珍獣大図監

 

 
少女A「チッ、やれやれ…。ホントに…来ちまったんだな…。」
少年「ああ。夢にまで見た光景だけど、まさかこんなに早く来るだなんてね…。」
少女B「こ、これがそうなんだね…これが…」


『壁の向こう側』の世界―――。

話は、三日前にさかのぼる。

 

1
僕らの住む世界は、大きく二つ…『壁』のこちら側と向こう側に分かれている。
いつからかもわからないくらい昔から、天まで届く壁が世界を分断している。
壁の向こう側は謎ばかりで、まるでグランドライ…とにかく謎に包まれているんだ。
少年「てなわけで、その謎を解き明かすのが僕の夢なんだ。どうだ驚いたか?」
少女A「いや、それもう何百回も聞いたし。その「驚いたか?」に驚いたっての。」
龍人「ったく、夢の無い女だなぁ優華(ユウカ)は。獏でも飼ってるのか?」
優華「獏が食うのは夜の夢だよバカ龍人(リュウト)!お前が変なんだってば!」
少女B「龍人君てばいっつも夢見がちだよね〜。マジウザい死ねばいいのに。」
龍人「フッ、お前は今日も厳しいなぁ藍華(アイカ)。姉の顔が見てみたいよ。」
優華「私だよっ!しかも双子だよ知ってんだろーが!」
藍華「え…?」
優華「お前は100パー知っとけ!」
幼馴染み3人が行く。

 

2
僕は龍人、歳は8歳。元気バリバリの…うん、元気バリバリだ(思いつかなかった)。
そんな僕が通うのは『学園学院』。『学園』なのか『学院』なのかはハッキリしない。
〜学園学院〜
龍人「ハァ、今日もめんどくせぇなぁ学校…サボりてぇ…。元気出ねぇ…。」
優華「オッス龍人!」
龍人「ハァ?オイオイわかってないなぁ優華。『オッス』の後には必ず『オラ』だろ?」
優華「えぇ!?お、オッス!オラ龍人!って意味変わっちまってるじゃねーか!」
藍華「アハ☆今日も仲良しだねぇ二人とも。なんか見ててイライラしちゃう。」
優華「にしても、アレだよね!なんかワクワクするよね今日は!」
龍人「なんだよ優華、近所で無差別テロでもあったのか!?」
優華「違ぇーよ!そんなんでワクワクしちゃうとかドコの死神だよ私は!?」
藍華「『実習用図監』が配られるからだよね。優華ってばお子様…クソガキだね☆」
優華「なんでわざわざ悪い方に言い直した!?」
龍人「『図監(ズカン)』…動植物を封じ込め、使役できる本…よくある設定だよな。」
それを言っちゃあ。