第四章

 

2-61:幽閉〔12歳:LEVEL16〕
ギマイ大陸――。
五大陸の中で最も近代的な文化を持つ大陸。
その中でも五本の指に入る大都市「パンシティ」にそびえる「ナンダの塔」…

そこに、盗子は居た。
ガラガラララ(開)
衛兵「入れ。」
盗子「ちょっ、仮にもアタシは花嫁さんでしょ!?なんで牢屋に入れるのさ!」
衛兵「逃亡でもされたら桃錬邪様に殺されるんでな。殺しはしない、安心しろ。」
ガシャン(施錠)
盗子「ムッキィー!絶対いつか逃げ出してやるかんねーだ!!」
土男流「大丈夫だ盗子先輩!きっとトーコちゃんが助けを呼んで来てくれるんだ!」
盗子「でもさー、アタシらが捕まってから結構経つよ?ホント大丈夫なのアイツ?」
土男流「問題無いさ!だってトーコちゃん、人工知能をアップグレードしたし!」
盗子「あ、そういえば言葉がちょっと流暢に…。じゃあ他には何がどうなったの?」
土男流「よりお兄ちゃんが大好きに!」
盗子「一番いらない能力じゃん!むしろ無くなってほしい部分だよ!」
土男流「あっ!あと、ついに待望の「オッパイミサイル」が!」
盗子「え゛っ!ホントに発注かけてたの!?」
土男流「しかも6つ!」
盗子「って、牛か何かかよ!!」
土男流「さらに今なら同じものがもう1個!」
盗子「いらないよ!7個も集めてどうする気なんだよ!」
土男流「そんな豪華6連発のミサイルなんだ!!」
盗子「1個はオマケなのかよ!!!」
放つ姿は絵的にNGだ。

 

2-62:船探〔12歳:LEVEL16〕
盗子に呪われたナンダを救うため、俺達はギマイ大陸を目指し海を渡ることにした。
よし、まずは船を探そう。この際だから金に糸目はつけず、豪華な船を借りよう。
航路が安全なのはわかっている。だが、船や船長がダメなら全ては台無しなのだ。
今まで乗り物絡みで散々苦労した。同じ過ちを何度も繰り返すわけにはいかない。
というわけで俺達は、船を探して歩いた。ひたすら歩いた。ただただ歩いた。


そして、ギマイ大陸に着いた。
陸続きだった。

 

2-63:伝説〔12歳:LEVEL16〕
夏。 エリン大陸を発ってから、早くも季節が一つ変わろうとしていた。
ギマイ大陸に着いた俺達は、今「パンシティ」という街にいる。ナンダが仕切る街だ。
ちなみに、ここに来たのはただのついでだ。決して盗子を助けに来たわけじゃない。
勇者「あそこに見えるのが噂の「ナンダの塔」か…。よし、乗り込むぞお前達!」
賢二「盗子さん…無事ならいいけど…。」
メカ「盗子、「神ノ封印場所ノ地図」盗ンデ隠シタ。殺サレル心配 多分無イ。」
勇者「神だぁ?なんだ、五錬邪はそんなモノを探してるのか? フッ、笑わせるぜ。」
メカ「アナタ〜ハ 神ヲ 信ジマスカ〜?」
賢二「いや、無理してカタことっぽく言わなくても元からだし!」
勇者「ケッ、信じる者しか救わんなんて人間と同じじゃないか。信じる価値も無い。」
商南「ちゅーかまぁ、そもそもおらんしな。神なんて。」
姫「そんなことないよ。実は私、会ったことあるよ。 小料理屋で。」
勇者「姫ちゃん、残念なお知らせがある。多分それは「女将さん」だ。」
マジーン「いや、でもマジ「神」って呼ばれる奴らは実在したらしいぜ?」
勇者「フンッ、ありえんな。神なんて所詮伝説の産物だ、存在するはずが無い。」

というか、伝説でなきゃ困る。
勇者は「破壊神の盾」を装備している。

 

2-64:卒業〔12歳:LEVEL16〕
勇者達がナンダの塔に到着したちょうどその日…。
塔の最上階では盗子の結婚式が行われようとしていた。
司会「それでは新郎新婦の入場です。みなさま、盛大な拍手でお迎えください。」
ナンダ「さぁ、行こう花嫁さん。お義父さん居ないから入口から二人で歩こう。」
盗子「イヤッ!いぃーやぁーだーってばー!! 放せロリコン!死ねっ!!」
ナンダ「おや?よく知ってたね。僕の両眼が「ロリータ・コンタクト」だって。」
盗子「一体どんな世界が見えるんだよ!?」
神父「新郎ナンダ。アナタは健やかなる時も病める時も…」
盗子「な、なに勝手に大詰めに入ろうとしてんのさ!まだ入場途中なのに!」
ピポーン!(押)
ナンダ「誓います!」
盗子「って早押しクイズかよ!そんなテンポで進めるべき式じゃないよ!?」
神父「では新婦盗子。アナタは健やかなる時も病める時も夫ナンダを愛すと誓え。」
盗子「フンだ!もちろん誓わな…って、なぜ命令形!?」
神父「それではとっとと、誓いのキックを。」
盗子「キックなの!?」
果たして勇者は間に合うのか。
〜その頃、勇者達は…〜
賢二「・・・・・・・・。」
(「早押しクイズかよ!そんなテンポで進めるべき式じゃないよ!?」)
マジーン「・・・・・・・・。」
(「フンだ!もちろん誓わな…って、なぜ命令形!?」)
商南「・・・・・・・・。」
(「キックなの!?」)
勇者「おいウェイター、メインディッシュはまだか?」
男性「あ、ハイ、ただいま。」
姫「おかえり。」
普通に出席してた。

 

2-65:争奪〔12歳:LEVEL16〕
さすが金持ちというだけあって、式の料理はなかなか豪勢なものが揃っていた。
特にこの何の肉だかわからない肉料理が絶品だ。まさかこんな料理があったとは。
勇者「うむ、コイツはうまい。おかわりが無いというのが悔しいったらないな。」
商南「おっと、そない言うんやったらウチも一つ貰うでー。」
(「さぁ花嫁さん、蹴っておくれ!そして激しく罵っておくれ!」)
勇者「フッ、バカを言うな。コレは俺の好物に認定した。だから俺が全て食う。」
(「えっ!趣味なの!?そんな趣味も持ってるの!? と、とにかく絶対イヤッ!」)
商南「いくら好物言うたかて一つくらいええやんか。ウチにも食べさせーや。」
(「フフッ、相変わらず照れ屋さんだなぁ。でもキミはもう僕のモノなんだから…」)

勇者「フザけるな!貴様なんぞにくれてやる気は無いわぁー!!」

賢二「あ゛…。」
盗子「えっ…? い、今の声は…まさか…ゆ、勇者!?」
ナンダ「な、なんだねキミは!?まさか僕らの結婚に異議でもあるのかね!?」
勇者「コイツは俺のだ!絶対誰にも渡さんぞ!!」
賢二(わー…。)
ナンダ「そうか、僕の花嫁さんを奪いに来た…というわけか。」
盗子「勇者…☆ 助けに来るどころか奪いに来てくれるだなんて…☆(目がハート)」
マジーン(な、なんか妙な展開になってきたな…。)
賢二(不憫でならないなぁ…。)
肉は姫が食べた。

 

2-66:悪魔〔12歳:LEVEL16〕
ふと我に返ってみると、なにやら不本意な状況になっていることに気が付いた。
まぁこうなってしまったからには仕方ない。適当に話を合わせて乗り切るとするか。
勇者「待たせたな盗子…迎えに来たぞ!」
ナンダ「衛兵、集まれー!邪魔者を排除しろー!」
盗子「えぐっ、う、嬉しいよ勇者ぁ〜ん☆」
勇者「さぁ、潔く死ぬがいいっ!」
盗子「えっ!そっちの「お迎え」なの!?」
賢二「は、早く逃げようよ!ボヤボヤしてるとホントにそっちのお迎えが来ちゃう!」
ナンダ「おっと、逃げられるとでも思うのかね?キミ達にはここで死んでもらう!」
勇者「この俺を殺すだと?やれやれ、女の趣味のみならず頭まで悪いとはな。」
盗子「ちょっと勇者!さりげなくアタシをバカにしないでよ!」
勇者「このブサイクめが!!」
盗子「ゴメン、さりげない方がまだいいわ…。」
衛兵A「ナンダ様!何事ですか!?」
ナンダ「見ればわかるだろう、結婚式荒らしだ!さっさと片付けないか!」
衛兵B「ヘッヘッへ、どうやら久々に暴れられるみてぇだなぁ。」
衛兵C「んで?これから痛い目に遭う可哀想な奴ぁ一体どんな…」

勇者「…あ゛ぁ?」

衛兵達「Σ( ̄▽ ̄;)蒼い悪魔キタァーーー!!」
勇者は何をしたのか。

 

2-67:察知〔12歳:LEVEL16〕
人の顔を見るや、「蒼い悪魔」だとか騒ぎだした衛兵達。まったく失礼な奴らめ。
どうやら誰かと勘違いしているようだが、そんなことはどうでもいい。ブッた斬る!
勇者「あん?誰が悪魔だって? ナメた口きいてんと脳髄をすするぞオラァ!!」
盗子「すするなよ!そういう発言が誤解を招くんだよ!」
衛兵達「ひぃいいい!お、お助けぇー!!」
衛兵達は逃げ出した。
ナンダ「お、オイお前達!どこへ行くつもりだ!?オイッ!!」
賢二「蒼い悪魔…一体どういう意味なんだろうね?」
勇者「まぁ縁があるならいずれわかるさ。それより今は敵を倒すのが最優先だ。」
ナンダ「ハッ…! ま、待て!待ってくれ!話せばわかる!」
姫「じゃあ問題です。私の好きな食べ物はカキ氷です。」
ナンダ「いや、すまない!やっぱりわからないかもしれない!」
勇者「フッ。安心しろ、雑魚は後回しだ。 …なぁ、桃錬邪?」
盗子「えっ、いるの!?ど、どこに!?」
声「…へぇ、ちっとは鼻が効くようになったじゃないかボウヤ。」
賢二「うわっ!い、いつの間に後ろに…!?」
勇者「もう6年前の俺ではない。地獄で後悔したくなければ、甘く見ないことだ。」
桃錬邪「このアタシの気配を読むとはね…。どうやら少しは楽しめそうだな!」

気配?そんなモン読んでねーよ。
勇者はパターンを読んだ。

 

2-68:一八〔12歳:LEVEL16〕
案の定現れた桃錬邪。コイツには6年前の借りがある、負けるわけにはいかん。
勇者「フッ、残念だがお前に楽しんでいる暇は無い。地獄で鬼とでも戯れるんだな。」
桃錬邪「あ?なんだ、やけに強気じゃないか。勝算でもあるっての?」
勇者「前に親父に聞いた。貴様は暗殺専門ゆえ、攻撃力自体は雑魚並だとな。」
桃錬邪「…フフッ。ああ、確かに攻撃力はショボいよ。 けどその代わり…。」
ヒュン(消)
勇者「なっ!消えた!?」
ザシュッ!(斬)
桃錬邪の攻撃。
マジーンに100のダメージ。
マジーン「うおぉっ!!
勇者「ま、マジーン!?」
マジーン「(チッ、もうチョイ加減しろよ…!)だ、大丈夫だ。そんな深くはねぇ。」
勇者「いや、居たんだなと思って。」
マジーン「そっちに驚いたのかよ!」
賢二「速い…!そっか、攻撃力の代わりにスピードがズバぬけてるんだ…!」
勇者「なるほど、高速移動に乗じての斬撃…こりゃ少々厄介dうぉっと!!
ガキィイイン!
勇者は間一髪攻撃を防いだ。
声「なっ!? …チッ!」
盗子「えっ!見えてるの勇者!?」
勇者「まぁかろうじてな。だが背後からの攻撃には対処しきれん…マズいぞ。」
商南「ど、どないすんねん!?ウチはまだ死にたないで!?」
勇者「こうなったら…姫ちゃん、ダイナマイトだ!爆発に巻き込み動きを止める!」
盗子「え゛っ!?む、無茶だよ!そんな作戦、常識を覆すにも程があるよ!」
勇者「このまま何もせねば確実に殺される!ならばイチかバチかに賭けるべきだ!」
賢二「イチでもバチでも死にそうな気がするけどね…。」
姫「はい勇者君!これを使えばいいよ!」
勇者「お!そうそう、この古代の香りがなんとも…って「アンモナイト」じゃないか!」
商南「なんてベタベタな!今日びそないなボケ誰も使わへんで!?」
盗子「いや、でも実践したのは人類初じゃない!?」
桃錬邪(死ねっ!!)
勇者「(殺気…!) ヤバい!来るっ!!」


チュドーーーーン!!(大爆発)
ダイナマイトで合ってた。

 

2-69:痛手〔12歳:LEVEL16〕
アンモナイトがダイナマイトで、塔がフッ飛んで俺達もフッ飛んだ。屋根まで飛んだ。
だが、意外にもみんなカスリ傷程度で済んだようだ。姫ちゃんが無事で良かった。
盗子「アイタタタ…。 お尻打っちゃったよモォ〜!」
賢二「で、でもあの爆発と塔からの落下…それでこの怪我って有り得なくない!?」
姫「さすがはアンモナイトだね。」
勇者「おぉ、だからナンも無いと!?さっすが姫ちゃんだぜ!」
盗子「思っきりダイナマイトだったじゃん!」
商南「ったく、アンタらのせいで貴重な「魔防符」使い切ってもうたわ…。はぁ〜。」
勇者「魔防符!?そうか、だからか! しかも一瞬で…やるじゃないかお前!」
〔魔防符〕
額に貼ることで、その対象を防御壁で包み込む魔法の呪符。
高い防御力を誇るため結構な高値で売買される。
人には優しいが財布に厳しいアイテムである。
商南「まぁすぐとは言わんけど…アンタら四人分、ちゃんと払ってもらわな困るで?」
賢二「勇者君、今回ばかりはちゃんと払おうね?命が助かったんだし。」
勇者「…チッ、がめつい奴め。」

四人分か…かなりの痛手だぜ。
マジーンの分が無い。

 

2-70:奥手〔12歳:LEVEL16〕
塔も半壊したし、桃錬邪も見かけない。どうやら今回のバトルは終わったようだ。
勇者「さて、用も済んだし…行くか。 お、そうだ盗子、地図の話を聞かせろよ。」
盗子「あ、うん。いいけどさ、なんか忘れてることがある気がするんだよね〜…。」
声「フハハハハ!甘い!甘いぞー! そう簡単に逃がすと思うのかね!?」
盗子「!! こ、この声は…!」
ナンダが現れた。
塔の中段で偉そうにしている。
勇者「フッ、放っておけ。ああいう奴は相手にするから付け上がるんだ。」
商南「せやな。わざわざ倒しに登んのも時間の無駄やで。」
ナンダ「ほぉ…言うじゃないか。 だがコレを見てもまだ言えるかな?」
土男流「す、すまない師匠ー!警備が厳重過ぎて逃げ損ねちゃったんだー!」
勇者「なっ!土男流!? チッ、ロボの奴は何してやがったんだ!」
ドガァアアアン!!(壁崩壊)
商南「うわっ、なんやなんや!?何か出てきよったで!?」
メカ「参ッタ…コイツ、強イ…!」
土男流「うわぁートーコちゃーん!ボロボロじゃないかー!」
ロボット「コロス ジャマモノ コロス。」
盗子「えっ!な、なにあのバカでかいロボットは!?ゴリラ型!?」
メカ「ロボ…チガ…ウ!」
盗子「いや、アンタのことじゃないから!」
勇者「フン、まさかこんな兵器を隠していたとはな。これが貴様の奥の手か?」
ナンダ「ああそうだ!私が「ロリータ・コンピュータ」を駆使して開発したのだよ!」
盗子「なんてモノを駆使してんだよ!!」
名は「ロリータ・コング」だ。

 

2-71:敵無〔12歳:LEVEL16〕
ナンダの諦めが悪いおかげで、もう一戦しなければならなくなった。やれやれだ。
勇者「オイ貴様、土男流を連れて降りて来い!そうすりゃ命だけは助けてやる!」
ナンダ「フハハ!何を言っているんだ?自分の状況がわかっているのかね?」
ロボ「ジャマモノ コロース!ニンゲン キライ!」
勇者「あん?機械の分際で生意気な!人間様に逆らう気か!?」
メカ「マッタクダヨ!」
勇者「いや、お前が言うなよ!お前だけは言うなよ!」
姫「ニンジン キライ!」
盗子「真似しなくていいよ!それに今わざわざ訴えるべきことでもないよ!」
姫「ホントハ スキ!」
盗子「どっちなんだよ!?」
賢二「ね、ねぇどうするの勇者君!?あのロボ結構強そうだよ!?」
勇者「フン、ナメるな!あんな奴はこの俺の敵ではないわぁ!」
盗子「ほ、ホントに!?さっすが勇者!頼りになるぅ〜☆」

勇者「お前らの敵だ。」
盗&賢「そういう意味!?」
勇者は面倒を押し付けた。

 

2-72:瞬殺〔12歳:LEVEL16〕
ロボの相手は賢二達に任せ、俺は土男流を助けに向かうことにした。
非常に面倒だが、あんな奴でも大事な弟子だ。見殺しにするわけにはいかない。
ナンダ「来たか小僧!よくも僕の結婚式を台無しに…!生かしては返さん!」
土男流「た、助けてくれ師匠ー!この人さりげなくも大胆に尻を鷲掴みなんだー!」
ナンダ「この感触…9歳か。悪くないな…。」
土男流「しかも的確に歳を読むんだー!」
勇者「オイ変態、戯れもそこまでだ。その微妙な感触を楽しみながら死ぬがいい。」
土男流「微妙とは失礼だよ師匠ー!最近ちょっとプリプリしてきたんだー!」
ナンダ「フフッ、死ぬのはキミの方だ。ロボは一体だけだとでも思ったかい?」
ロリータ・コングが3体現れた。
勇者「…フン、俺もナメられたモンだな。そんな雑魚は2秒でスクラップだぞ?」
ナンダ「チッ、生意気なガキめ…! やってしまえぇ!!」
勇者「鉄クズに還れ!必殺「一刀両断剣」!!」
勇者の攻撃。
コングAは真っ二つになった。
ナンダ「なっ…!」
勇者「フッ。人間じゃないからな、ためらいなく斬れるぜ。」
土男流「いや、師匠ー!むしろアンタは人斬る時の方が楽しげに見えるんだー!」
勇者「残るは2体だが…もはや結果はわかろう。 さぁ、どうする?」
ナンダ「くっ…!ここまでか…!」
ナンダはまだ尻を揉んでいる。

 

2-73:頼事〔12歳:LEVEL16〕
戦いを終え皆のもとに戻ると、賢二達の戦いもまた終わっていた。意外にも。
勇者「よぉ賢二、雑魚は雑魚なりに頑張ったようだな。生意気な。」
賢二「まぁなんとかね。勇者君達も無事っぽいけど…ナンダさんは?」
勇者「ん?あぁ、アイツは…」
土男流「や、やめてくれー!思い出したらハンバーグが食べれなくなるんだー!」
盗子「えっ!何が起こったの!?そんなトラウマ的な何かが起こったの!?」
勇者「気にするな。とにかくお前を苦しめたミンチの奴はもういない。」
盗子「変わってる!名前が変わってるよ!」
賢二「あ、久しぶりだね土男流さん。 …アレ?でも学校はどうしたの?」
土男流「師匠を追って中退してきたんだ!だから私も連れてってくれー!」
賢二「ず、随分と思い切ったことをしたもんだね…。」
勇者「いや、悪いがお前には頼みたいことがある。五錬邪のことを調べてほしい。」
土男流「そ、そんなー! イヤだー!私は師匠の腕枕で寝るって決めたんだー!」
盗子「なにドサクサ紛れにとんでもないこと言ってんのさ!恋人同士かっ!」
姫「甘いね。私は勇者君の夢枕に立ったよ。」
盗子「それは死人とか神様がすることだよ!」
土男流「頼むぜ師匠!私は妙な任務より修行の方がいいんだー!」
勇者「危険な任務だ。できるのは恐らく…我が愛弟子であるお前しかいまい。」
土男流「任せてくれ!あること無いこと調べてくるぜー!」
賢二(か、可哀想な子だなぁ…。)
勇者は可愛がってるつもりだ。

 

2-74:買出〔12歳:LEVEL16〕
土男流とメカ盗子は旅立った。俺もこの街に用は無いので、そろそろ行こうと思う。
勇者「さて、ぼちぼち行きたいのだが…その前に旅の道具を揃えたいと思う。」
商南「せやな。せっかくデカい街におるんやし、ここで買わなアホやで。」
勇者「それでな商南、買い出しはお前に任せたいんだ。必需品を見極めてほしい。」
商南「あ? …ったく、しゃーないな〜。まぁアンタに頭下げられたら断れんわ。」
勇者「助かる。釣りは好きなように使ってくれていいからな。」
商南「わっ、5銀もあるやんか(約5万円)! おおきに!頑張ってくるで☆」
商南は買出しに出掛けた。
盗子「ど、どうしたの勇者?やけに気前が良すぎない…?」
勇者「フッ、そんなことはない。アイツにやるなら5銀なんて安いもんだぜ。」
賢二「ゆ、勇者君…まさか…。」
盗子「まさか勇者、あの女がスキなわけ!?ねぇそうなの!?」
勇者「スキか…まさにその通りだな。」
盗子「そ、そんなぁー!うわーん!!」

ホント、スキだらけだよ。
勇者は「魔防符代(40銀)」を踏み倒した。

 

2-75:始動〔12歳:LEVEL16〕
商南を置き去りにし、俺達は出発した。奴が気づく前に遠くに逃げねばならない。
道中、盗子から神の話を聞いた。信じられないことだが、なにやらマジ話っぽい。
こうなったら真偽のほどを確かめに行くしかないだろう。行って、そしてブッた斬る!
勇者「神か…フッ、面白い。その名ふさわしい奴かどうか、この俺が試してやる!」
賢二「あ!そういえばさ、この四人でパーティー組むのも久しぶりだよね!」
勇者「ん?ああ、そうだな。島を出たときだから…三年ぶりぐらいか?」
盗子「そそ。「修学旅行だね☆」とか言ってた時以来だよね〜☆」
姫「じゃあアレだね、「続・修学旅行〜超魔界大戦〜」だね。」
盗子「イヤだよ!そんな物騒なサブタイトル付けないでよ!」
姫「立ちはだかる五錬邪さん。そしてニンジン。」
盗子「ニンジンの方が強敵なのかよ!って、結局キライなの!?」
賢二「でもさ、桃錬邪さんは倒したんだし、後は四人だよね!一歩進んだよね!」
勇者「…いや、奴は生きてる。脚本家並に展開を読む俺が言うんだ、間違いない。」
賢&盗「えっ!?そんなっ…!」

〜その頃〜
桃錬邪「ぐっ、グハッ! お、降ろせー!離しやがれぇー!」
マジーン「おっと!暴れるなよ姐さん、傷に障るぜ?もうじきアジトに着くからよぉ。」
桃錬邪「く、クソガキどもがぁ…!次会ったらブッ殺してやる…!!」
マジーン(地図は二手に別れた…。フッ、面白くなってきやがったぜ。)
神を巡る戦いが始まる。

 

外伝(壱)