新説昔話

 

新説:さるかに合戦
昔々 あるところに、サルとカニがいました。

ある日、2匹が歩いていると、偶然道端に落ちていた
柿の種をサルが、おにぎりをカニがそれぞれ拾いました。

するとサルは、カニに向かってこう言いました。

サル「いや、いくらなんでもおにぎりは卑しすぎじゃね?
    砂とかついてんじゃん。俺が捨ててきてやるから
    よこしな。ほら、代わりに柿の種やるからさ。」

そんなサルの優しさに心打たれたカニは、素直におにぎり
を手渡しました。サルは家に帰るとおにぎりをおいしく
いただきました。


家に帰るとカニは、もらった柿の種を早速庭に埋めました。
それからというもの、カニは毎日毎日柿に水をあげながら、
その成長を願ったのです。

カニ「早く芽を出せ柿の種♪出さねばハサミでちょん切る
    どころか、灰になるまで燃やすぞクソが!」


そんな脅しが効いたのか、柿は慌てたように一気に成長し、
「桃栗三年 柿八年」ということわざを無視するペースで
実を実らせるまでに至りました。

柿の実は真っ赤に美味しそうに色づきましたが、カニは
木に登ることができず、呆然としていました。すると
そこにサルが現れ、実を取ってあげると言ったのです。

カニは喜んでお願いすると、サルはスルスルと木に登り、
むしゃむしゃと美味しそうに柿を食べ漁りました。

サルが一向に降りてくる気配がないのでカニが急かすと、
サルは面倒臭そうに、まだ青くて固い実をカニ目掛けて
時速160キロくらいで投げつけました。

実が当たったカニは、当然の如く死んでしまいました。


その事実を知ったカニの子は、嘆き悲しみました。
そして、サルに復讐することを誓い、仲間を呼び集めたのです。

子「お前たちに集まってもらったのは他でもない。
   お袋が…やられた。」

ウス「なっ!おかみさんが…!?」

クリ「犯人はサルの野郎ですかい!?あの野郎…!」

ハチ「許せねぇ…!ブッ殺してやる!」

怒りに怒った一同は、サルの留守中にサルの家に
忍び込みました。家に戻った時がサルの最期です。


計画はこうです。まずクリがいろりの中で待ち構え、
サルが火を付けたらはぜて目を攻撃。慌てたサルが
水がめに向かったら、そこに隠れていたハチが攻撃。
最後に外に逃げようとしたサルの上に、玄関上に
隠れていたウスが落ちるというもの。

そして家に隠れること数時間。
やっとサルが帰ってきました。

サル「ふぅ〜、ただいま〜。」




どっすーーーーーん!!


クリとハチは特に必要無かったとか。
- 完 -