超能力学園

 

1
超能力は―――実在する。
「透視」、「瞬間移動」、「予知」…そんなものは、存在しないと思っていた。
うん、まぁそういうのは無いんだけども。そんな大層なものじゃないんだけども。
〜学校:廊下〜
少年A「なぁ川名(カワナ)、奴か?奴がさっき、お前が言ってた「能力者」なのか?」
少年B「そうだよ伏見(フシミ)君、彼がそうさ。能力名は…「顔面凶器(ブサイク)」。」
イジメっ子の会話だ。

 

2
俺は「伏見源太郎」、私立「超上学園」の中等部に通う1年生。
「川名英二」とは最近知り合った。そのおかげで、この学園の真実を知ったんだ。
〜入学式の日〜
伏見「…って、「超能力」ぅ?瞬間移動とか透視とかだろ?あるわけねぇじゃん。」
川名「あ〜、そんなんじゃないんだ。そうじゃなく、もっと身近な感じで。」
伏見「いや、身近なとか言われても全然わかんねーし。」
川名「じゃあね、「常人のそれを超越した能力」をそう呼ぶとしたら…どうだろう?」
伏見「ん、それってアレか?ありえないくらい凄まじく足が速い…とか?」
川名「そそ。そんな感じ。」
伏見「いやお前、そんなのが超能力とかインパクト弱すぎだろ。」
川名「そう思うでしょ?それがそんなこともないのが…この「超上学園」なのさ。」
伏見「なるほど…オーケー、わかったわ。」

これが「中二病」か…。
伏見は適応力が高い。

 

3
私立「超上学園」―――。
怪しげな離島に位置し、基本的に外界から閉ざされた謎多き学園である。
入学式でたまたま話した川名は、どう考えても思考がおかしい中二病患者だった。
だがまだ知り合いのいない学園ということもあり、とりあえず様子を見ることにした。
伏見「そーいやさ、お前はなんでこの学園に来たんだ?」
川名「ん?それはもちろん推薦さ。キミだってそうでしょう?」
伏見「え…確かに小学校の先生から推薦されたんだけど、みんなそうなのか?」
川名「そりゃそうさ、普通の人は入れないんだよ。誰もが何かの能力を持ってる。」
伏見「能力って…足が速いとか?」
川名「そう、ワキが臭いとか。」
伏見「いや、え…ワキが!?いやいや、それも能力だってのか?」
川名「もちろん。持って生まれたものを才能と呼ぶのなら、それも立派な才能だよ。」
伏見「そ、そんな奴ら集めてどうしようってんだよ…?」
川名「特化した能力を更に開発し、あらゆる分野に役立てる…その研究のためさ。」
要はモルモットだった。