男と女

 

危機
バタン!(扉)
男「ハァ、ハァ…!」
女「え、な、なんなのさアンタ!?人の家にいきなり…!」
男「す、すまない。追われてるんだ、少しの間かくまってもらいたい。」
女「はぁ!?無理だよ困るから!警察呼ぶよ!?」
男「少しでいいんだ、かしこまってくれ!」
女「無理でございます!警察呼びますわよ!?」
男「絶対キミに迷惑はかけない。お願いだ。」
女「はぁ…わかったよ。どのくらいかくまえばいいの?」
男「桜の花が咲くまで。」
女「まだ秋だよ!?いつまで居座る気だよ!しかも女の子の家に!」
男「大丈夫、ご両親にはちゃんと挨拶する。」
女「迷惑だよ!逆に全然大丈夫じゃないよ!」
男「シッ!奴らに気づかれる、静かにした方がいい。」
女「奴らって…アンタ一体何やらかしたの?」
男「言ったらキミに迷惑がかかる。俺は大統領を狙う暗殺者なんだ。」
女「言っちゃった!?迷惑かかるとわかっていながら言っちゃった!?」
男「う゛っ…!」
女「えっ、どうしたの!?まさかどっか撃たれてるとか…!?」
男「腹が減った。」
女「紛らわしいよ!ちょっとは会話の流れを考えてよ!」
男「ナポリタン。シーザーサラダと…食後にコーヒーを。」
女「どんだけあつかましいんだよ!遠慮ってものを知らないの!?」
男「頼む。空腹じゃ奴らとは戦えないんだ。」
女「はぁ…わかったよもー。準備するからちょっと待ってて。」

〜30分後〜

男「うまかった、ありがとう。」
女「もう行くの?大丈夫?」
男「ああ、やはりこれ以上、キミに迷惑をかけるわけにはいかないしな。」
女「そう…。」

男「そろそろ帰るわ。いくら?」
女「1300円になります。」
男「じゃあコレで。また来るよ。」
女「ありがとうございましたー。」

バタン(扉)

女「店長…やっぱ疲れますよ、この「大ピンチ喫茶」。」
店長「だよな…。」