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【No.1:失恋】 | 【Side:快人】 |
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バチィン!! |
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教室から飛び出し走り去る彼女を、僕はただ呆然と眺めていた。 そしてしばらくすると、いつも通りの聞きなれたセリフが聞こえてきたんだ。 少年
「よぉ、終わったか快人(カイト)?その顔じゃ…結果は聞くまでも無い感じだなぁ。」 彼は『大塚 健二』、僕と同じ中学3年生。中学からの仲なのに、一番気を使わず話せる親友だ。ちょっと口は悪いけど、裏表の無い奴と思えば気にはならない。 コイツが話しかけてきたってことは、また『例の時間』ってことか…。 健二
「さーてどうすっか、晩餐でもする?記念すべき『100回目の失恋』のさっww」 |
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【No.2:反省会】 | 【Side:快人】 |
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失恋の後、健二と二人でその恋を振り返る…いわゆる『反省会』を行うのは、知らぬ間に僕らの習慣になっていた。 99連敗という今の状況が状況なだけに、この習慣に学ぶものがあるかどうかは微妙だけど…とりあえず愚痴りたい僕にとって、頼んでもないのに付き合ってくれる健二のこの人の良さは、何気に貴重だったりする。 健二「で?今回はどんな素敵な文句で口説いたんだ?殴られるってよっぽどだろ?」 |
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【No.3:続・反省会】 | 【Side:快人】 |
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その後、健二に散々罵倒され続けること30分。 納得いかないことも色々言われたけど、言い争ってるうちに気も晴れてきた。 ありがとう健二、僕はまだやれる! 快人「フン、いいさまた次を探すよ。女なんか、星の数ほどいるんだしなっ!」 とりあえず街へ行こう。動かなくっちゃ、何も始まらない! 健二「ふぅ、星の数ほどねぇ…。 ま、星の距離ほど遠いわけだけど…な。」 後ろで健二が何か言ったみたいけど、聞こえなかったからまぁいいや。 |
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【No.4:出会いのチャンス】 | 【Side:快人】 |
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学校から街へは、電車で30分ほどかかる。大した時間じゃないんだけど、帰宅ラッシュの時間帯だから車内は超満員。そのせいで時間は倍以上に感じられた。 でも、満員ってことはその分人も多く乗ってるわけで…考え様によっては出会いのチャンスと思えなくもない。いや、思えまくる!! 快人「ん〜、1…2…3…あっちにも…うん、全部で5人ってとこか。でも状況的に全部は無理…1人に絞る必要があるな…。」 |
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【No.5:許せぬ事態】 | 【Side:快人】 |
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健二の制止を振り切り、人ごみをダイナミックに掻き分けて、僕はなんとか彼女の近くまでやってきた。あとはタイミングを見計らって声を…!と思ったんだけど、なんだか様子がおかしい。 彼女は何かに耐えるようにうつむき、そして小刻みに震えていたんだ。 声「や…ヤメて…ヤメてください…。」 すると、蚊の鳴くような、か細い声が聞こえた。 |
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快人は快人で問題だった。 |
【No.6:護るべき者】 | 【Side:快人】 |
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快人「おいおいオッサン…なんだよこの手は?」
『人生直球勝負』がモットーで曲がったことが大嫌いな僕は、考えるよりも先にオッサンの腕を捻り上げ、明らかに動揺するその目を睨みつけていた。 男「なっ、何を言うのかねキミ?わわ、私は何も…!」 見せ場はこれからって時に、なんと味方のはずの健二が邪魔しに現れた。なんでコイツは時々こう空気が読めないんだ…!
快人「は、離せ健二!邪魔すんなよ!」 彼女は俺の方を見つめながら更に震えていた。 |
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少女は快人に怯えている。 |
【No.7:トラウマ】 | 【Side:快人】 |
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男「う、訴えてやる!私は何もしていない!冤罪だ!こんな…こんな屈辱…!」
健二のセリフに反応してか、打って変わって今度は冤罪冤罪と騒ぎ始めたオッサン。 男「名誉毀損だ!キミはドコの学校だ!?親御さんに連絡を取って…」 少女「キャッ…!」 駅員さんにこってり絞られ、家に着いたのは夜10時過ぎだった。 |
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