届け私の恋

 

1
私はドジでおっちょこちょいで、全然冴えないダメダメな女の子。あ、中2です。
あ、じゃなくて、その前に、名前は『飯尾知世子(イイオチヨコ)』です。
みんなは『ちょ子』とか、あ、おっちょこちょいだから『おっちょ子』とか呼ぶ人も…
〜通学路〜
少女「おっはよーちょ子!今日おも変わらずのんびり歩いてんねぇ〜!」
知世子「あ、詠美(ヨミ)ちゃん。おはよー。今日もあの、えっと…女の子だね?」
詠美「いや、そりゃそうでしょ。日替わりで性別変わるとかどんな化け物だよ。」
知世子「エヘヘ…またダメだった。ゴメンねアドリブ弱くて。」
詠美「別にボケ求めたつもりは無かったけど…いいんじゃん?ちょ子らしくて。」
知世子「えー、イヤだよ〜私変わりたいもん!」
詠美「大丈夫、もう十分変わってるから。」
知世子「あ、ホント?エヘヘ…あ、そういう意味じゃなしにー!」
 

 

2
自他共に認めるおっちょ子な私だけど、実は好きな人がいたりするのです。
あ、私のことを好きな人じゃなくて、私が一方的に好きで、つまり片思いなわけで…
〜教室〜
少年「よぉ早瀬(ハヤセ)!オッス!」
詠美「あん?なに気安く呼び捨てにしてのさ『高坂春人(コウサカハルト)』。殺すよ?」
春人「まぁいいじゃんか、昨日から同じクラスで席も後ろ前!仲良くなろうぜ!」
詠美「前後で仲良くすんなら隣にももっと絡みなよ。ねぇちょ子?」
知世子「ッ!!!」
春人「そりゃあもちろんそうするさ。お前もよろしくな、飯尾!」
知世子「あ…う…あっ…。」
詠美「あーゴメン、この子急に話振られるとフリーズすんだよ。ちょっと待ったって。」
春人「あ、マジで?オッケーオッケー全然待つよ。のんびりいこうぜ。」
知世子「さ、3年ほど…。」
春人「うん、さ…えぇっ!?」