外伝(壱)

 

外伝:盗子が行く〔1〕
ソボーにさらわれた盗子は、こんな感じになっていた。
〜上空〜
盗子「…ん?う゛ぅん…ハッ!ここはどこ!?アタシはだr…」
ソボー「ケッ、起きやがったかクソジャリ。」
盗子「アタシは盗子っ!!」
飛竜「グォ〜?」
ソボー「オイよく聞けクソジャリ。つぎ騒いだら落とす、わかったかぁコラ?」
盗子「ふ、フンだ!落とせるわけないじゃん!アタシは大事な人質なんだよ!?」
ソボー「あ゛?なに調子こいてやがんだぁクソジャリの分際でぇ?」
盗子「あ、アタシ知ってんだから!その「呪縛錠」ってのがある限り、アンタは…!」
ソボー「なっ…! チッ!!」
盗子「あっ☆ 黙った黙ったー! ほらー、落とせるもんなら落としてみなよ〜!」

ソボー「絞め落とす!!」
盗子「ごめんちゃい…。」
盗子は見事に黙った。

 

外伝:盗子が行く〔2〕
ソボーの飛竜はマッハで飛んで、結局追っ手は振り切られちゃったみたい…。
んで数時間後、村みたいな町みたいなとこに着いたの。何する気なんだろ…?
〜マチカ村〜
ソボー「よぉし、呼ぶまで上で待機な「リュオ」。オラ、とっとと降りろやクソジャリィ!」
飛竜「グォ〜!」
盗子「あいたっ! もう!ちっとは優しく扱ってよっ!アタシ女の子だよ!?」
ソボー「悪ぃなぁ、男女差別はしねぇ主義だ。」
盗子「何その都合のいい解釈!?」
ソボー「さ〜て…まずは武器の仕入れだな。手ブラじゃ使える技が減るからなぁ。」
盗子「武器?でもアンタ、武器もそうだけどお金も無いじゃん。 あっ、まさか…!」
ソボー「バーカ。俺様は疲れてんだ、んな無駄な力ぁ使うかよ俺様は。そう俺様は。」
盗子「な、何その不自然な「俺様は」祭り!?もしかして…あ、アタシにやれと!?」
ソボー「おぉ?なんだよ話が早ぇじゃねぇか。物分りのいい奴ぁ嫌ぇじゃねぇぜぇ?」
盗子「嫌ってもらって結構だから見逃してよ!強盗なんてヤだよ「盗賊」だけども!」
ソボー「ブハハハ! ま、冗談だ。安心しろやクソジャリ。」
盗子「くっ…!」

ソボー「嫌ぇだよテメェなんか。」
盗子「そっちが冗談かよ!!」
盗子の扱いはいつも通りだ。

 

外伝:盗子が行く〔3〕
な、なんか…ソボーはアタシに武器屋を襲わせようとしてるみたい。どうしよ…。
盗子「や、やっぱヤメようよ〜。なんとかお金用意しようよ。ね?」
ソボー「金ぇ?なんだよ、この星じゃあ武器屋襲うのに金がいんのかぁ?ハッハ!」
盗子「いや、だからその「襲う」って前提をまず…」
ソボー「おぉっと、ちょうどいいところに武器屋があんじゃねぇか。ホレ行ってこい。」
盗子「ちょっ、ちょっとは話を聞い…やっ、押し、込ま、ない、でぇっ…!」
ソボー「さぁ黙って行けや。ちなみに手ブラで戻ってきた時がぁテメェの死ぬ時だ。」
盗子は退路を断たれた。
カランコロンカラ〜ン(鐘)
店主「おや?なんだい、また随分と可愛らしい嬢ちゃんじゃないか。いらっしゃい。」
盗子「え、ホント!?アタシってそんなに可愛いかなオジちゃん☆」
店主「いや、お世辞ですが。」
盗子「言うなよ!仮にお世辞でもそれは墓まで持ってけよ!!」
店主「すまないけどここにゃあ小娘に売れるようなモノは無いので消えてくだされ。」
盗子「なんかその中途半端に丁寧な口調がかえってムカつくよ!」
店主「やれやれ…で?何の用かね?こう見えて暇じゃないのだよ私も。」
盗子「くっ…!ご…強盗だよっ!もういいよ強盗だよ!武器を出せぇーー!!」
盗子はヤケになった。

 

外伝:盗子が行く〔4〕
つい勢いに任せて強盗宣言しちゃったら、武器屋のオッサンぶちキレちゃったよ!
店主「ほほぉ…まさかこの俺に歯向かおうなんてバカな小娘がいるとはなぁ…。」
盗子「えっ!?も、もしかしてアンタって…!?」
店主「ハッハッハ!ど田舎に住む普通の武器屋の店主とは、この俺のことさっ!」
盗子「見りゃわかるよ!! なんだよ思わずビビッちゃったじゃないさ!」
店主「フフ…。ある時は武器屋の店主、そしてまたある時は…」
盗子「って、えっ!?なにその「実はスゴい奴」みたいな言い回しは!?」
店主「…武器屋の店主。」
盗子「って結局おんなじなのかよ!」
店主「しかしてその実体は…! …やっぱり…武器屋の店主…。」
盗子「そこは嘘でもいいからどうにか強がれよ!」
店主「そんな俺と知って挑もうというのか? フッ、強気な小娘だぜ!」
盗子「弱気になれる要素が見つからないよ!」
店主「さぁ来るなら来い強盗娘!俺の目が黒いうちは、商品はあんまり盗ません!」
盗子「ちょっとならいいのかよ!!」
盗子は何個か盗んで逃げた。

 

外伝:盗子が行く〔5〕
店主は思ったよりもヘタレだったから、適当に盗んで逃げてきちゃったよ。よっし!
盗子「ただいまー、いくつか盗ってきたよ〜。武具玉でいいんだよね?」
ソボー「ん?むぐっ。おぉ、そこに置いとけやぁ。んぐ。 プハァ〜!」
盗子「って、アンタ何食べてんのさ…?そんなでっかい肉どうしたの?」
ソボー「肉屋を襲った。」
盗子「だったら武器屋もアンタが襲えよ!」
ソボー「ギャーギャー騒ぐなウルセェなぁ。メシがマズくなる。」
盗子「はぁ〜…で?アタシの分は?朝から何も食べてないから腹ペコだよ〜。」
ソボー「ウゼェ。テメェはその辺で草でも食ってろ。」
盗子「な、なんでだよ!お願い聞いてあげたんだしアタシだっ…」
バシィ!(平手)
盗子「いたぁっ!!
ソボーの攻撃。
盗子は100のダメージを受けた。
盗子「わーん!ぶたれたよー!生まれて初めてビンタで浮いたよー!」
ソボー「間違えんなクソジャリ。俺様は「お願い」したんじゃねぇ、「命令」したんだ。」
盗子「くっ…!こんな…こんな屈辱って…!」

結構慣れてる…。
盗子は泣きながら草を食べた。

 

外伝:盗子が行く〔6〕
夜。 ソボーは警察に追われる身だから、宿じゃなくて森で野宿することになったの。
なんとか逃げ出したいけど、逃げたら容赦なく殺されそうだし…様子見なきゃだよ。
ソボー「さてとぉ、じゃあ寝るかなぁ…。んじゃまぁ、火の番はしっかりやれやぁ。」
盗子「えぇっ!?アンタもしやアタシに寝るなって言ってんの!?ヤだよ寝たいよ!」
ソボー「寝たらそのまま火にくべる。」
盗子「さ、さーて!マキでも拾ってこよっかな〜っとぉ!」
声「んだよ…わざわざメンバー総出で来てみれば、野郎一人とガキだけかよ?」
盗子「!!?」
木の陰から数人の男が現れた。
盗子「あ、アンタら…誰? 警察なら助けてほしいとこだけど、違うよね…?」
男A「肉屋に雇われた傭兵さ。ムカつく強盗野郎をブッ殺してくれって頼まれてね。」
ソボー「あ゛? はぁ〜やれやれ、ケツの穴の小せぇオヤジだなぁオイ…。」
盗子「そ、そうだよ!いくらなんでも肉の一つや二つ盗ったぐらいで殺すとか…」
男B「よく言うよ悪党め。大事な店に火ぃかけられりゃ、誰でも怒るだろうが。」
盗子「えぇっ!?火まで付けたなんて聞いてないよ!?なんで!?」
ソボー「フッ、「焼肉」だ。」
盗子「そんな斬新な焼肉聞いたことないよっ!」
男C「なぁ嬢ちゃん。俺らが用があんのはそいつだけだ、キミは下がってな。」
盗子「えっ、ホント!?見逃してもらえるの!?じゃあアタシは…」
ソボー「よぉ〜く考えろなクソジャリ、返答次第じゃ…もう甘くしてやれねぇぜ?」

え゛っ!あれで甘いの!!?
盗子は考えが甘かった。

 

外伝:盗子が行く〔7〕
どうしよう…どうしようホントどうしよう!どっちを選ぶ方がいいのかわかんないよ!
でも本来の強さと性格を考えたら、敵に回して怖いのは断然ソボーの方…だよね。
やっぱここは、とりあえずはソボーの味方として乗り切った方が良さそうだね。うん!
男A「さぁどきな小娘。とっととそいつから離れねぇと、お前も殺っちまうぜ?」
盗子(に、逃げよ!逃げようよソボー!いくらなんでもこの人数は…)
ソボー「ざけんなめんどくせぇ。こんな雑魚どもテメェが片付けろやぁ。」
盗子(そ、そんなっ!無理だよアタシは戦闘要員じゃないもん!)
ソボー「はぁ?なんだぁオメェ、まさか今までずっとそうしてきたのかぁ?」
盗子(えっ…?)
ソボー「そりゃ随分と「お荷物」だったろうなぁ。テメェの仲間に同情すんぜぇ。」
盗子「ッ!!!」
ソボー「そんなんじゃあ放っといてもいずれ死ぬわ。なら今死んでも大差ねぇだろ?」
盗子「・・・・・・・・。」
男D「おいテメェら、何をさっきからコソコソと…!」
盗子「あ、アタシが…」
男D「あん?」

盗子「アタシが相手だよ!!アンタら全員、アタシがブッ倒しちゃうんだからっ!」
盗子はわざわざ煽った。

 

外伝:盗子が行く〔8〕
や、ヤバいよ!ソボーの挑発に乗せられて、つい心にも無いこと言っちゃったよ!
とりあえず、持ち前の素早さを活かした必殺「逃げ回り」で時間稼ぐしか無さそう。
んで、隙を見て同士討ちとかさせちゃったりできれば言うことないんだけど…。
ソボー「んじゃまぁ、のんびりやれやぁ。俺様は寝るとするわ。」
男A「や、野郎…!「魔法壁」なんか張りやがって!オイお前達、ブッ壊すぞ!」
男B「オイ、駄目だヤメとけ!迂闊に触るとこっちが危ねぇぞ気を付けろ!」
男D「バカな!知ってるぞ、それ呪縛錠だろ!?そいつは大半の力を奪うはず…!」
ソボー「テメェらの力を1とすりゃあ、俺様の元の力は1万だ。意味わかるかぁ?」
男A「チッ…しゃーねぇ、とりあえず小娘を始末するぞ。野郎の方はその後だ。」
男E「子供…しかも女に手を上げるなど気が引けるが、逆らうならば仕方なし。」
男達「行くぞぉ!!」
盗子(来るっ…!!)


ドガバキドゴバキバキドゴン!!!
盗子は華麗に全部食らった。

 

外伝:盗子が行く〔9〕
盗子「きゅぅ〜〜…。」
男A「な、なんだこのガキは?避けるどころか自分から全部食らいにくるとは…。」
男C「ある意味全部避けるより難しい気もするな…。」
男D「まぁいいじゃねーか。とっととトドメ刺しちまおうぜ。」
ソボー「ッ!!」
おっかない顔でソボーが立ち上がった。
男D「な、なんだよテメェ?なんだかんだ言ってガキがやられたら怒んのか?」
ソボー「…囲まれたか。呪縛錠ってのはぁ勘まで鈍りやがるのかよ?ったく。」
男A「ん…?へぇ、よく気づいたな。 そうさ、もうこの森は俺らの仲間が完全に…」
声(「ぎゃぁああああああああ!」)
男A「なっ!今のはアイツらの…!? どういうことだ!一体何が…!?」
声(「た、助け…うわぁああああ!!」)
ソボー「このひでぇニオイ…まさか“奴ら”がこの星に…? チッ、起きろクソジャリ!」
盗子「・・・・・・・・(ここで起きたら絶対戦わされるし…寝たフリしとこっと)。」
ソボー「5秒以内に起きろ。 ゼロ。」
盗子「えぇっ!?」
盗子は飛び起きた。

 

外伝:盗子が行く〔10〕
なんか、肉屋の刺客なんかよりもっと怖いのが来ちゃったみたい。こ、怖いよぉー!
もうここは、傭兵の人たちに期待するしかないよ。アタシじゃ絶対無理…そしてイヤ。
謎A「グヘヘ…グヘヘへ…。」
盗子「わー!なんかキモいの出て来ちゃったー!難は去らずにまた一難だよー!」
男D「な、何モンだテメェら!?その返り血…俺らの仲間を殺しやがったな!?」
謎B「マズソウ オマエラ。 デモ タベル。」
男A「よし、いくぞお前達!仲間のカタキ、討ってやろうじゃねーか!」
傭兵達は一斉に飛び掛った。
盗子「ね、ねぇソボー?何か知ってるっぽいけど、アイツら何なのさ?」
ソボー「あ?「首無し族」…流浪の殺戮人種だ。いま絡まれりゃまぁ…厄介だなぁ。」
盗子「首無し…?でも普通に頭あるように見えるけど…?」
ソボー「首は無ぇよ、デブだから。」
盗子「そういう意味!?」
男B「なにぃ!?や、やめろぉおおおおお!!
盗子「ちょっ、なんかアイツらお腹とかから傭兵たち取り込んでない!?」
ソボー「奴らは触れたものはそこから食いやがる。ま、服は食わねぇようだがなぁ。」
男A「なぜだぁ!?なんで斬れね…うわぁああああああ!!
ソボー「おまけに贅肉と脂のせいで、一切の斬撃が効かねぇ。魔法防御力も高ぇ。」
盗子「ヤバいじゃんそれ!かなりヤバい状況なんじゃない!?」
ソボー「そして何より…クセェ。」
盗子「あ、うん…。」
辺り一面なんだか酸っぱい。

 

外伝:盗子が行く〔11〕
いきなり現れて、傭兵達をみんな食べちゃった「首無し族」ってゆー敵(全員デブ)。
名前だけは前に賢二に聞いたことあった気がするけど、こんな敵だったなんて…。
デブA「ノコリ 2ヒキ。 クウ。」
デブB「オレ クウ。」
デブC「オレ。」
デブD「ボク。」
デブE「ワタシ。」
盗子「あ、あのさソボー?まさかコイツらまでアタシにやれ…とか?」
ソボー「あ? …いーや、いくらなんでも分が悪ぃ。テメェは、逃げろや。」
盗子「え…?」
なんとソボーが優しさを見せた。
ソボー「アイツら連れて。」
盗子「オトリになれと!?」
気のせいだった。
ソボー「とりあえずテメェは奴らぁかく乱して俺様の負担減らせ!いいな!?」
盗子「わ、わかったよ!こうなったらもう覚悟決めるよ!なんでも来いだよ!」
ソボー「できなきゃ殺す!」
盗子「任せて!」
ソボー「できても殺す!!」
盗子「なんでっ!?」
むしろ悪化していた。

 

外伝:盗子が行く〔12〕
二人で協力して首無し族をブッ倒すことに決定!まぁアタシは逃げるだけだけどね!
ソボー「敵は6…7…8匹か…。 よぉし、とりあえず5匹は引き付けろやクソジャリ!」
盗子「お、オッケー!いくらアタシでもこんなデブちん達には捕まらないよ!」
ソボー「そのセリフ、回れ右して言ってみなぁ?」
デブB「メシィイイイイイイイ!!」
盗子「わきゃーーー!!」
デブBの攻撃。

ミス!盗子は攻撃をかわした。
辺りの木々が何本かフッ飛んだ。
デブB「コウゲキ ハラヘル。 ハヤク メシ。」
盗子「うぎゃー!パンチ一発でこんなんってどーゆーこと!?死ぬ!やっぱ無理!」
ソボー「うるせぇ黙れ!ギャーギャー騒い…あ゛。」
デブC「イタダキマス。」
ソボーは左腕を食われた。
盗子「そ、ソボーーーーー!?」
ソボー「騒ぐな「義手」だ!ったくテメェのせいで…!後で覚えてろぉクソジャリィ!」
盗子「えっ!アタシだけのせい!?」
ソボー「チッ、しゃーねー…ダメ元でやってみっかぁ「双剣五連撃」!!」
ソボーの連続攻撃。

デブAに0のダメージ。
デブCに0のダメージ。
デブDに0のダメージ。
デブEに0のダメージ。
盗子に200のダメージ。

 

外伝:盗子が行く〔13〕
何度かソボーの技を食らいつつも、なんとか逃げ回ること数十分。でも、もう無理!
攻撃したら武器食べられちゃうし、そもそも当たっても全然効かないし…限界だよ!
盗子「ハァ、ハァ、もう…ダメ!限界!疲れたよぉー!もう打つ手無しなの!?」
ソボー「まだ右手はある、打ってほしけりゃ頬を出せや。」
盗子「そういう意味じゃなくて!」
デブA「ハラ ヘッターーーー!!」
ソボー「おっとぉ! あ?まぁ無ぇわけじゃねぇが…気が乗らねぇなぁ、ったく…。」
盗子「なんだよあるのかよ!あるならやろうよ!もったいぶってる場合!?」
ソボー「神速の居合い抜き…何でもブッた斬る技は知っちゃいるがぁ、「呪技」だ。」
〔呪技(じゅぎ)〕
呪いを受けるのと引き換えに、驚異的な威力を発揮する呪われた秘技。
だがその危険性ゆえに多くは封印され、現世に伝わるものはほとんど無い。
ソボー「かつてそれ使った奴ぁ、コイツらの星を滅ぼした。威力は折り紙付きだぜ。」
デブ達「!!?」
盗子「で、でもその呪いって…?」
ソボー「…よぉく見てろよクソジャリ。一度しか見せねぇぞ、しっかり「盗め」。」
盗子「えっ…?」
デブA「オマエ!オレタチ ナカマ キッタカァーーー!!」
デブB「コロォーーースッ!!」
ソボー「いくぜぇ! 切り裂け真空の刃!「渾身抜刀流」、闇奥義…!!」
ソボー、必殺の攻撃!
ソボー「「カル死ウム不足」!!」
とってもよくキレそうだ。

 

外伝:盗子が行く〔14〕
名前は変だったけど、すんごい威力だったソボーの必殺技。ホント凄いよ!
全然攻撃効かなかったアイツらが、一気に5人も真っ二つ! なんか勝てるかも!
ソボー「チッ、今のパワーじゃやっぱ狩り残したか…!ぐふっ!!
盗子「えっ!だ、大丈夫!?まさかさっきの技の呪いってのが…!?」
ソボー「おいクソジャリ、胃薬買って来い。」
盗子「ただの食い過ぎかよ!しかも今さら! 死ねっ!!」
デブE「ヨクモ! ヨクモ ワタシノ ナカマヲ!!」
盗子「わっ、残りがきたよ!早くもう一発やっちゃってよ!」
ソボー「ざけんな、ありゃもう打ち止めだよ。もう二度と使わねぇ。」
盗子「な、なんで!?胃がもたれてるからとか言わないでよ!?」
ソボー「俺様は今ので二度目でなぁ。あの技は、三度使ったら…「死ぬ」んだよ。」
盗子「死!?そんなおっかない技だったの!?じゃあ残りは…どうしよぉ!?」
ソボー「ま、3匹ぐれぇならオメェでも狩れんだろ。ホレ、使ってみろや今の。」
盗子「アタシ!?使えるかよ!無理に決まってんじゃんアンタじゃあるまいし!」
ソボー「あ゛?知らねぇのかよテメェ?「盗賊」の最上級職…それが「技盗士」だ。」
盗子「えぇっ!? で、できないよ!アタシは盗賊としてもまだ…!」
ソボー「できるできねぇじゃねぇ。テメェに残された道は、二つに一つ。」

ソボー「やるか、やらなくねぇかだ。」
盗子「選択権は!?」
盗子は「人権」すら危うい。

 

外伝:盗子が行く〔15〕
こんな土壇場になって、とんでもないこと言ってきたソボー。 いきなりすぎるよ!
この歳で最上級職なんて無理に決まってるし!どう考えても無駄な足掻きだよ!
って、おデブ達ってば仲間の死骸食べてるっ!グロいよグロすぎ!もうヤだぁー!
ソボー「いいからやれ!それともテメェ、お荷物のまま死にてぇのか?カスが!」
盗子「でも…!せ、せめてコツとか教えてよ!簡単にでいいから!」
ソボー「パッと盗んでサッとやれ。」
盗子「簡単にも程があるよ!」
ソボー「センスが無きゃあ何億年教えたってできねぇよ。技盗士は努力職じゃねぇ。」
盗子「け、けどさ!さっきはそのつもりで見てなかったよ?もう手後れなんじゃ…?」
ソボー「ちゃんと見てりゃあ希望はある。手後れなのはテメェの顔だけだ。」
盗子「ムーリーだーよー!だって最上級職だよ!?しかもそんな適当な説明で…」
ソボー「諦めろ、うだうだ言ってる間に…奴らの準備も済んじまったみてぇだぜぇ?」
デブA「…汝は我らを怒らせた。その深き罪、死をもって償うがいい!!」
盗子「流暢になってるぅー!言葉が不自然に流暢になってるよー!」
デブ達「いっただっきまぁーーーす!!」
ソボー「やれぇクソジャリィ!!イタチだって最期にゃ屁ぐらいかますぜぇ!?」
盗子「も、もぉー!こうなりゃヤケだぁーーー!!」
盗子の運命やいかに。

 

第二章