第二十五章

 

4-376:見場〔14歳:LEVEL45〕
ロリコンのロリコン部隊を一瞬で蹴散らした女神。やはり神の名はダテじゃない。
勇者「チッ、どうやら少し甘く見すぎていたようだ。どうするよロリコン?」
ナンダ「…また会おう、我が宿敵よ。」
フッ…(消)
勇者「ちょっ、テメェ…!」
土男流「大丈夫なんだ師匠!ここからは、久々に私の見せ場なんだー!」
土男流はポーズをキメた。
損傷の少ないロボが一斉に立ち上がった。
勇者「なるほど、そういやお前は「人形師」だったな!完全に忘れてたが!」
土男流「見ててくれよな師匠!さぁみんな、いっけぇえええええええええ!!」
勇者「頑張れ土男流!思うままにロリコンどもを操るがいい!」
土男流「その言い方は変えてくれー!」
土男流は集中できない。

 

4-377:職業〔14歳:LEVEL45〕
ロボット群を率いて、女神に特攻をかけた土男流。だが、やはり全く通じなかった。
しかも、何もかもが一瞬すぎてさっぱり手口がわからん。強敵どころの話じゃない。
勇者「オイ貴様、職業は何なんだ?冥途の土産に聞かされてやる。」
土男流「それをそうやって催促しちゃう人は初めて見たんだー!」
女神「職業?それは秘密ですわ。淑女とは秘密を着飾って輝く生き物ですの。」
勇者「チッ、そう簡単に手の内は明かさんか…。」
女神「何か勘違いしてませんこと?言ったでしょう?ワタクシの職業は…「秘密」と。」

まぁ…今さらか…。
「もやし」よりはマシだ。

 

4-378:苦戦〔14歳:LEVEL45〕
そして結局、俺と女神の一騎打ちが始まった。もう大魔王戦前に燃え尽きそうだ。
勇者「ハァ、ハァ、まったく見えん…!職業が「秘密」とかフザけすぎだろ…!」
女神「その割に、どれも紙一重でかわしてますわね。一体どうやって…?」
勇者「フッ、勘だ!(キラン)」
土男流「さすがだぜ師匠ー!言ってる内容はともかく前歯が素敵なんだー!」
女神「ハァ…。懲りない、めげない…なんて醜いのかしら。美しくありませんわ。」
勇者「フン、黙れブサイク!」
女神「なっ…なんですって!?この美の象徴たるワタクシに、ブ…ブサイクと…!?」
勇者「言ったろ?貴様なんぞ女神でもなんでもない。俺にとってのめが(グサッ)」
女神「お黙り!!」
勇者「目がぁあああああああ…!!」
勇者はボコボコにされた。

 

4-379:罵倒〔14歳:LEVEL45〕
挑発して動揺でもさせようと思ったら見事に逆効果で、怒りでボコボコにされた。
だが、少なからず効果は出ているっぽい。キレてる分なのか攻撃にはキレがない。
勇者「そうとわかれば、もっと挑発して攻撃を鈍らせてやろうと思う。」
女神「聞こえてますわ!罠なのかってくらいに聞こえてますわ!」
勇者「ブース!ブース!お前の母ちゃんトーウーコー!」
土男流「なんて低レベル…というか盗子先輩はそこまで有名人じゃないんだー!」
女神「くっ、おのれぇ…!」
土男流「でもなぜか効いちゃってるんだー!」
勇者「貴様に「女神」は荷が重い。彼女に任せてお前は引っ込むがいい。」
女神「フン、ありえませんわ!ワタクシ以上の女神なんて…」
勇者「姫ちゃんの方が、女神だ!!」
姫「呼んだ?」
勇者「呼ん…おぉっ!?」
そして女神対決が始まる。

 

4-380:動機〔14歳:LEVEL45〕
例のごとく意表を突いて現れたのは、我らが真の女神…姫ちゃんだった。
だが、喜んでばかりもいられない。敵の能力が凄まじすぎて危険だからだ。
これを懸念して突き放したってのに…いや、まぁ結局はこうなる気もしてたが。
勇者「というわけで、また会えて嬉しいが…今はダッシュで逃げてくれ姫ちゃん。」
姫「任せて勇者君。すぐにお茶菓子を用意するよ。」
勇者「フッ、相変わらず清々しいくらい会話が通じないぜ…だがそれがいい!」
女神「彼女がアナタが言う、アナタの女神ですの?」
勇者「ああそうだ!」
姫「はじめまして姫だよ。」
女神「ほら違うじゃありませんの!」
土男流「うぉー!余計にめんどくさくなったんだー!」
勇者「すまんが姫ちゃん、もう一度言うが今は逃げ…」
姫「ううん。今日は私が戦うよ。じゃないとお母さんに怒られるの。」
勇者「なっ、なんだって…!?」
姫「頑張らないと…お菓子が、減るんだよ。」
ささいな動機だった。

 

4-381:先攻〔14歳:LEVEL45〕
珍しく…というか初めてかもしれんが、今回はとってもヤル気っぽい姫ちゃん。
だが、彼女は戦闘要員じゃない。そんな姫ちゃんに任せて先へ行くなんてできん。
土男流「ど、どうするんだ師匠ー!?姫ちゃん先輩にお願いしちゃう感じかー!?」
勇者「バカを言うな!こんなやりたい放題の敵のもとに残していけるわけが…」
姫「行ってらっしゃい勇者君。ご飯にする?それともお風呂?」
勇者「えっ、どこで!?いや、それは「お帰りなさい」の時のセリフでは!?」
女神「どうやら次の相手はアナタのようですわね。いいですわ、死んでおしまい。」
勇者「いや、待っ…」
姫「むー!〔死滅〕!!」
勇者「こっちも待っ…」
女神「フフ、面白いですわ。どちらが真の女神か、ハッキリさせてさしあげますわ!」
姫「むー!〔全滅〕!!」
敵は1体だが。

 

4-382:得意〔14歳:LEVEL45〕
ヤル気マンマンな姫ちゃんは止めようにも止められず、俺は仕方なく先へ急いだ。
あの場にいたら、女神の前に姫ちゃんにトドメを刺されかねん。それはかなり困る。
残る強敵は3人…だが、今の体調じゃ1人倒すのもキツそうだ。とても困った。
〜10階:竜王の間〜
勇者「というわけで、すまんが少し休ませてくれ。飲み物があるとなお良いぞ。」
竜神「お前ハ馬鹿なのカ?」
土男流「というかこの部屋に入る前に休んどくべきだったんだー!」
勇者「やれやれ、次は貴様かよ…。その強固な鎧を貫くのは…厳しいなぁオイ…。」
竜神「おや、弱気かネ?あの女の弟子にしてハ、つまらん小僧だネ。」
勇者「こ…この俺がつまらんだとぉ!?オイ土男流、手品道具を!」
土男流「そういう意味で楽しませるのは意味が違うと思うんだー!」
勇者「さぁ存分に楽しむがいい!俺の得意技…「人体切断マジック」をなぁ!」
タネも仕掛けも無い。

 

4-383:意表〔14歳:LEVEL45〕
次の対戦相手は竜神らしいが、コイツはノリが悪そうだし…煙に巻くのはキツいか。
冥符との闘いから見ても実力も高そうだ。真面目に闘って駆除するしかないだろう。
キィン!ガキィン!
竜神「ほぉ、やれるじゃないカ。瀕死の雑魚にしか見えんのだがネ。」
チュィン!チュィン!
勇者「フン、俺をナメるな!ロウソクの炎は、消える前に一瞬激しく燃えるのだ!」
土男流「師匠ー!それは「もう限界」って言ってるのと同じなんだー!」
勇者「うぉおおおおおお!食らえ、刀神流千の秘剣…「千刀滅殺剣」!!」
竜神「甘いネ。そんな細腕で…」
勇者は〔激震〕を唱えた。
竜神は意表を突かれた。
竜神「ぐふっ…! まさか、直接…鎧の中身を狙っテ…くるとはネ…。」
勇者「フッ、思ったより簡単に騙されたな。真面目な奴の方が楽かもしれん。」
竜神「…だガ、まだまだだネ。」
勇者「む?貴様何を…ぐっ…ぐぉおおおっ!?
勇者は肩口から血を吹いた。

 

4-384:名案〔14歳:LEVEL45〕
意表を突いたつもりがこっちも突かれてしまった。人の見せ場を奪うとは生意気だ。
土男流「う、うわー!師匠が大変なことになってるんだー!大丈夫か師匠ー!?」
勇者「フッ、す…「スプリンクラー」だ。」
土男流「そんな血まみれなグラウンドはイヤなんだー!」
勇者「チッ、あのタイミングで迎撃かよ…。どうやら一筋縄にはいかんらしいな。」
竜神「キミもあなどれんネ。私としたことガ、意表を突かれたヨ。」
土男流「ど、どうするんだ師匠!?他に何かいい案はあるのか!?」
勇者「あー!あんな所に…」
土男流「ってそれはさすがに無理があるんだー!」
竜神「フン、くだらないネ。そんな手にかかるわけな(ズッガァアアアアアアアン!)」
なんと!ホントに何か降ってきた。
そして竜神に直撃した。
?「ゲホッ、ゴホッ!や、やっぱり酷い目に…」
土男流「あー!あ、アンタは…!」

賢二「遭うんだろうな…これからもっと…。」
このパターン飽きた。

 

4-385:他人〔14歳:LEVEL45〕
窓の向こうに何か見えたので、逆にフェイントになるかと思ったら見事にハマッた。
竜神は宇宙船の直撃を食らった模様。まぁ死んでなかろうが、問題はそれ以上に…
賢二「ゆ、勇者君!あの…僕、その…!」
勇者「…誰だ貴様は?赤の他人に馴れ馴れしく呼ばれる筋合いは無いぞ。」
土男流「ど、どうしたんだ師匠?賢二先輩じゃないか!他人扱いは酷いんだー!」
勇者「賢二?フン…死んだよアイツは。 さぁ行くぞ土男流、大魔王が待っている。」
土男流「えぇっ!?じゃあ幽霊的なアレなのか!?それは怖いんだー!」
賢二「いや、違っ…!」
竜神「い…行かせんヨ。少々、意表を突かれたがネ。」
やはり竜神は生きていた。
だが勇者は華麗にスルーした。
タッタッタ…!(走)
土男流「い、いいのか師匠!?やっぱりあの賢二先輩は生きてたように見え…」
勇者「いいや、確かに死んだのさ。俺の知る…敵も殺せん、軟弱な賢二はな。」
土男流「さっぱり意味がわからないんだー!」
勇者「盛大に遅刻した罰だ、立ってろよ…最後までな。」
盗聴で全部聞いてた。

 

4-386:団結〔14歳:LEVEL45〕
そして…置いていかれた賢二は、頑張るしかない状況に陥っていた。
竜神「やれやれ…逃げられてしまったカ。仕方ない、追うとするかネ。」
賢二「そ…そうは、させませんよ!ここで頑張らなきゃ後で惨殺されちゃうし!」
竜神「お前もバカなのカ?私と闘っても同じだヨ。」
賢二「勇者君をっ、甘く見ないで!!」
竜神「…本当に仲間なのカ?」
賢二「と、とにかく!僕は、頑張るためにここに来たんだ…だから、負けられない!」
竜神「フゥ…まぁいい、ならば殺して進むまでヨ。」
賢二「確かに、僕1人じゃ勝てないかもしれない。でも、今の僕には…!」
ライ「大丈夫、任せとくニャ!既に準備は始めてるのニャ!」
下端「そうッス!こういう場面はもう慣れっこッスよ!」
太郎「うん。もうじき直るよ、船。」
召々「そしたらすぐ出よー!」
4人「おーーーっ!!」
賢二「ちょっ…!」
見事な団結力だった。

 

4-387:邪魔〔14歳:LEVEL45〕
てなわけで、結局1人で頑張るしかなさそうな賢二だったが…?
賢二「み、みんなお願い!今回くらいは…たまには僕と一緒に、戦ってほしい!」
太郎「「たまには」とか人聞き悪いなぁ。今まで僕らがまともに戦ったことあった?」
賢二「だったら一度くらい頑張って!」
下端「自分はいつでもヤル気ッスよ!」
賢二「でもいつも周りの勢いに流されちゃってるでしょ!?」
ライ「アタチだって頑張りたいニャ!「猫耳族」の本気を出すニャ!」
賢二「いや、それはヤメて!不幸は呼ばないで!」
召々「じゃあ何呼べばいいかなぁ?悪の化身?」
賢二「それどう考えても正解じゃな…呼べるの!?」
竜神「フゥ、どうにも調子が狂うネ…邪魔だヨ。」

太郎「言われてるよ?」
賢二「僕がっ!?」
頑張れ賢二。

 

4-388:火油〔14歳:LEVEL45〕
共闘を求めてもやっぱり無駄だった賢二は、やっぱり1人で頑張れ。
賢二「と、とにかく先には行かせませんよ!行きたければ僕を倒し…倒さないで…。」
ライ「早くもヘタレモード突入ニャのニャー!」
下端「と見せかけて結局倒しちゃうのが、船長のスゴい所ッスけどね!」
召々「頑張れ賢者様ー!ボク達も精一杯応援するよ〜☆」
賢二「いや、だから応援じゃなしに…!」
竜神「やれやれ、見るからに弱そうだネ。この「ウザン」の敵じゃないヨ。」
太郎「ウザン?なんか賢者君が倒した(ことになってる)「魔竜:ウザキ」っぽいね。」
竜神「ッ!!?」
賢二「ちょっ、太郎さん!?なんで火に油を注ぐようなマネを!?」
太郎「…あ、マジで?そういう流れ? あ〜〜〜〜…じゃあ、カットで。」
全身を。

 

4-389:防戦〔14歳:LEVEL45〕
太郎のせいで、残念ながら竜神はヤル気になっちゃったのだった。
竜神「そうカ、貴様が噂の「賢者」カ…。それハ、甘く見てすまなかったネ。」
賢二「い、いや、誤解なんで!僕は何もしてないんで!」
竜神「何の労も無く倒せたト…そういうことかネ。」
賢二「なんで僕の人生は…誤解が伝説を生むんだろう…。」
竜神「油断はしないヨ。この「昇竜の槍」ノ、サビとなるがいいネ。」
賢二「は、はわわ〜!」
竜神の攻撃。
ミス!賢二は魔法で攻撃を防いだ。
竜神「キミは防御の戦士かネ…面倒だネ。」
賢二「くっ、防戦一方になりそうな予感が…!」
ライ「アタチらも負けてられニャいニャ!せーので応援するのニャ!せーーの!」
4人「賢ニャーン!」「船長ぉー!」「賢者様〜☆」「賢者く〜ん。」
賢二「せめて統一して!!」
外野の方が面倒だった。

 

4-390:理解〔14歳:LEVEL45〕
状況の割にイマイチ緊迫感に欠ける中、一応戦闘は続いていた。
賢二「きょ、今日は僕もガンガン攻めますよ!絶対に…勝つんだ!」
竜神「無駄だネ。この「竜化戦士」のウロコは…どんな攻撃をも通さんヨ。」
賢二「そんなこと、やってみなくちゃわからないよ!食らえ、〔獄炎殺〕!!」
賢二の攻撃。
だがあまり効果が無かった。
竜神「やってみて…わかったかネ?」
賢二「くっ、こうなったら…!た、太郎さん!」
太郎「うん、わかってるよ。もう随分長い…付き合いだしね。」
太郎は紙とペンを手渡した。

 

第二十六章