NEET再生計画 |
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それは、唐突に立案され…そして唐突に実行に移された。 その計画の名は、『NEET再生計画』。何を意味するかは大体想像通りだろう。 対象者は、「労働者・失業者・主婦・学生」に該当しない、15〜34歳までの若者。 もちろん、病気や家庭の事情などのせいで『働きたくても働けない者』は除かれる。 要は、無職の理由が単なる『甘え』であり、『遊び』が主である生活をしている者だ。 つまりは、俺だ。 |
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俺の名は『鬱村タメオ』。歳は22歳で、自慢じゃないが趣味は引きこもりだ。 大学は1年目で挫折し、その後は気ままなニート生活。それからもう3年が過ぎた。 今は部屋を出るのもトイレの時だけ。風呂は週1、食事は部屋の前に置かれる。 最初は口うるさく言ってきた親も、ここ最近は静か。やっと理解したのか雑魚どもめ。 俺が世間に適さないんじゃない、世間が俺に適さないんだ。俺はなんにも悪くない。 俺は誰にも縛られず、自由に生きるんだ。 |
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3 | |
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そんなある日、俺がライフワークであるネット散策に勤しんでいた時のこと…。 突然扉が開き、黒服にサングラスといういかにもな服装の男達が入ってきたのだ。 タメオ「えっ!?ちょ、ちょちょ…えぇっ!?」 黒服A「鬱村…タメオだな?我々は『NRA』…『ニート再生協会』の者だ。」 タメオ「え…な、なに…?」 黒服B「おめでとう。選ばれたのだよ、被験者に。キミは生まれ変わるのだ。」 タメオ「えっと…間に合ってます…。」 黒服C「いや、間に合ってないから。若干間に合ってないから今こうなってる。」 タメオ「ちょ、離し…離してよ!イヤだ、絶対行かない!俺はこのままでいいんだ!」 黒服A「それは…本気で言っているのかね?本当に、このままずっといられると?」 タメオ「え…?」 黒服B「夢も無い力も無いヤル気も無い、収入も無く親に寄生するだけの人生…」 黒服C「どう考えてもこのままじゃマズいよね?てゆーかまず、そんな人生楽しい?」 タメオ「・・・・・・・・。」 …普通に楽しいが? |
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