こちら相原総合病院

 

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患者「うぅ…う〜ん…。」
看護婦「相原先生!患者さんが意識を取り戻しました!」
患者「こ、ここは…?」
医師「よしわかった。温かいのを用意しよう。」
患者「いや、ココアじゃなくて…。」
医師「なに?仕方ない。田中君、メニューを!」
患者「いやいや、だからそういう意味じゃなくて…。」
看護婦「ここは病院ですよ。交通事故に遭ったんです。覚えてませんか?」
患者「そうだったんですか…。」
医師「大丈夫ですよ。命に別状はありませんから。」
患者「よかった…。ありがとうございます。」
医師「ただ…。」
患者「えっ、ただ…なんですか?」

医師「残念ながら、その潰れた顔だけは元に戻せませんでした。」
患者「先生、そんな使い古されたギャグはいらない。」
カルテに「先天性ブサイク」と書き加えた相原先生。

 

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ナースコールをマイク代わりに突如漫才を始める、困った患者川口さん。


ツッコミ担当相原先生。(でもひたすら突っ込まない)
 

 

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患者「私イヤ!胸を切り取るなんてイヤよ!」
医師「佐々岡さん、そんなに取り乱さないで…。」
患者「絶対イヤ!そんなことするくらいなら死んだ方がマシよ!」
医師「佐々岡さん!」
患者「お願い…。なんとかしてよ相原先生…。ううう。」

医師「大丈夫。大して今と変わりませんよ。」
患者「…な゛。」
医師「ぴょこん、ぺたん、ぺったんこ☆」
患者「・・・・・・・・。」
医師「・・・・・・・・。」

医師「殿様ガエ…」
患者「続けるんかい!」
夜通し歌い続けた相原先生。

 

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患者「相原先生…。あ、あのね…。」
医師「ん?どうしたんだい亜矢ちゃん。」
患者「私…また病気になっちゃったみたい。」
医師「…どこか痛いのかい?」
患者「うん。胸が苦しいの。」
医師「それは大変だ。早速検査しようね。」
患者「ううん。いいの。」
医師「いいわけないじゃないか!」
患者「そうじゃなくて、これはその…。」
医師「その…なんだね?」
患者「これは、お医者様でも治せない病気なの。アハッ☆」
医師「…なっ!」
患者「あ…あのね、私、ずっと前から…」

医師「そうか。気づいてしまったのか…。」
患者「…え゛?」
医師「思ったよりも悪いようだな。それ程までに自覚症状が…。」
患者「い、いや、あの…そうじゃなくて…。」
医師「あと半年はもつと思ってたんだが…。」
患者「私は先生のことが…って意味で…。」

医師「今度生まれ変わってくる時は、もっとマシな顔だといいね☆」
患者「先生なんて大っ嫌い!!」
さすがは名医相原先生。恋の病も一発完治!

 

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看護婦「長瀬さん、退院おめでとうございます。」
患者「ありがとうございます。みなさんのおかげです。」
医師「また来てくださいね☆」
患者「それ縁起でもないから!」

〜そして病院を去っていく長瀬さん。〜

看護婦「それにしても、奇跡って起きるものなんですねぇ。」
医師「まったくだよ田中君。あの末期ガンだった長瀬さんが…。」
看護婦「余命半年だったはずなのに、急にガン細胞が消えちゃうなんて。」
医師「いやはや…医学の道とは実に奥深いものだねぇ〜。」

〜その夜〜

医師「ハァ…。また失敗だ…。」
研修医「どうなさったんですか?相原先生。」
医師「いやね、「風邪の特効薬」を作ろうとしていたんだがウマくいかなくてね…。」
研修医「まぁノーベル賞級の研究ですからねぇ。そう簡単にはいかないでしょう。」
医師「やはり医学は奥深い。うむむ…。」
研修医「長瀬さんの件で、より一層医学の神秘に興味を持たれたみたいですね。」
医師「まぁ私ごときに極められる研究ではないとはわかってるんだけどねぇ〜。」
研修医「そんなこと無いですって!相原先生ならできますよきっと!」
医師「アハハ。ありがとう斉藤君。まぁボチボチ頑張ることにするよ。」
研修医「ところで、風邪の特効薬作りって…一体どんな実験をされてたんですか?」
医師「あぁ、以前から長瀬さんを被検体に…色々と。」
相原先生の能力は計り知れない。

 

- 続 -