第一章

 

25:運命〔4歳:LEVEL1〕
春。 監獄から脱獄して1年が経ち、私は4歳になった。
修行の成果は…まずまずだと思う。なんでか知んないけどちょっと必死に頑張れた。
勇姫「でもまだ心配なんだよね〜。この程度じゃ絶対”アイツ”には勝てないし…。」
トナリ「あ?なんだよ”アイツ”って…?」
勇姫「…あれ?なんで私、そんなこと言ったんだろ…誰それ?説明を求む!」
トナリ「いや、だからこっちが聞いてんだってば。俺が説明できたら怖ぇだろがよ。」
勇姫「ん〜…ま、いっか!1年も何も無かったんだし、今さら敵なんか来るわけ」
男「捜しましたよ〜、呪われし子供達よ〜。」
来ちゃった。
土男流「ッ!!?」
勇姫「…うん、死ねばいいと思うな。」
トナリ「えっ、俺か!?今フラグ立てたのオメェじゃね!?」 
男「選択の機会を与えましょ〜。僕と共に来るか〜、それとも…この場で死ぬか。」

勇姫「…オッケー!行ってやるよっ!!」
土&ト「えぇっ!?」
運命が変わった。

 

26:両断〔4歳:LEVEL1〕
いきなり現れた謎の敵に、なんかよくわかんないけど従うことにしちゃった私。
本能が、逆らってもろくなことにならないって訴えてきたきがしたの。
土男流「ちょ、待つんだ勇姫!どう見てもそいつは危険なんだ!」
勇姫「ま、しょーがないじゃん。逆らっても殺されるだけだよ。」
男「ん〜、話が早すぎるのが気になりますが〜…まぁいいでしょ〜。」
勇姫「で?私らはどこへ連れてかれて何されちゃうの?てゆーかまずアンタ誰さ?」
禍護「我が名は「禍護(カゴ)」。”王”を集め〜、世界を〜アレします。」
トナリ「どれだよ!?一番肝心なところを濁すなよオイ!」
土男流「だ、ダメなんだ!この子を渡すわけには…」
勇姫「お別れだね、土男流。もう用済みだから消えるがいいよ。」
土男流「Σ( ̄□ ̄;)!!」
トナリ「ひでぇ…!!」
土男流は泣き崩れた。

 

27:到着〔4歳:LEVEL1〕
宇宙船に乗せられた私とトナリは、何日かかけて別の星に連れて行かれたの。
土男流は号泣してたけど、そこはまぁ気にしない方向で。
〜ウシコジョ星:上空〜
勇姫「なんか薄気味悪い星だね…。この落とし前はどうつけてくれるのさトナリ?」
トナリ「いや、決めたのオメェじゃんかよ!俺はもう何がなんだか…」
禍護「ホホホ〜。まぁいずれわかりますよ〜、嫌と言うほどに〜…ね…。」
トナリ「もう既に嫌なんだがな…。」
禍護「さぁ見えましたよ〜。あれがキミ達がこれから〜…眠る星です。」

え、なにその意味深な表現…?
むしろ直球だった。

 

28:空気〔4歳:LEVEL1〕
そんなこんなで、変な城に着いた。どう見ても悪の根城だけど気にしない。
〜ウシコジョ星:黒城(コクジョウ)〜
トナリ「こ、これまた気味悪ぃ城だなオイ…。ここで俺ら何させられるんだよ?」
禍護「ん〜、ちょっとした殺し合いですよ〜。」
トナリ「それが「ちょっと」なら「もっと」は何だよ!?」
勇姫「でもさ、なんか…懐かしい感じがしない?空気というかオーラというか…」
禍護「ご名答〜。この城では〜、「天力」を持つ者を何匹か飼っているのです〜。」
トナリ「なるほどな、確かにあの牢獄の雰囲気に似てやがるぜ。」
禍護「「天力」は未だ謎多き力ですしね〜、研究素材は多いほど良いのですよ〜。」
勇姫「私がブッた斬るけどね!雑魚の分際で”星”を持つ者に逆らおうとは笑止!」
トナリ「お前もうすっかりそっち側だなオイ。無駄に戦う気満々じゃねぇか。」
勇姫「私は生きるよ。たとえ…何を犠牲にしてでも。」
トナリの運命やいかに。

 

29:宣戦〔4歳:LEVEL1〕
その後、何の前触れも無く地下に叩き落された私とトナリ。やっぱアイツ悪魔だ。
勇姫「イッタタタタ…!まったくなんだよアイツ!?ふざけんじゃないよもう!」
トナリ「ぐふっ…と、とりあえず上から降りてからボヤいてくれねぇかタマ…?」
少年「…ったく、また降ってきやがったか。キリがねぇぜ。」
勇姫「そういうアンタは誰なのさ?」
少年A「フッ、俺かぁ?俺は”雷”の属性を持(ザシュッ!)」
勇姫の先制攻撃。
トナリ「やっぱりひでぇ…!」
勇姫「私は勇姫!詳しい事情もわからぬままとりあえず勢いでブッた斬る…!」
勇&ト「トナリが!!」
トナリ「だよなやっぱりな!わかってたよチクショウ! やってやるぁ!!」
トナリはヤケになった。

 

30:心配〔4歳:LEVEL1〕
トナリが大暴れすること数分。20人くらいいた誰か達は、あと3人になってた。
敵の「天力」はショボかったけど、さすがに人数多くてトナリも疲れてきた感じが…。
勇姫「ね、ねぇ大丈夫トナリ?」
トナリ「あ?あぁ、問題ねぇよ、心配すんな。」
勇姫「まだあと3人いるけど。」
トナリ「って先の心配かよ!やっぱちったぁ俺の心配もしてくれ!」
パチパチパチ(拍手)
少年B「いや〜素晴らしい。今度の新入りさんはなかなかに(バシュ!)」
やっぱり勇姫がいった。
トナリ「オメェほんとそういうの得意な!ちょい感心するわ!」
勇姫「さぁ残すはあと2人!ドンと来ちゃいなよ!」
少年C「いや…その必要は無い。なぜならここは、最後の4人に残れれ(バシュ!)」
勇姫は話を聞かない。

 

31:提案〔4歳:LEVEL1〕
というわけで残り1人。さっきの奴は最期になんか言いかけてたけど…まぁいいや。
勇姫「ふぅ、あと1人か…。長い…戦いだったね…。」
トナリ「オメェにゃ言う権利無ぇけどな!」
少年「ハァ、余計なことを…。これじゃ”上”に進まなきゃなんないじゃん。面倒ら…。」
勇姫「あん?なにさ文句あんのアンタ?てゆーか誰さ?」
少年「ん、オイラかい?オイラは」
勇姫の攻撃。

ミス!水の防壁が攻撃を防いだ。
少年「オイラは「離水(リスイ)」。面倒らから無駄な攻撃はやめてくれゆ?」
勇姫「チッ…少しはできるみたいだね。よろしい、話すことを許す!」
トナリ「俺が言うのもなんだが、キレていいぞアンタ?」
離水「あ〜、いいよ面倒らし。そんなことよりさ、みんなでここから…逃げない?」
勇姫はソッコーで乗った。

 

32:作戦〔4歳:LEVEL1〕
最後まで残った「離水」が言うには、この部屋は4人以下になったら扉が開くみたい。
んで上に行って…を繰り返すのが使命なんだとか。いや、私ら聞いてないんだけど。
離水「最上階まで来れれば逃がしてやるとは言われてるんらけど…ねぇ?」
勇姫「うん。それは絶対逃がしてくれないパターンだよね。」
トナリ「けどよ、どのみち勝ち抜いて上に行くしか方法はねぇんじゃねーの?」
勇姫「フッ、まったくバカだねぇトナリは…」
離水「無いらろうね。」
勇姫「無いに決まってんじゃん!」
トナリ「つまり、頂上まで行って、あの禍護とかいう奴を俺らで…」
離水「そう、倒すんらよ…」
勇姫「アンタらが。」
トナリ「お前もな!!」
無謀な作戦が始まる。

 

33:結束〔4歳:LEVEL1〕
1階上に上がると、またさっきと同じくらいの人数がいた。
トナリ「よーし、じゃあ気合い入れていくぜぇ!倒す人数は三等分でいいな?」
勇&離「いや、面倒。」
トナリ「ってオオォォォオオイ!なんだよそれ!?しかもその理由!」
勇姫「フッ、どうやらアンタとは気が合いそうだね離水。」
離水「まったくらね勇姫っち。」
トナリ「いや、負の結束してんじゃねーよ!みんなで脱出って案はどこいったよ!?」
勇姫「え…みんなで出るよ?」
離水「らから頑張って。」
トナリ「ち、ちっくしょおおおお!!」
トナリは孤独だった。

 

34:名案〔4歳:LEVEL1〕
その後もトナリが頑張って、私達はどんどん上に上がっていった。
〜黒城:地上1階〜
トナリ「ゼェ、ゼェ、ちょ、ちょっと、休憩を…!つーかいい加減戦えよテメェらも!」
勇姫「いや、敢えてだから。私らは来るべき戦いに備えてるだけだから。」
離水「え…そうなの?」
勇姫「ほら、少なくともコイツよりはヤル気あるよ!」
トナリ「俺にとっちゃ、どっちもどっちだがな…。まぁいいや、じゃあ行くぜ更に上へ!」
離水「え…行くの?」
トナリ「行くだろ!ここまで来といて何言ってんだよオイ!?」
離水「いや、らってここ…1階でしょ?」
3人は壁をブチ破った。

 

35:前振〔4歳:LEVEL1〕
言われて気づいた。確かにバカ正直に上を目指す必要なんて無かったんだ。
てなわけで、これまでに無いほど力を振り絞り、みんなで壁をブチ抜いてみたの。
離水「ふぅ〜…助かったよ二人とも。オイラらけじゃ壁壊すのはキツかったしさ。」
勇姫「やったね!これで晴れて自由の身だよね!これであの禍護って奴も…」
トナリ「いや待て!その手のセリフは”前フリ”と…」
ザッ(足音)
トナリ「ほら来たーーー!!」
トナリは振り返った。
少女「やっほぉ〜♪」
トナリ「誰だっ!!?」
謎の少女が現れた。

 

36:同類〔4歳:LEVEL1〕
現れたのは、私らより十くらい上な感じの女の子だった。一体何者なんだろう?
少女「え〜、みっちゃんはみっちゃんだよぉ〜。何言ってるのぉ〜?」
勇姫「ど、どうしよトナリ…殴りたい。」
トナリ「いや、やめとけよ。つーかどうせならその拳はさっき振るってほしかったよ。」
離水「みっちゃん…聞いたことあるなぁ。確か「魅惑の桃色魔女:巳津(ミツ)」。」
勇姫「えっ、何そのちょっとエロい称号!?」
離水「あの禍護っちと同類らよ。前にそんな噂知ってた子がいた気がする。」
巳津「あ〜、みっちゃんてばぁ有名人なんだぁ。参っちゃうね☆」
トナリ「てことはやっぱ、俺らを連れ戻しに来たってわけかよ?」
巳津「ん〜、ちょっち違うかニャ〜。みっちゃん禍護ちゃん嫌いだしぃ?」
勇姫「じゃあ何で出てきたのさ?何か用があるからだよね?」
巳津「みっちゃんにはぁ力がいるんだぁ〜♪夢のぉ〜…「世界征服」のためにぃ☆」
コイツはコイツで危険だ。

 

37:不知〔4歳:LEVEL1〕
みっちゃんとかいう変な子ちゃんは、世界征服なんていう困った夢があるみたい。
勇姫「つまりみっちゃんは、「天力」を利用して世界をどうにかしようと?」
巳津「ま、そんな感じぃ〜?だからちょうどぉ奪いに行く途中だったんだよねぇ☆」
トナリ「ケッ、そんな奴らばっかかよ…。 どうするよ離水?また面倒だってか?」
離水「あ〜…ううん、やるよ。連れてかれた方が面倒っぽいしね。」
勇姫「ならば私もやらねばなるまい!」
巳津「…ふぅ〜ん、そんなこと言っちゃっていいのぉ?みっちゃん…」
勇姫「フンだ!言ったらなんだってのさ!?」

巳津「泣くよぉ?」
知るかよ。

 

38:泥棒〔4歳:LEVEL1〕
結局強いんだか弱いんだか言動からはわかりづらいみっちゃん。つまり邪魔くさい。
勇姫「てなわけで、アンタとじゃれてる暇は無いんだよ!ブッ潰す!」
巳津「禍護ちゃんは悪魔だしぃ、みっちゃんと行った方がぁきっと楽しいよぉ?」
勇姫「アイツからも逃げきるもん!さぁトナリ、ちゃっちゃと片付けておしまい!」
トナリ「うぉおおおおおおおお!!」
トナリの攻撃。

勇姫に20のダメージ。
勇姫「ぐふっ! えっ、な、なんで!?」
離水「悪いね勇姫っち…死んでもらえるかなぁ!?」
勇姫「うわっと!り、離水まで!?」
巳津「ウフフ〜♪みっちゃんの「魅惑(チャーム)」はぁ、男の子を虜にしちゃうのぉ☆」

くっ、この泥棒猫っ…!
昼ドラか。

 

39:間違〔4歳:LEVEL1〕
みっちゃんの謀略にはまり、男どもは敵になっちゃってさあ大変。死ねばいいのに。
勇姫「ま、待ってよトナリ!私ってば殴られるようなことした!?」
トナリ「してきただろうがぁあああああ!!」
勇姫「まぁそういえばそうだけども!心当たりしかないけども、でも…ぐはっ!
離水「うなれ流水…「流撃砲」!」
勇姫「むぎゅううううう!!
巳津「ウフフ…キャハハハ!可愛そうな勇姫ちゃん〜…バイバ〜イ☆」
離水「ハァアアアアアア!!」
トナリ「うぉおおおおおおお!!」

くっ、また間違えたみたい…。

”また”…?よくわかんないけど、とにかく…もうダメっぽい…。


やっぱ力が…まだ力が…足りないよ……。
勇姫は死んでしまった。

 




GAME OVER