男と女

 

爆弾魔
バタン!(扉)
女「え、な、なんですかアナタ!?人の家にいきなり…!」
男「騒ぐな殺すぞ。俺は…俺は、爆弾魔だ。」
女「ば…爆弾魔!?」
男「そう、人呼んで遠藤狂介だ。」
女「えっ、本名!?勢い余って本名まで名乗っちゃった!?」
男「へ…? わっ、違う!ゴメン、今のカットで!TAKE2で!!」
女「いや、言い直したところでもう…。」
男「お願い!マジお願い!こういうのは最初が肝心なんだってば!」
女「ま、まぁいいですけど…。」
男「俺は遠藤狂介。人呼んで爆弾魔だ。」
女「いやいや!順番変えただけじゃん!大して変わんないよ!?」
男「フッ、さすがは俺が選んだ女だ。その鋭さ…敵として申し訳ない!」
女「謝るのかよ!「申し分ない」じゃないの!?」
男「というわけで、お前の大学に爆弾を仕掛けた。」
女「どういうわけで!?てゆーか爆弾って…マジで!?危ないじゃん!」
男「だから申し訳ない!」
女「ここで謝るのかよ!なら最初からやんないでよ!」
男「さぁどうする?俺との勝負に勝ち、爆弾を止める勇者となるか?」
女「しょ、勝負!?なんでそういう流れになっちゃうの!?」
男「解体されるかされないか…それこそが爆弾魔の醍醐味!」
女「漫画や映画の見すぎでは!?」
男「いいから早く決めるんだ。まぁ、ノーと言った時点でドカンだがな。」
女「くっ、私がやるしかないようですね…。 ちなみにその勝負方法って?」
男「今年の紅白、どっちが勝つと思う?」
女「長っ!スパン長すぎだよそれ!全国の大学調べる時間あるんじゃない!?」
男「い、いいんだよそれで!さぁどっちだ!?選べ!!」
女「9ヶ月も先…。なんか、全く緊迫感が…。」
男「もし俺が勝ったら、その瞬間に校舎を爆破するぞ!みんなバラバラだ!」
女「いや、その瞬間って…学生はみんな実家にいるんじゃない?」
男「ハッ!!…い、いいんだよ!いいから早く選べよ!!」
女「う〜ん…じゃあ、白…で。」
男「フッ、白…か。いいだろう!ならば俺は赤だっ!」

女「ハイ、じゃあ赤のバラでよろしいですね?本数は?」
男「あ、適当に花束にしといて。後で取りに来るから。」
女「かしこまりましたー。今日はデートです?」
男「エヘヘ、わかる? んじゃまた後で。じゃあね〜。」
女「ありがとうございましたー。」

バタン(扉)

女「店長…絶対フラれますよね、あの人。」
店長「だよな…。」