こちら相原総合病院

 

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看護婦「た、大変です先生!急患です!」
医師「フッ、慌て者だなぁ今岡君は。よく見たまえ、これは8巻だよ。」
看護婦「アンタこそ状況をよく見ろよ!9巻が8巻で大慌てって私はアホですか!」
医師「キミを落ち着かせるための冗談さ。 それで?患者の容態は…上から?」
看護婦「あ、ハイ!87・60・86ってオイ!スリーサイズと容態にどんな関係が!?」
医師「私のテンションに関わる。」
看護婦「患者は命に関わる大怪我ですから!それに治療にテンションてアンタ!」
医師「87か…よし!私は急いで向かう、キミはご家族に連絡を取ってくれたまえ。」
看護婦「あ、大丈夫です。すぐに向かうとおっしゃってました。」
医師「おぉ、さすが仕事が早いな。もう連絡がついたのかね。 おっと急がねば!」

看護婦「ええ、お孫さんに。」
そのまま9巻を買いに急いだ相原先生。

 

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医師「ハァ…。」
研修医「ん?どうしたんですか相原先生?さっきから溜め息ばかりですが。」
医師「いや…何度経験しても、堕胎手術はさすがにね…。」
研修医「ですよね…。まったく最近の子はなってませんよ!人の命をなんだと…!」
医師「まったくだね、以後気を付けるよ。」
研修医「え゛…?」
こっそり会計を済ませる相原先生。

 

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患者「先生…頼むよ先生!俺また、テニスができるようになりたいんだよ!」
医師「いや、こんな真っ昼間からそんな卑猥な…。」
患者「テニスだよ!?テ・ニ・ス!卑猥なのはアンタの頭ん中だから!」
医師「頭の中だけだと思ったら大間違いですよ?まったくやれやれですねぇ。」
患者「俺はアンタにやれやれだよ!頼むから真面目にやってくれよ!」
医師「だからこんな真っ昼間からはチョット…。」
患者「何をヤル気なの!?空気読んでよ!今はシリアスな場面じゃん!?」
医師「残念ですが…アナタの夢は一生、叶うことはありません。」
患者「そ、そんな…!なんでだよ!?手術は成功だって言ったじゃんか!」
医師「さっきから言ってるように、腕の方はリハビリでなんとかなります。ですが…」
患者「ですが…?ですがなんなんだよ!?いい加減教えてくれよ、先生!」
医師「…私の口からは言えん。すまんが斉藤君、君から言ってやってくれないか。」
患者「な、なんだよ斉藤先生まで!先生まで無理だっての!?ヒドいよそんなの!」
研修医「その…言いにくいんですが、利根川さん…。」
患者「夢なんだよ!子供の頃からの夢なんだよ!」

研修医「いや、テニスで「甲子園」はチョット…。」
さすがに「バカ」は治せない相原先生。