困った台風情報

 

最初の台風
姉「た、ただいまー!うひゃー!もうビショ濡れー!高志、タオルー!」
弟「あ、おかえり恵子姉ちゃん。やっぱ雨すごい?」
姉「まぁ台風来てるしね〜。あ、そうだ!台風情報!テレビつけて!」
弟「あっ、うん!そうだね!見とかないとヤバいよね!」
ポチッ
アナ「…んばんは。台風情報をお伝えします。」
姉「お!グッドタイミーン!」
弟「少しは衰えてればいいなぁ〜。」
アナ「段々と接近してきた台風20号は、依然として強い勢力を保っており…」
弟「えー。なんだ〜。全然衰えてないんだ〜。」
姉「困るよね〜、ウチはボロ家なのに…。」
アナ「もうなんというか、勢力絶倫です。」
姉「って嫌な言い方するなよ!てゆーか漢字が違うよ!」
アナ「それではまず、鹿児島からの中継を見てみましょう。現場の中野さーん。」
弟「鹿児島…たぶんスゴイ風と雨なんだろうな〜。」
アナ「中野さーん。…中野さーん? …え?」
姉「ん?どうしたんだろ…?」
アナ「…えー。台風の威力は凄まじく、明日は全国的に大雨。」
姉「あっ、中継飛ばした!きっと何かあったんだよ!」
弟「な、中野さんて人に何かあったってこと!?」
アナ「ところにより、中野さんも降るでしょう。」
弟「飛ばされちゃったの!?」
姉「ウマいこと言ってる場合じゃないよ!」
アナ「では続きまして、台風の進路予想図をご覧下さい。」
姉「あっ、ここからが肝心なんだよ!ちゃんと見ようね!」
弟「う、うん!」
アナ「台風は泣く泣く、ミュージシャンになる夢を諦め…」
姉「ってそっちの進路かよ!台風が夢を見るなよ!」
アナ「文化祭カップルが別れるのと同じぐらいの速さで北東に進んでいます。」
姉「わかりづらいよ!ちゃんと数値で表してよ!」
弟「でもさ姉ちゃん、とっても早いってことだけはわかるよ!」
アナ「そして台風は、明日の午前中には愛知県に最も接近し…」
姉「げっ!ヤバいじゃん!ウチらヤバいじゃん!」
アナ「そして午後には、気になるアノ子に急接近☆」
姉「するなよ!それ以前に台風が誰かを気にするなよ!」
アナ「というわけで、愛知県を中心として壊滅的被害を受けるというのが…」
姉「それが専門家の見解…かぁ…。」
弟「や、ヤバいよ姉ちゃん!専門家が言うんならホント危ないかもよ!?」
アナ「死んだ爺ちゃんの口癖でした。」
姉「どんだけピンポイントな口癖なんだよ!そのフザけた性格は遺伝かよ!」
アナ「というわけで皆様、明日は一日、十分に注意してください。」
姉「…ハイハイ。なんかもうどうでもよくなってきたよ…。」
弟「大丈夫だよ姉ちゃん。このニュース当たらなそうな気がするし。」


アナ「以上、中野がお伝えしました。」
姉弟「お前が中野かよ!!」
- 続 -