第十一章

 

4-166:緊迫〔14歳:LEVEL40〕
所変わって、暗殺美達は大体こんな感じだった。
〜帝牢:最下層〜
暗殺美「ハァアアアアアア!食らうさ「風神流:風林火山」…「神風の舞」!!」
ガシッ!(受)
オロチ「フッ、さすがは風神…速いな。だがこの鎧を通すには、まだまだ力が弱い。」
商南「おっとぉ!よそ見してたら痛い目みるでぇ!?「爆撃符」!!」
ズゴォオオオオン!(爆)
オロチ「またその術符か。悪くはないが所詮は「商人」…それでは僕は討てんよ。」
稀に見る緊迫した戦いだった。
オロチ「フフッ、だが実に楽しい時間だ。もう少し、このまま遊ぶのも悪くない。」
商南「まったく化けモンやで。二人がかりでも全然勝てる気がせーへん。」
暗殺美「ふぅ〜、まぁ聞くさ商南。戦い始めて半刻…私は気づいたことがあるさ。」
商南「ん?あぁ、アンタもか。奇遇やなぁウチもやわ。」

暗殺美「ボケ役が、いないさ…。」
商南「あぁ…間がもたへんな…。」
深刻な問題だった。

 

4-167:鬱憤〔14歳:LEVEL40〕
真面目な敵との戦いに、ツッコミ2人は戸惑っていた。
そしてそのウップンは、次第に戦闘に現れ始めた。
暗殺美「どぉおおりゃああ!食らえやぁ「風神流:風林火山」…「神風の乱舞」!!」
ドガシィイイ!!(受)
オロチ「ぐっ、早いし…痛い!この鎧を通すほどに、なんだか痛い…!」
商南「オラァアア!よそ見でけへんくらいに痛い目みせたるわぁ!「爆撃符」!!」
チュドォオオオオオオオオオン!!(大爆)
オロチ「またその術符…を、その量で!?さすが「商人」、なんたる仕入れ量…!」
商南「フフン、なんや意外とやれそうやん?たまにはヤケになってみるもんやなぁ。」
暗殺美「いや待つさ、そう調子に乗った途端に敵が本気を出すのが世の常なのさ。」
オロチ「さて、では僕も…本気でいくとしようか。」
暗殺美「ハイきたさー!言わんこっちゃないのさー!」
商南「これで「真の姿を見せてやろう」がきたら…最強やな…。」
オロチ「この姿を見せるのは、お前の兄以来だ。」
オロチは演出が古い。

 

4-168:変身〔14歳:LEVEL40〕
ベッタベタな流れで、さーて本番はこれからだぞって感じを出したオロチ。
その姿は、みるみる大変なことになってしまってさぁ大変。
フシュゥ〜〜〜(煙)
オロチ「…この姿はあまり好きではない。自分が人であることを忘れさせる。」
商南「いや、見るからに化けモンやんか…!「蛇使い」どころか「蛇女」やん…!」
オロチ「…ぐすん。」
商南「って泣くなや!!なんやねんそのギャップ萌え!?」
オロチ「この姿になると、少々情緒不安定になるから困る。主に涙で前が見えん。」
暗殺美「それちっとも少々じゃないさ。元に戻ってクールに戦うことをお勧めするさ。」
オロチ「まぁ…安心するがいい。これは兆し…これから僕は、更なる変化を遂げる。」
ピカァアアアアアッ…!(光)
なんと!オロチは八頭の大蛇に変化した。
暗&商「う、うひょーーーーー!!」
オロチ「コレが、僕の真の姿。パジリスキュとの融合体…僕が、「オロチ」たる所以。」
暗殺美「…フッ、予想以上に…面白い展開さ。」
商南「あぁ…せやな。」
暗殺美は逃げ出した。
商南は逃げ出した。

だが周りを囲まれてしまった。

 

4-169:召喚〔14歳:LEVEL40〕
その頃、戦仕vs苦怨の闘いは―――
〜帝城10階:舞踏の間〜
那金「…ふむ、見事だ。衰えたとはいえ、この拙者の胸を…撃ち抜くとは……。」
ボヒュゥ…(消)
戦仕「ハァ、ハァ、ハァ…ど、どうよっ!?」
苦怨「へぇ…やるじゃないですか。あの武術会の時の、無様な姿がウソのようだ。」
戦仕「じゃあさっさと本気出せよ!オイラの敵は、テメェだけじゃねぇんぜよ!」
苦怨「フフッ…いいでしょう。来るがいい、我が最強のしもべ…!」

忍美「ハァーーーイなのだー!!」
苦怨「ゴメン、呼んでない。」
空気も読んでない。

 

4-170:二度〔14歳:LEVEL40〕
なんとか那金を倒し、苦怨を本気にさせたらしい戦仕。
奥の手を使われる前にさっさと倒せ。
苦怨「どうやらキミは彼と闘うに相応しい力を持っているようです。楽しみですねぇ。」
忍美「て、照れるのだ苦怨様…☆」
苦怨「わざわざ“彼”と明言したことに気づこうか忍美。」
戦仕「あのよぉ、悪ぃけど急いでくんねぇか?オイラも暇じゃねぇんぜよ。」
苦怨「いや〜すみませんねぇウチの子が。まぁ、その分楽しませてあげますから。」
忍美「楽しいこと!?うわーい楽しみなのだー!しのみんね、しの」
苦怨「さぁ、今度こそ来るがいい我が最強のしもべよ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…(震)
そして、何かが現れた。
ロリコング「ウホッホーーー!!」
土男流「連れて来たんだぁ〜〜!!」
苦怨はガックリ膝をついた。

 

4-171:三度〔14歳:LEVEL40〕
忍美の次は土男流に邪魔され、もはや台無しな空気。
だが頑張れ苦怨、負けるな苦怨。
苦怨「いいですか二人とも、邪魔にならないようにあっちで遊んでなさい。」
忍美「ハァーーイ!わかったのだ苦怨様ぁー!」
土男流「わかったぜー!さっ、ロリコちゃんも一緒に行くんだー!」
ロリコング「ウッホォーー☆」
忍美「うっぎゃーー!何この子恐いのだぁーー!!」
苦怨「さぁ、今度こそ…今度こそホントに来てほしいな我が最強のしもべよ!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ…!!(揺)
邪悪なオーラが辺りを包んだ。

やっと「破壊神:レーン」が現れた。
破壊神「…また…呼ばれたのか。」
苦怨「良かった…来てくれて本当に良かった…!」
戦仕「こ、コイツが破壊神…!なんておっかねぇ面構えぜよ…!」
破壊神「う…うぉーん!僕ちゃん傷ついたぁーー!!」
戦仕「え゛ええぇっ!?な、なんぜよその予想外のキャラ!?」
苦怨「彼はとてもナイーブなんですよ、あまりイジめないであげてくださいね。」
戦仕「なんか…スッゲーやりづれぇぜよ…!」
破壊神「さぁ来るがいい人間!僕ちゃんは…全力で、逃げる!」
賢二の祖先か何かか。

 

4-172:攻撃〔14歳:LEVEL40〕
やっと現れた「破壊神」だったが、そのキャラは意外なものだった。
もうなんというか、威厳も何もあったもんじゃなかった。
戦仕「よぉ、やっと出て来たかよ古代神。なんだかワクワク…しづらいキャラだが。」
破壊神「うぉーん!帰りたーーい!」
戦仕「オイラの儚い期待感も返してくれよ!ヤル気が根こそぎどっか行ったぜよ!」
破壊神「というわけで、お前を倒して僕ちゃん帰る。」
戦仕「ヘェ…なんだよアンタ、意外とヤル気じゃんか。けど、コレなら…どうぜよ!?」
戦仕、渾身の一撃!
ミス!攻撃は当たらなかった。
戦仕「な、なんぜよ今の…!?オイラの攻撃が…跳ね返された…!?」
破壊神「僕ちゃんは「磁界師」…世のどんな攻撃も、僕ちゃんには届かない。」
宿敵の祖先かも。

 

4-173:作戦〔14歳:LEVEL40〕
その頃、そんな宿敵は―――
〜帝城1階:守りの広間〜
宿敵「ハァ…ゼハァ…!ど、どうだ!?僕だって、意外と、やれるだろう!?」
太陽神「ふむ、まずまずだわな。まさか我輩がここまで手こずるとは驚きだわな。」
宿敵「フッ…だが、この程度だと思ってもらっちゃ困る。僕の作戦は、これからだ!」
太陽神「けどどうするね?頼みの「水曜獣」も、もう残っていない…違うか?」
宿敵「確かにこの「圧縮檻」には、1種につき5体しか入らない…が、他がいる!」
ピカァアアアアアッ!(光)
太陽神「むっ、「金曜獣」…!?目くらましかっ!」
宿敵「さぁ行ってくれ、「火曜獣」に「日曜獣」!奴を、焼き尽くせっ!」
太陽神「フハハッ!この我輩相手に炎系獣だとぉ?フン、ナメられたものだわな!」
ズゴォオオオオオオ!(燃)
宿敵「くっ、マズい…! た、立ちふさがれ、「木曜獣」!」

ズッゴォオオオオオオオオオオオオ!!(燃)
とってもよく燃えた。

 

4-174:燃料〔14歳:LEVEL40〕
偉そうにほざいた割に、宿敵の作戦はかなりボロボロなものだった。
そして、炎はしばらく燃え続けた。
太陽神「やれやれ、燃料投下とは笑えるわな。熱でやられてしまったかね?」
宿敵「・・・・・・・・。」
太陽神「おやおや、もう喋る元気も無いかね?職を捨てたりするからだわな。」
宿敵「・・・・・・・・。」
太陽神「では…もう死ぬわな。先の健闘を称え一瞬で消してくれよう…燃えろっ!」
だが何も起こらなかった。
太陽神「な…に…? な、なぜだ!?なぜ炎が出ない!?」
宿敵「…さすがは神だ、この状況で生きていられるとは…やはり人間じゃないね。」
太陽神「むっ!?なんだねその口元の魔獣は…!?」
宿敵「この「酸素獣」と、服の中の「冷却獣」がいなければ…僕はもう死んでる。」
太陽神「ハッ!知らぬ間に四方が土壁に…「土曜獣」かっ! まさか…!」
宿敵「燃料投下?フッ、逆だよ逆。密室でこれだけ火を焚いたら…わかるだろう?」
太陽神「き、貴様…!最初からこれが狙いだったか…!」
宿敵「炎を失ったキミに、反撃の術は無い。 さぁ切り刻め、「月曜獣」!!」
返事が無い。酸欠で死んだっぽい。

 

4-175:勝負〔14歳:LEVEL40〕
さぁ反撃だという時に、頼みの魔獣まで葬っていたことに気づいた宿敵。
ここから先はガチでノープランだ。
宿敵「くっ、参ったな…。自慢じゃないけど腕力には自信は無いんだよね、僕。」
太陽神「フッフッフ…フハハハハッ!」
宿敵「な、なんだ…?呆れたのかい?」
太陽神「我輩もだわなっ!!」
宿敵「じ、自慢げに言うことじゃないがちょっと安心したよ。さて…どうしようか?」
太陽神「ふむ…ここは男らしく、殴り合いというのはどうだね?」
宿敵「へぇ、面白いが…その前に聞きたい。キミみたいな男が、なぜ悪の道へ?」
太陽神「こんな能力があったら、全てを燃やしたくなるわな。ま、わかるまいがね。」
宿敵「いや、そうでもないよ。手にした力を使いたくなるのは、誰もが持つ欲望だ。」
太陽神「それが悪なら悪で結構!我輩はやりたいようにやり、そして散るわな!」
宿敵「フッ…潔いね、嫌いじゃないよ。でもまぁ、もう今さら歩み寄れないけどね。」
太陽神「ナメるなよ?老いたとはいえ大人の男…小童に力負けなどありえんわな。」
宿敵「ぐふっ…あぁ、そうだろうね…。僕にはもう、生きることすら…難しい…。」
太陽神「あぁ、「酸素獣」がもう限界かね。やれやれここにきて…残念だわな。」
宿敵「察しが良くて助かるよ。じゃあ最期に、僕がしようとしていること…わかるか?」
太陽神「む?「土曜獣」の口を開い…ハッ!やめるわな、そんなことをすれば…!」
宿敵「そう…不完全燃焼により溜まったガスが引き起こす化学反応、その名も…」
太陽神「こ、ここまでが本当の作戦…だとぉ…!?」
宿敵「ハァ…やっぱ一度くらい…勝ちたかったな…。できれば、“彼”に…」
太陽神「や、やめろぉおおおおおおおおお!!」

宿敵「バック……ドラフト。」

カッ!(光)


ズガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!(大爆発)
命懸けの「引き分け」だった。

 

4-176:激昂〔14歳:LEVEL40〕
そうして、一つの戦いが終わりを迎えた頃―――
〜帝城10階:舞踏の間〜
戦仕「フゥウウウウ〜〜…ハァ、やれやれぜよ。まったく当たんねぇ!」
破壊神「ププッ☆ 僕ちゃんに攻撃とか当たるわけないのに!バカだコイツー!」
戦仕「…だが、そんなテメェも一度は死んだんだ。」
破壊神「ッ!!!」
戦仕「つーことはよ、方法はあるってことぜよ!だったらオイラは、殴るのみよっ!」
戦仕の怒涛の連続攻撃!
破壊神「いやいやいや〜、だーからいくら殴っても当たらないってば〜。」
戦仕「おいオメェ、「手袋」の反対は何ぜよ!?」
破壊神「へ?ロク…テブ?」
戦仕「まさか天然で間違えるアホが…!」
破壊神「ギャハハハ!わっけわかんねー!雑魚にも程があるぅー!」
戦仕「なら見せてやるぁ!武神流最終奥義…漆の秘拳、「七武神」をよぉ!!」
戦仕はぶちキレている。

 

4-177:会心〔14歳:LEVEL40〕
破壊神のナメきった態度に、怒りがおさまらない戦仕は超キレた。
戦仕「いっくぜ破壊神…まずはテメェの、逃げ場をなくすぜよ!縛れ「寿老陣」!」
破壊神「う、動けない…!?でも僕ちゃんの力の前では、拳が当たることは…」
戦仕「テメェの「斥力」…それが万能だと思ったら、大間違いぜよ!「弁財拳」!」
破壊神「プハッハ!なに偉そうに吠えちゃってんの!?なんかクサッ!クッサー!」
戦仕「磁石の同極は確かに避け合うが…“絶対”付かねぇか!?「毘沙門拳」!」
破壊神「ぐぉおおおおお!?おっ、押し潰され…るぅ…!これが、あと四発も…!?」
戦仕「三つ飛ばしてぇー!」
破壊神「え、飛ばしちゃうの!?“七”にはこだわらないの!?」
戦仕「さぁ、ひしゃげて潰れて塵と化せ!食らえ渾身の一撃、「大・黒・拳」!!」
破壊神「うはぁあああああああああああああああ!!
会心の一撃!
破壊神は壁にメリ込んだ。

 

4-178:本気〔14歳:LEVEL40〕
戦仕の怒りの攻撃が炸裂し、破壊神は壁深くに押し込まれた。
勝負アリ…なのか?
戦仕「ゼェ、ゼェ…!や、やったぜよ!オイラ…やっといいとこ見せられたぜよっ!」
苦怨「ば、バカな…!人間ごときが、神に打ち勝つ…だと…!?」
土男流「うぉー!スゴいんだー!あんなの食らったら誰でもペッチャンコだぜー!」
忍美「ぺ、ペッチャンコって響きは嫌いなのだ!乙女のハートをエグるのだ!」
ロリコング「ウッホ…ウホ。」
忍美「慰めは要らないのだ!なんでそんな機能が付いてるのかが疑問なのだっ!」
土男流「あぁ…開発者は変態ロリコンだったんだよ…。」
戦仕「さてと…じゃ、次はオメェぜよ。お師さんのカタキ、討たせてもらうわ。」
苦怨「マズいですね…。さすがに彼以上の霊は、持ち合わせていな…」
ドッゴォオオオオオオオオン!!
痛恨の一撃!

戦仕はアバラが何本かイッた。
破壊神「うぉおおおおおおおおおおおおお!!」
戦仕「グヘアアアッ! チッ、油断したぜよ…攻撃も、できんのかよ…!」
苦怨「そうか、「斥力」で岩を弾いて…。やればできるんじゃないですかレーンさん。」
破壊神「クッソガキィ…!テメェこの俺様に血ぃ吐かせるたぁ、いい度胸だあぁ!!」
戦仕「…ヘッ、やっと面構えに合ったキャラになったじゃねぇの。 やるかよ?」
破壊神「殺ぉおおおおおおおおおおおす!!」
忍美は軽くチビッた。

 

4-179:友情〔14歳:LEVEL40〕
そしてまたまた所は変わり、暗殺美達は―――
〜帝牢:最下層〜
オロチ「フハハハハ!オイどうした小娘ども?先ほどまでの威勢はどこへ行った?」
暗殺美「…フン、二泊三日の旅行中さ。」
商南「あ〜、貧乏人やなぁアンタは。ウチは四泊やで…。」
オロチ「どうやら心も折れたらしいな。名残惜しいが…そろそろ幕としようか。」
暗殺美「アンタ…あとどれだけ避けられるさ?私の体力はぼちぼち限界さ。」
商南「せやな、持ってる術符全部使えば…アンタ一人くらいは、逃がしたれるわ。」
暗殺美「な、何言ってるさ!?味方残して一人で逃げるとか…うん、まぁ、ね?」
商南「なんやねんそのまんざらでもない感じ…。ま、泣かれるよりはええけどな。」
オロチ「そうか、より手負いの方が仲間逃がすか。なんて…ぐすん、友情…!」
商南「ってウザいねんその情緒不安定さ!やりづらいから元戻ってくれへん!?」
暗殺美「…ゴメンさ商南、アンタのその…アレ、忘れないさ!」
商南「何をやねん!?ちょっ、アンタ…!」
暗殺美は駆け出した。
だが周りを囲まれてしまった。
オロチ「フン、愚か者めが。この16の瞳から逃げられるとでも思ってか?」
暗殺美「やれやれ参ったさ、照れるからそんなに見つめるなさ…私だけを、さ。」
オロチ「むっ?なんだその笑顔は…?この状況で油断」
商南「しまくりなんは、アンタやで?」
オロチ「ハッ…!しまった、背後を…!」
商南「出血大サービスや!もちろん出血すんのは、アンタやがな!「切・断・符」!」

ズバシュ!ズババシュ!!(斬)
商南の不意打ち攻撃!
八頭のうち二頭が切り落とされた。

 

4-180:変態〔14歳:LEVEL40〕
敵の虚をついた商南の攻撃により、オロチの頭は二つ消えた。
だがあと六つもあるので依然としてピンチだが大丈夫か。
オロチ「うぐぅ…!ま、まさかこのような奇策を打ってくるとは…!ぬかったわ…!」
商南「ま、暗殺美も半分本気やったろうしな。騙されるのも無理ないわ。」
暗殺美「フッ、半分だと思ったら大間違いさ。」
オロチ「なるほど、いいコンビなのだな。甘く見ていたことを詫びねばならぬ。」
暗殺美「さて、どうするかさ。こう見えてもう喋るのもキツいくらい血を流しすぎたさ。」
商南「ウチかてもう術符切れや。横っ腹の傷も限界や…ま、終わりかなぁ…。」
オロチ「などと言いつつ、逆転の機をうかがっておるのだろう?もう油断しないもん。」
暗殺美「もう騙し系は効かないっぽい雰囲気さ。」
オロチ「終わりだ。何か…遺したい言葉はあるか?」
暗殺美「死ねさ。」
商南「死ねや。」
オロチ「うわーーーーーーん!!もう死んじゃぇーーーー!!」
オロチの全力攻撃!
六頭の口から激しい炎がほとばしる。

ミス!謎の魔法壁が攻撃を防いだ。
オロチ「なっ、魔法…だと!?「魔導符」か!?まだそんな切り札を…!」
商南「う、ウチやないで!?こないな攻撃受けきれるのなんて…!」
暗殺美「ハッ!ま、まさかまたあの変態ジジイかさ…!?」
オロチ「え!そうなの!?イヤァアアアアアアアアアアアッ!!」

賢二〔物陰〕「僕はどうすれば…。」
賢二は出るに出られない。

 

第十二章