それなら俺も知ってるぜ!サンドイッチはサンドイッチ伯爵が博打の時…」
植田「バレンタインはどうした。人名繋がりで横道にそれるな。」
赤池「でもさ、なんでバレンタインデーにはチョコ渡すんだろ?」
植田「ん?あぁ、海外じゃ他にも色々あるらしいな。チョコ一色てのは日本だけらしいぜ。まぁチョコメーカーの戦略ってやつだろうな。」
赤池「あ!それなら俺も知ってるぜ!サンタの服が赤いのはコカ・コーラ社が…」
植田「今度は戦略繋がりか。とりあえずお前は会話を繋げる努力をしようか。」
赤池「そういやさ、なんでバレンタインに女からプレゼントもらえるんだっけ?」
植田「んー、話すと長くなるから割愛するが、なんやかんやで恋愛の記念日みたくなってんだよ。ちなみに海外では「女から」とは決まってないらしいよ。」
赤池「マジで?じゃあ海外のホワイトデーは?」
植田「日本で生まれた文化らしい。今じゃ韓国や台湾にも伝わってるらしいけどさ。」
赤池「2月、3月…もしかしてさ、4月14日にもなんかあったりするのかな?」
植田「あるらしい。「オレンジデー」とかいう、更に二人の愛を深める的な記念日が。」
赤池「なんだよそれ!?なんで愛し合う二人がオレンジを投げつけ合うんだ!?」
植田「それは俺が聞きたいよ。誰が投げ合うと言った。スペインのトマト祭りか。」
赤池「ちなみにホワイトデーにはホワイトをかけ合う。」
植田「かけ合うな。何をもってホワイトかは念のため聞かないでおくが。」
赤池「なんかやるせない世の中だな…。独り者の日とか無いのかよ…。」
植田「それがさ、韓国では4月14日は「ブラックデー」とかいって、バレンタインとかに縁が無かった奴らがなんか黒いものを食うらしい。」
赤池「おぉ!いいな韓国!ビバ韓国じゃんそれ!」
植田「いや、でもそれどう考えても楽しい日じゃないだろ。」
赤池「じゃ、じゃあさ、5月は!?5月もなんかあるのか!?」
植田「んー、あるようなことも聞いた気がするけど俺は知んないわ。」
赤池「よし、じゃあ俺が作る!」
植田「一体なにが「よし」なのかは置いといて仕方なく乗ってやろう。何デーだ?」
赤池「ん〜、そうだな〜…。」
植田「一応4月14日はオレンジデーってことにして考えようぜ。」
赤池「捨てないデー。」
植田「何があったんだ。一ヶ月間で二人に一体何が。」
赤池「捨てないデーには、捨てられた方が相手にレシートを渡す。」
植田「一瞬で捨てられるじゃないか。捨てられるものの象徴じゃないかレシートって。しかも何のレシートだよ。」
赤池「自分が相手にあげたもの。」
植田「更に嫌われるじゃないか。逆ジッタリンジンかよ。」
赤池「うわっ、古いとこ持ってきたなぁジッタリンジン。お前は何歳だ。」
植田「お前に突っ込むには幅広いネタが必要なんだよ。俺も苦労してんだぞ。」
赤池「でもさぁ、話は変わるけど義理チョコって要らなくね?」
植田「ん?あ〜確かにな。返す手間がかかる分、むしろ迷惑と言ってもいいな。」
赤池「でもかといって、手作りチョコってのも嫌いなんだよね〜俺。」
植田「なんで?なんか嫌な思い出でもあるのか?」
赤池「だってさ、手作りとか言うけど全然手作りじゃないじゃん。」
植田「あ、お前アレだろ?「手作りって言うならカカオから作れ!」とか言う派だろ?」
赤池「鍋を使うのは反則だよなぁ?」
植田「その工程は素手じゃ無理だろ。」
赤池「いや〜、それくらいやってくれないと熱い想いは伝わらない。」
植田「だからといって熱い思いをさせる必要も無いだろ。」
赤池「とろけるような…甘い恋。いいな〜。」
植田「まぁ確かにとろけるだろうなぁ。いや、相手の手の話だが。」
赤池「というわけで、俺は義理チョコと手作りチョコは反対なわけよ。」
植田「ふ〜ん。でもまぁ安心しろ、お前には縁の無い話だ。どうせ今年もゼロだろ?」
赤池「なっ!失礼なこと言うな!ちゃんと妹にもらったよ!」
植田「あぁ、静香ちゃんに?でも妹じゃ義理じゃん。それはいいのか?」
赤池「義理じゃない!ちゃんと血は繋がってるよこの義妹萌えめ!」
植田「勝手に人に変な属性を付けるな。そういう意味の義理じゃない。」
赤池「アイツのはちゃんと愛だよ愛。家族愛って言葉知ってるか?」
植田「ん〜、まぁそうかもなぁ。いいなぁ兄妹仲良くて。」
赤池「だろ?もう可愛くって可愛くって。特に不器用なトコとかさぁ。」
植田「へぇ〜。例えばどんな?」
赤池「チョコは毎年必ず、真ん中がギザギザに割れてんだ。」
植田「お、お前はある意味器用なのかもしれないな。自分に都合が良すぎる。」
赤池「あ、そういやさ、母ちゃんにももらったんだよ!」
植田「おぉ!前のは許してもらえたのか?良かったじゃん!どんなのもらったんだ?」
赤池「不二家の。」
植田「深い意味が無いといいな…。」
赤池「というわけで、俺は2個!一捨二入したら10だぞ参ったか!」
植田「なんて強引な計算なんだ。なんか違った意味で参ったよ。」
赤池「ったく、しょうがないなぁ。俺の一つやるよ。親友だもんな俺達。」
植田「あ〜…いや、いいや。俺、甘いもの苦手だから。」
赤池「オイオイ、痩せ我慢するなよ。ちょっとくらい太った方が人生幸せだぜ?」
植田「ちょっと待て、「痩せ我慢」はそういう意味じゃないぞ。」
赤池「ホラホラ!食えよホラ!やーるーかーらー!」
植田「くっ…!だからいらないって言ってるだろ!もうそんなに食えな…あっ!」
赤池「え…?そんなにって…もしかしてお前、何個かもらってたのか…?」
植田「あーー…いや、ちょっとだけどな。」
赤池「いくつだよ!?言えよ!千捨千一入したらいくつだ!」
植田「ゼロだよ!他の答えを出せるアイドルは知り合いにはいないぞ!?」
赤池「じゃあ…2個よりは上…か?」
植田「…ああ。悪いな、お前のはしゃぎっぷりを見てたら言いづらくてな。」
赤池「な、なんだよ!なんだよチクショウ!このモテモテ君め!」
植田「怒るなよ〜。謝るのもなんか変だとは思いつつも謝るからさぁ。」
赤池「モーテモーテーくモーテモーテーくモーテモーテーく〜ん!」
植田「一人で輪唱するなよ聞き苦しいから…。しかもパクリだし。」
赤池「うるさいうるさーい!もーいい!お前なんか嫌いだ!絶交だ!」
植田「あ、赤池…。」
赤池「いいな!もう今後一切俺に話しかけるなよ!モテモテ病がうつる!」
植田「いや、それはうつって困る病気じゃないような…」
赤池「じゃあな!もう会うこともないだろうよ!」
植田「・・・・・・・・。」
赤池「フンッ!」
植田「…ああ、じゃあな。」
赤池「えっ!?」
植田「今まで楽しかった。ありがとな。じゃ。」
赤池「え、あ…ちょ、ちょっと待てよ!そこはもっと食いついてこいよ!」
植田「断る。怒られる必要の無い状況であれだけ言われりゃさすがの俺もキレる。」
赤池「うっ…うぅ…ご、ごめん!ごめん俺が悪かった!ちょっと妬けちゃってさぁ!」
植田「もういい。とりあえず、しばらく会いたくない。」
赤池「そ、そんな…!」
植田「許す気になったら連絡するよ。それまでは連絡しないでくれ。」
赤池「なんだよそれ!?そんなのワケわかんねーよ!」
植田「もう言うことは無い。じゃあな。」
赤池「い…いつだよ!じゃあいつ連絡くれるんだよ!?」


植田「5月14日。」
赤池「す、捨てないデ〜…。」